あやめ祭り

MK38

エピソード3 2人目(脚本)

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〇個別オフィス
森村照彦「鈴子さん、ごめん。こんな形になってしまって・・・」
西村鈴子「院長謝らないでください」
西村鈴子「私も・・・院長のことは気になっていましたし・・・」
森村照彦「ええ!そうなのかい?」
西村鈴子「はい。でも、なんといってもお嬢様の旦那様ですし」
森村照彦「僕と冴子は、もう夫婦と呼べるような関係ではなくなってしまった」
西村鈴子「そうなんですか!?」
森村照彦「うん、残念ながらというべきか」
森村照彦「鈴子さん」
西村鈴子「はい」
森村照彦「これからも2人で会ってもらえないだろうか?」
西村鈴子「はい!!」

〇空港の外観
マスコミ「こちら成田空港です。世界的に有名な実業家兼医師のマイケル・ベックマンが緊急来日するとの情報が入ってきました」
マスコミ「彼の来日の目的は、なんなのか。 突撃インタビューをしてみたいと思います!」
マスコミ「あ!ベックマンがこちらに向かってきました!」
マスコミ「ハ、ハロー!」
マイケル・ベックマン「やあ、お嬢さん。 ボクは、日本語大丈夫だよ!」
マスコミ「あ、よかった。今回日本に来た理由はなんですか?」
マイケル・ベックマン「日本にいる友達とお茶を飲みに来たのさ」
マスコミ「は、はあ」
マイケル・ベックマン「もし、その友人に振られたら、お嬢さんが日本を案内してくれるかい?」
マスコミ「いや、それは・・・」
マイケル・ベックマン「ハハハ、冗談さ。ボクにインタビューするときは、ここに連絡してね。最優先で引き受けるよ!」

〇豪華な社長室
  コンコン
森村冴子「どうぞ」
マイケル・ベックマン「やあ!サエコ!久しぶりだね!」
森村冴子「ああ!マイケル!来てくれたのね!」
マイケル・ベックマン「大切なフレンド、サエコからのお願いなら断るわけないだろ」
森村冴子「フフフ、マイケルならそう言ってくれると思ったわ。ありがとう!」
マイケル・ベックマン「順調にキャリアを積んでいるね。そして、相変わらず美しい」
森村冴子「あなたに比べたら私なんてまだまだよ」
マイケル・ベックマン「じゃあ、さっそく新しいホスピタルを見せてくれよ」

〇総合病院
マイケル・ベックマン「ワーオ!素晴らしいホスピタルだね!さすが、サエコが設計に関わっただけあって美しい」
森村冴子「建物も、残り20%で完成ってとこね。年内オープンを目指すわ」
マイケル・ベックマン「ボクも全力で応援するよ!」
マイケル・ベックマン「サエコのハズバンドが、ここのデイレクター(院長)になるのかい?」
森村冴子「ええ、そうよ。本人は乗り気じゃないみたいだけど。マイケルには、彼にアドバイスしてあげてほしいのよ」
マイケル・ベックマン「もちろんだよ」
森村冴子「あ、ウワサをすれば」
森村照彦「冴子、来てたのかい?」
森村冴子「ええ、工事の進行状況を確認しにね」
森村照彦「こちらは?」
森村冴子「紹介するわ。私がアメリカに留学してたときクラスメイトだったマイケル・ベックマンよ」
森村照彦「ナイス トゥ 三―チュー」
マイケル・ベックマン「ボクは日本語大丈夫よ」
森村冴子「彼は、医者でありながらいくつも会社を経営している実業家でもあるわ。かなり有名なんだけど、あなた知らないの?」
森村照彦「ああ、僕はそういうのはちょっと疎いもんで」
マイケル・ベックマン「オ~まったく気にしないで」
森村冴子「彼にはアドバイザーに就任してもらって、いろいろとサポートしてもらうわ」
マイケル・ベックマン「イエス!ボク、がんばるよ。バックアップするから何でも相談してね」
森村照彦「はい。よろしくお願いします」
森村冴子「あとで「院長室」にも顔だすわ」
森村照彦「ああ」

〇個別オフィス
森村照彦「冴子、どういうことだよ!」
森村冴子「どういうことって?」
森村照彦「あのマイケルとかいうアメリカ人だよ!」
森村冴子「説明したでしょ?彼は、私の・・・」
森村照彦「そんなこと聞いてるんじゃない!」
森村照彦「彼が、アドバイザーになるなんて聞いてないぞ!」
森村冴子「でしょうね。私が1人で決めたことだから」
森村照彦「こっちに相談もなく勝手に決めてしまって」
森村冴子「あなた、経営のこととかまったく分からないでしょ。私1人ではさすがにムリ。だから頼んだのよ」
森村照彦「僕は、このやり方には納得できない!」
森村冴子「あなたは、余分なこと考えないで医療に専念してればいいのよ」
森村冴子「それに、彼はオペの腕も超一流よ。彼のオペには、世界中から見学にくるくらいだから」
森村照彦「そうかもしれないけど」
森村冴子「この話はこれでおしまい。 ところで、あなた」
森村照彦「なんだよ」
森村冴子「西村鈴子のことだけど」
森村冴子「病棟にいたんだけど、どういうこと?」
森村照彦「どういうことって、うちで勤務してるんだから当たり前じゃないか」
森村冴子「この間言わなかったかしら?「お願いね」って。意味伝わらなかったの?」
森村照彦「伝わったさ。君は、彼女を切りたいのかもしれないけど、僕は反対だ」
森村冴子「あんなにクレームが来てるのに?どうして?」
森村照彦「彼女は、立派な看護師だ。確かに歌の件でクレームを起こしたかもしれないけど、それは1つ1つ教えてあげればいいじゃないか」
森村冴子「随分、西村鈴子に肩入れするのね」
森村照彦「肩入れしてるわけじゃない。ただ、僕も院長として現場を預かってるんだ。君より現場には詳しいつもりだ」
森村照彦「僕の意見を述べること権利くらいあるだろう」
森村冴子「・・・」
森村冴子「分かったわ。彼女の処遇は、あなたに任せる」
森村照彦「ありがとう。感謝するよ」
森村冴子「じゃあ、私これから別のところで打ち合わせがあるから」

