怒りオーラを増す先輩(脚本)
〇一人部屋(車いす無し)
珠璃の家。
山本珠璃「計画そのものは秘密裏に進めているつもりよ。あと少しで仇が取れるわ。待っててね」
そして彼女は着替え始めた。
山本珠璃「じゃ、行ってきます」
〇オフィスのフロア
森薫(先輩は私に対して憎悪のイメージを抱いてる以上、イメージアップに励まなくっちゃ....!!)
氷川純也「森、早いじゃないか。どうした?」
森薫「少し早めに来て、仕事をしようと思ったんです」
氷川純也「なるほど。「早起きは三文の徳」ともいうしね」
倉田俊成「おや、早いじゃないか、二人とも。こりゃ珍しいから、雨が降るかもな」
氷川純也「困りますよ。今度久しぶりに家族に会いに行くんだから、晴れなきゃ困るんですよ」
倉田俊成「悪い悪い」
倉田俊成「それより、山本君の様子はどうだい?」
森薫「今のところ特に不穏な動きはないようです」
会社の同僚「実は、山本先輩の旧友なんですよ、私。同級生だったんです」
倉田俊成「なに、旧友だって?」
その女は、珠璃に関する秘密について話をした。
倉田俊成「なるほど。よくわかった。山本君にも黙っておいてくれよ」
やがて、始業時間となった。
〇テーブル席
昼食の時間になった。
倉田俊成「今日は私のおごりだ。たまには思いっきり食べたまえ」
森薫「ありがとうございます」
祝辞をしながら、胸の内を話す森薫。
倉田俊成「それで、山本君の家族を、君の親戚が事故で殺めたってことなのかい?」
森薫「そうなんです。だから、私、先輩に命を狙われてる気がするんですよ」
倉田俊成「警察には届けたのかい?」
森薫「氷川先輩の同伴で相談に行ったんです」
倉田俊成「なるほど。これなら安心できるが、油断はできない。いつ山本君が君に対して憎悪を向けるか、気がかりだね」
森薫「だから、先輩と距離を置くべく、できるだけ別行動をしたり、机も別々にしたんですよ」
倉田俊成「なるほど」
〇オフィスのフロア
午後のこと。
上司「森君、あれから様子はどうだい?」
森薫「私の同級生が、先輩の関係者だったようで、先輩に対しいろいろ言っておいたとのことでした」
上司「そうか。それなら安心だね」
会社の同僚「森さん、そろそろお客様がお見えになりますよ」
森薫「わかりました!」
上司「いいかい、森君、リフレッシュして仕事に臨むんだよ」
森薫「はい、わかりました。頑張りますよ!」
山本珠璃(今に見てなさい、森薫!そう言って笑っていられるのも今のうちなのよ.....!!!!!!!)
〇オフィスのフロア
やがて、終業時間になった。
上司「今日の午後、なかなかの働きぶりだったね。私としても誉れ高いよ」
森薫「そういってもらえると嬉しいものです!」
上司「次も、また期待してるからね」
森薫「そうですね!頑張りますよ!」
氷川純也「大いに期待してるよ、森薫」
上司「よし、ご褒美に今夜は私のおごりだ!夕食をご馳走しよう」
森薫「ありがとうございます!」
〇一人部屋(車いす無し)
その夜、珠璃の家では。
山本珠璃「ただいま。だいぶ計画も進んでるような気がするの。もう少しで仇が取れるわ」
両親の写真に向かって語り掛ける珠璃。
山本珠璃(そろそろ潮時ね。覚悟なさい!)