転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

第十二話(脚本)

転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

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〇黒背景
  ごめんね・・・
  優・・・
  ・・・
  瑠衣!!

〇黒背景

〇一戸建て
美琴「八千流ちゃん、どこ行くの!」
八千流「どこって、昨日言ったでしょ」
八千流「お祖母ちゃん達の所に行くだけだよ」
美琴「ダメだよ!一人で出歩くなんて!」
八千流「そんな事を言われても・・・」
美琴「絶対ダメ!」
八千流「まいったなぁ・・・」
八千流「ん?」
田辺「やあ、久しぶり」
八千流「刑事さん」
田辺「お出かけかい?」
八千流「まぁ、ちょっと・・・」
田辺「良かったら送って行こうか?」
八千流「大丈夫です、一人で・・・」
美琴「ぜひ!お願いします!」
八千流「美琴ぉ・・・」
美琴「刑事さんと一緒なら安全だから!」
田辺「じゃあ、お預かりします」

〇車内
田辺「ずいぶんと心配されているね」
八千流「仕方ないですね、美琴には辛い思いばかりさせてますから」
八千流「私のせいで・・・」
  ・・・アノ日、私は死ぬつもりだった

〇おしゃれなリビングダイニング
  快斗達と一緒に、死ぬつもりだった
  美琴との約束を反故にして・・・
  しかし生き残った
  私だけじゃない、あの場に居た全員が
  どうやら、近所に火の手が回らない様にしたのが良くなかったようだ
  思ったよりも火の回りが遅く、駆け付けた刑事さんと通報を受けた消防士さん達によって
  私達は火事場から救出された
  後に聞いたところ・・・やっぱり私の事が心配になった美琴が引き返し、室内が炎に包まれているのを発見
  119番に通報したとの事

〇病室
  その後、私は火傷と軽度の一酸化炭素中毒により数日の入院を余儀なくされた
  私は、退院したらアノ3人を殺さなきゃと思っていたんだけど
美琴「もう絶対に八千流ちゃんから離れない!」
  と、見舞いに来た美琴が泣くわ泣くわ・・・

〇一戸建て
  祖父母とも話し合い、私は美琴の家に居候する形になった
  火事は事故と見なされた為、退院後、私は問答無用で美琴の家へ
  正直、どうやって抜け出そうかと考えていたんだけど・・・

〇車内
八千流「それで、何の報告ですか?」
田辺「相変わらずタンパクだね」
八千流「今日はお祖母ちゃんの誕生日なんで、長々とお喋りする時間が無いんです」
田辺「あ、そう・・・」
田辺「・・・え〜と、まず永山教治と善美夫婦は麻薬取締法違反で正式に逮捕された」
田辺「余罪は満載だし、実刑間違いなしだろうね」
八千流「余罪ですか?」
田辺「ああ、教治が勤める病院で、入院していた患者に違法な薬物を投与してデータを取ってたり・・・」
田辺「簡単に言えば、人体実験みたいな事をしてたんだ」
田辺「君から預かった薬が、強制捜査の糸口になったよ」
八千流「やっぱり・・・」
  反魂の術なんて実証しようとした人間だ
  研究名目で、あの薬にも何か細工がしてあるんじゃないかとは思っていたけど・・・
田辺「八千流君も、少量とは言え服用してたんだ」
田辺「ちゃんと検査は受けないとダメだよ」
八千流「わかってます」
八千流「それで、快斗はどうですか?」
田辺「相変わらずだね」
田辺「火事のショックか、いまだに自分の名前すら思い出せないらしい」
八千流「そうですか・・・」
田辺「しかし、君の録音を聞かされても未だに信じられないよ」
田辺「転生とか、反魂とか・・・」

〇病室
  私は刑事さんに全てを話した
  私の事、快斗達の事、そして優と瑠衣にあった事も全て
  当然、刑事さんは信じなかった
  だから録音を聞かせ、その上で私は瑠衣の事を話した
  本人以外は絶対に知らないであろう、事故当時の状況などを中心に
田辺「オジサンの頭じゃ、とても理解が追い付かないよ」
  そう言いながら、刑事さんも嘘と切り捨てる事は出来なかったらしい
田辺「明石瑠衣の水難事故、再捜査は難しいと思うよ」
  そう、申し訳なさそうに言われた

〇車内
田辺「それで、どうするつもり?」
八千流「何がですか?」
田辺「まだ彼等に復讐するつもり?」
八千流「・・・」
田辺「もしそうなら・・・俺は立場上、君を止めなきゃならないんだけど」
八千流「それなら、あの火事は放火殺人未遂だったと、改めて私を逮捕しますか?」
田辺「・・・誰も信じやしないよ、物証も乏しいし」
  残った祖父母に迷惑が掛からないよう、事故に見せかけた事が功を奏したらしい
田辺「折角生き返ったんならさ、辛い過去は忘れて楽しく生きるって手もあるんじゃない?」
八千流「その新しい人生も、アイツ等が居る限り私に安息はありません」
八千流「私だけじゃない、周りの人達だって・・・」
八千流「それに、私は未遂とは言え人を殺そうとしたんです」
八千流「ケジメはつけないと・・・」
田辺「・・・」
八千流「・・・ん?」