〇病院の入口
森村冴子(なぜあの男がお礼を?怪しいわね)
  はい、こちら探偵事務所ホームズですが

〇豪華な社長室
マイケル・ベックマン「サエコ、もうすぐだね。もうすぐ君の夢も完成に近づく」
森村冴子「ええ、でも正確には、私のママの夢よ」

〇おしゃれな大学
  15年前、アメリカ
マイケル・ベックマン「サエコ、ここにいたのかい?」
森村冴子「ああ、マイケル」
マイケル・ベックマン「はい、サエコの分も」
森村冴子「フフフ、優しいのね」
マイケル・ベックマン「例のノートを見てたのかい?」
森村冴子「ええ、ここには私の。いえ、ママの夢が書いてあるのよ」
マイケル・ベックマン「夢?」
森村冴子「マイケル、誰にも言わないならアナタにだけは見せてあげてもいいわ」
マイケル・ベックマン「もちろん、絶対誰にも言わないよ!」
マイケル・ベックマン「こ、これは!グレイト ドリーム!とても素晴らしい!」
森村冴子「ありがとう。マイケルなら分かってくれると思ったわ!」
マイケル・ベックマン「このスキームが完成すれば、世界中の医療のパイオニアになれるよ」
森村冴子「そう。そのためには、医療と経営の両方を理解していることが必要なの。いまの日本では、それができない」
森村冴子「だから、アメリカに来たのよ。ま、これもママの残してくれたノートに書いてあるんだけどね」
マイケル・ベックマン「あと、ワールドワイドなビジネスパートナーが必要だとも書いてあったよ」
森村冴子「じゃあ、それはマイケルにお願いするわ!」
マイケル・ベックマン「もちろん、そのつもりさ!」

〇豪華な社長室
森村冴子「マイケルの力が必要よ。よろしくね」
マイケル・ベックマン「OK!!」
  ピロロロ~
森村冴子「はい」
  探偵事務所ホームズですが、ご依頼いただいた調査結果がでましたのでご連絡させていただきました。
森村冴子「ああ、ありがとうございます」
  よろしければ、これから結果をお持ちすることが可能ですが、ご予定いかがでしょうか?
森村冴子「いえ、こちらから伺うわ」
  かしこまりました。では、お待ちしております
マイケル・ベックマン「サエコ、どうしたんだい?おっかない顔して?」
森村冴子「マイケル、ちょっとつき合って」

〇オフィスのフロア
探偵事務所代表:江戸川「今回の件で、調査を担当しました代表の江戸川と申します」
森村冴子「思ったより、結果がでるのが早かったので驚きました」
探偵事務所代表:江戸川「ありがとうございます。うちは、スピードもサービスの一つだと考えておりますので」
マイケル・ベックマン(タンテイ?ディテクティブのことか?)
探偵事務所代表:江戸川「それで、こちらが調査結果と証拠になります」
マイケル・ベックマン「サ、サエコ!これは!?」
探偵事務所代表:江戸川「結論から申し上げますと、完全に「クロ」です」
森村冴子「ええ、そのようね」
マイケル・ベックマン「これは、いったいどういうことなんだ?」
森村冴子「いいのよ。マイケル、分かっていたのよ」
探偵事務所代表:江戸川「この後のことですが、どうされますか?離婚や慰謝料について、弁護士を紹介することもできますが」
森村冴子「ありがとう。これからのことは、こちらで対応するわ。今日はこの調査結果だけ持ち帰ります」

〇車内
マイケル・ベックマン「ボクは、テルヒコを許せない!!」
マイケル・ベックマン「こんなステキな女性を裏切るなんて!!」
森村冴子「いいのよ。マイケル、分かってた。分かってたのよ。今日はそれを確かめに来ただけ」
マイケル・ベックマン「でも、」
森村冴子「本当は、1人でくるつもりだったんだけど怖かったのよ。だから、マイケルにつきあってもらったの」
マイケル・ベックマン「そ、そんな」
森村冴子「ありがとう、マイケル」
森村冴子「ううっ」
マイケル・ベックマン「サエコ、つらいときは泣いてもいんだよ」
森村冴子「マイケル、あなたには頼りっぱなしね」
マイケル・ベックマン「このまま、ずっと頼ってもらって構わないよ」

〇個別オフィス
森村照彦「マイケル、どうしたんだい?」
マイケル・ベックマン「テルヒコ、君はなんてことをしたんだ!」
森村照彦「え?なにを言ってるんだい?」
マイケル・ベックマン「とぼけるな!」
  ボカッ!!!!
森村照彦「なにするんだ!?」
マイケル・ベックマン「ボクは、君を許さない!!」
  ボカッ!!ボカッツ!!
西村鈴子「照彦さん、一緒にお弁当たべよー」
西村鈴子「ちょ、ちょっと2人ともなにやってるの!?」

〇ラブホテル
森村冴子「ママ、私、私・・・絶対負けないから!」

〇個別オフィス
マイケル・ベックマン「テルヒコ・・・?」
西村鈴子「照彦さん?」
西村鈴子「し、死んでる・・・」
  エピソード4につづく

次のエピソード:エピソード4 お前はどっちだ?

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