第十三話 JKだけど、愛のキューピットになってもいいですか?(脚本)
〇ジェットコースター
たくさんの人で賑わう遊園地。
真奈央とまらすけが、ずぶ濡れで立っている。
まらすけ「・・・・・・」
花木真奈央「ふう、楽しかったですね、スプラッシュコースター!」
まらすけ「・・・どうして一番しぶきが掛かる位置に乗ったんだ。おかげでびしょびしょだよ」
花木真奈央「し、師匠。そんな、びしょびしょだなんて。いやらしい!」
まらすけ「・・・・・・」
〇居酒屋の座敷席
真奈央とまらすけの前に、豪華な料理が並んでいる。
まらすけ「うなぎ、牡蠣、レバー、あとこれは・・・」
まらすけ「・・・ひっ、ヘビ!?」
花木真奈央「マムシドリンクです!」
まらすけ「精力がつきそうなメニューだね」
花木真奈央「師匠、こんなに精のつくものたくさん食べたら、元気になっちゃうんじゃないですか!」
まらすけ「・・・・・・」
〇ビリヤード場
まらすけと真奈央がキューを構えて、台の横に立っている。
まらすけ「えい」
まらすけの突いたキュー・ボールはそのままポケットに落ちる。
花木真奈央「師匠、入りました! 師匠が棒で突いて穴にはいりました!」
まらすけ「失敗だろ」
花木真奈央「師匠、夜もその意気ですよ!」
まらすけ「もういいよ!!」
〇テーブル席
花木真奈央「興奮デート大作戦は失敗でしたね。師匠の気分を盛り上げる自信があったのに」
まらすけ「発想が全部小学校の低学年レベルだったよ」
まらすけ「君は余計なこと考えず、エロ漫画のことだけ考えなよ。はい、これ」
まらすけ「次の修業は、AVを繰り返しみて、ひたすら裸を模写すること。 名付けて『エロ美大予備校』!」
花木真奈央「おおお、入学したい!」
まらすけ「君は漫画の絵を描き写して、絵を勉強したんだろ。故に生っぽさが足りない。 実写を写す練習をした方がいい」
花木真奈央「なるほど。そしたら、すぐ師匠の家で一緒に観ましょう!」
まらすけ「来るな! これ以上君といると頭がおかしくなりそうだ」
まらすけ「久美子の家にはシアタールームがあるだろ。そこで観なよ」
花木真奈央「せっかくだから三人で観ましょうか! 私と師匠と、久美子さんで!」
まらすけ「嫌だよ! なんで、あんな奴と・・・」
花木真奈央「・・・師匠は、もう久美子さんのこと好きじゃないんですか?」
まらすけ「・・・好きじゃないね。むしろ、積極的に嫌いだよ」
花木真奈央「本当ですか。ちゃんと私の目と恥部を見て言えますか?」
まらすけ「見せるなそんなもん」
まらすけ「ああ、もう。仮にまだ好きだったとして、関係ないだろ。終わったことだよ」
花木真奈央「終わってません。やっぱり、久美子さんで出来たトラウマは、久美子さんに癒してもらう必要があると思います!」
まらすけ「より深くえぐられるに決まってる」
花木真奈央「それはそれで、気持ちいいかもしれないですよ!」
まらすけ「そんな性癖はない! なんでそこまでして僕に構うんだ。そんなに合作が作りたいのか」
花木真奈央「もちろんそれもあります。でもそれ以上に、私は師匠のファンだから。 師匠の新作が読みたいんです」
まらすけ「・・・期待に沿えず悪かったな」
花木真奈央「それに、私は最高のエロ漫画家を目指しています」
花木真奈央「その為には、いずれ師匠をも超えるつもりです」
まらすけ「な!」
花木真奈央「だから、師匠には前を走っていてもらわないと困るんです!」
まらすけ「・・・・・・」
花木真奈央「師匠の尻の穴を追いかけて、私も全力で走りたいんです」
まらすけ「・・・女の子が尻の穴とか言うなよ」
〇明るいリビング
真奈央が床に倒れて寝ている。辺りには裸の模写が大量に散らばっている。
花木真奈央「うう、肌色が迫ってくる・・・」
折戸久美子「ふっ、ホントにバカだなこいつは」
氷谷雪子「ただいま帰りました」
折戸久美子「おう、遅かったな。お疲れ」
氷谷雪子「・・・その床の死体はなんでしょう?」
折戸久美子「帰ってきてからシアタールームこもって、ずっと模写練習してたんだよ。 いま出てきて、そのまま死んだ」
氷谷雪子「デートとやらは、うまくいかなかったのでしょうか」
折戸久美子「ふん、最初から期待しちゃいないさ」
花木真奈央「し、師匠は・・・」
折戸久美子「お、生きてた」
花木真奈央「久美子さんにしか動かせません」
折戸久美子「・・・そんなことねぇだろ」
花木真奈央「そんなことあります。師匠は、今でも久美子さんを、愛して・・・」
花木真奈央「・・・ぐっ」
氷谷雪子「力尽きましたね」
折戸久美子「・・・ちっ。色恋沙汰で、こんなエロガキに焚きつけられて、私もざまぁねぇな」
氷谷雪子「もういい歳なのに」
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