〇総合病院
八千流「・・・病院?」
八千流「刑事さん、私お祖母ちゃんの家に行くって言いましたよね?」
田辺「その前に、ちょっと寄って行って欲しいんだ」
八千流「・・・」
田辺「そう怖い顔しないで」
田辺「スグ終わるから」
八千流「精密検査なら後日受けますよ」
田辺「まぁまぁ」

〇病室
田辺「失礼しますよ」
八千流「・・・あ」
道哉「こんにちは、刑事さん」
八千流「・・・」
道哉「八千流ちゃん、久しぶりだね」
八千流「・・・遠野さん」
田辺「遠野社長の目が覚めたって連絡が来てね」
田辺「まだ面会時間は短いけど、今日の内に来た方が良いと思って」
道哉「刑事さんから聞いたよ」
道哉「八千流ちゃん、毎日のようにお見舞いに来てくれてたんだって?」
道哉「ありがとう」
八千流「う・・・うぅ・・・」
道哉「や、八千流ちゃん!」
八千流「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
道哉「何で八千流ちゃんが謝るの?」
八千流「私が・・・居たせいで・・・」
田辺「・・・」
田辺「ねぇ遠野さん」
道哉「は、はい」
田辺「遠野さんも、これから大変だよね」
道哉「・・・そうですね」
道哉「火事に関しては、保険が有るので何とかなりそうですけど」
道哉「事件に関係していたのが桐谷君だけとは言え、会社の信用は地に落ちたと言っても良い」
道哉「社員の管理すら出来ていなかったわけですから・・・」
道哉「それに、何時までも他の社員達を待たせられないし・・・」
道哉「最悪自分一人で、この先どうするか・・・」
道哉「正直、見通しは全く立っていません」
道哉「家族から託された、大切な会社なのに・・・」
八千流「・・・道哉」
田辺「遠野社長」
田辺「実は以前、面白い話を聞きましてね」
田辺「海外では、小学生を会社の顧問として雇うこともあるそうですよ」
道哉「はぁ・・・」
田辺「実力主義ってヤツですかね」
田辺「会社に利益をもたらす人材なら、年齢は関係ないみたいですよ」
道哉「小学生を・・・」
道哉「・・・」
田辺「・・・」
八千流「・・・え?」
田辺「ねぇ八千流君」
八千流「ちょっと刑事さん!」
田辺「彼等の事は俺が眼を光らせておく」
田辺「彼等が破壊したモノを再生する事で贖罪とする・・・そういう再出発も良いんじゃないか?」
八千流「・・・」
八千流「・・・刑事さん」
田辺「ん?」
八千流「良い人ムーヴはらしくないですよ?」
田辺「えぇ・・・」
道哉「八千流ちゃん・・・いや、明石八千流さん」
八千流「・・・はい」
道哉「今度、改めて話が・・・」
道哉「いや、お願いが有るんだけど、聞いて貰えるかな?」
八千流「・・・」
八千流「はい、喜んで」

〇車内
田辺「ああ、そうそう」
田辺「明石京華が自供したよ」
田辺「明石優や岡島達に横領の指南をした事と、とある組織に桐谷と岡島の殺害を依頼した事」
田辺「君にバレそうになって襲い、そのまま海外に連れ出そうとした事」
八千流「そうですか・・・」
田辺「ただ、明石優の件は岡島の独断のようだ」
田辺「桐谷の焼死・・・いや遠野社長が重体になったと知り、明石優が会社に告発すると言い出して・・・って事らしい」
田辺「岡島も、まさか自分の命まで狙われているとは考えてなかったようだ」
田辺「明石京華が狙っていると伝えたら、ペラペラ喋ってくれたよ」
田辺「因みに、明石京華は前夫である明人氏については黙秘を貫いてる」
八千流「・・・」

〇葬儀場
  じゃあ、あの時の涙は
  全部演技って訳でもなかったのかな?
  それでも、京華はまだ明人の事を・・・
  結局、京華は明人の思惑をどこまで知っていたんだろうか・・・

〇おしゃれなリビングダイニング
京華「安心して、殺すつもりはないわ」
京華「アナタの体は、アノ人の大切な忘れ形見なんだから・・・」

〇車内
八千流「・・・」
田辺「それと、明石瑠衣の水難事故に関しても何も喋らない」
田辺「残念ながら、あの遺書だけじゃ京華を罪には問えないね」
田辺「結局、明石優の過失致死って結論には変わらないと思う」
八千流「そうですか・・・」
田辺「気にならない?」
八千流「優には申し訳ないですけど・・・」
八千流「今では、京華も被害者にしか思えなくて・・・」
田辺「そっか・・・」

〇大きな一軒家
八千流「っで、刑事さんで管理しきれるんですか?」
八千流「あんなマッド・サイコロジスト達の事」
田辺「まぁ、任せておきなよ」
田辺「少なくとも、八千流君や周囲の人達に被害が出ない様にはするさ」
八千流「・・・わかりました」
田辺「それじゃあ」
八千流「・・・はい」
八千流「・・・」
八千流「刑事さん!」
田辺「ん?」
八千流「・・・」
八千流「ありがとうございました」
田辺「どういたしまして」
八千流「・・・」
八千流「・・・よし」
八千流「お祖母ちゃん!お祖父ちゃん!」
八千流「ただいま!」

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