JKだけど、Hな漫画描いてもいいですか?

穂橋吾郎

第十六話 JKだけど、傑作描いてもいいですか?(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
花木知佳「それで、イギリス留学に行くというのは本当なの、真奈央さん?」
花木真奈央「はい」
花木幸男「それなら・・・アレはどうなった?」
花木真奈央「コレですね」
花木知佳「真奈央さん、あなたまだこんな下品なものを持っていたの!」
花木幸男「お前はまだ反省していないのか! 漫画家なんて絶対にゆるさ──」
花木真奈央「うわぁぁ!!」
  真奈央は青天を思い切り破いた。
「!」
花木真奈央「えい、やあぁぁ!」
花木真奈央「はぁ、はぁ・・・」
花木知佳「真奈央さん、あなた・・・」
花木真奈央「お父様、お母様、私は目が覚めました!」
花木真奈央「私の進むべき道はこちらです。ケンブリッジ大学に入学し、良き社会人となり、世のため人のために献身すること」
花木幸男「真奈央、分かってくれたのか!」
花木真奈央「いまでは、自分がどうしてあんな卑猥で低俗なものに現(うつつ)を抜かしていたのか本当に不思議で・・・」
花木真奈央「思い出してもおぞましい!」
花木知佳「ああ、真奈央さん! 良かったわ、お帰りなさい!」
花木真奈央「失った時間を取り戻すべく、これからは日々、勉学にいそしみますわ!」

〇部屋の前
花木風太「・・・・・・」
真奈央の声「それではお父様、お母様、失礼いたしますわ」
  真奈央がリビングから出てくる。
花木風太「真奈央、いまの話、本気じゃないよな。エロ漫画を諦めるって・・・」
  と、真奈央は崩れるように風太の方へ倒れこむ。
花木風太「え、真奈央、どうした、大丈夫か!?」
花木真奈央「う、ううう。エロ漫画を破くことが、これほど苦しいことだったなんて・・・」
花木風太「こ、こいつ・・・エロ漫画への情熱は全く衰えていない!?」
花木真奈央「もちろんよ。お兄ちゃん言ったでしょ。エロは隠されてこそ光り輝くって」
花木真奈央「だから、私も隠す覚悟を決めたの。お父様とお母様に認めてもらう覚悟ではなく、騙して隠し通す覚悟を」
花木風太「苦しい選択になるかもしれないぞ」
花木真奈央「・・・苦しいのが、気持ちいい!」
花木風太「我が妹ながら、あらためてドン引きだ!」
花木真奈央「本望、です・・・」
  立ち上がった真奈央は、よろよろと歩き出す。
花木風太「どこ行く?」
花木真奈央「漫画を描きに。今の私なら、なんでも描ける気がします」

〇おしゃれなリビングダイニング
  リビングでは幸男が散らばった雑誌の破片を集めている。
花木風太「・・・そんなもん集めて、何してんだ?」
花木幸男「・・・風太か。どの面下げて帰ってきた」
花木風太「それはもう聞いたよ。母さんは?」
花木幸男「安心したみたいで、寝室に行ったよ。今はぐっすり眠っている」
花木風太「そっか」
花木幸男「真奈央はどこへ行った?」
花木風太「どこだっていいだろ。あいつの勝手さ」
花木幸男「また、漫画でも描きに行ったかのか」
花木風太「親父、気づいてたのか!」
花木幸男「あんな小芝居、すぐ嘘とわかる。母さんを安心させるため、騙されたフリしてただけだ」
花木風太「認めたってことか?」
花木幸男「バカ言え。絶対に反対だ、こんな下品なもの・・・」
花木幸男「だが、子供のエロ本は見つけても気づかないフリをするのが親ってもんだ」
花木幸男「堂々と見せつけてきたら叱るしかないが。隠すというならそれ以上追及はしない」
花木風太「なるほど。お見それしました、親父様」
花木幸男「ふー。しかし、真奈央といい、お前といい。育て方を間違ったかな」
花木風太「どうかな。答えはまだわからないよ」

〇明るいリビング
花木真奈央「できた・・・。ネーム出来ました!」
折戸久美子「ういー、おめでとうー。で、提出まであと三日だけど間に合うのかなー?」
花木真奈央「下書きとペン入れを三日で・・・」
氷谷雪子「死ぬ覚悟が必要ですね」
花木真奈央「でもきっと、師匠なら一人でやれるんですよね」
折戸久美子「あいつは執筆モードに入るとバケモノだから、真似すんな」
花木真奈央「・・・・・・」
折戸久美子「さあ、どうするどうするー?」
花木真奈央「・・・久美子さん、この家に助っ人を呼んでもいいですか。 少し騒がしくなるかもしれないです・・・」
折戸久美子「・・・うちにはいま、ジュースと酒と鍋の用意がある」
花木真奈央「え?」
折戸久美子「戦の準備は出来てるって言ってんだ」
花木真奈央「じゃあ・・・!」
折戸久美子「ありったけの戦力を招集しろ!」

〇明るいリビング

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