少年ドリルは廃刊です!

西瓜頭

第2話「消えたドリル」②(脚本)

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〇漫画家の仕事部屋
  およそ24時間前
  (締め切りまであと2日)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「朝までぶっ通して 作業したら──」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「8割方できた!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「わーい」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「アシスタントの力って スゲー!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「いや、ていうか・・・」
ヒャッハー「・・・」
御出(おで)「先生の筆が、速すぎなんだな・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(男たちに囲まれてどうなるかと思ったけど)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(みんなマジメに原稿やってくれてるな)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(ま、私のコト男だと思ってるんだもんね)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「よーしラスト3ページ・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「一気に行くぜー!」
ヒャッハー(さらにスピードが上がっただと・・・!?)
ヒャッハー「バケモンかよ・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)(さすが男坂先生ッ!)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「カッケエ・・・」

〇漫画家の仕事部屋
ヒャッハー「日が昇って暑くなってきたゼェ・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「早乙女さん、温度下げて〜」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ハイ! 仰せのままに!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「?」
  ※エアコンのリモコン
早乙女 優(さおとめ ゆう)「・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「・・・・・・あ、あれ?」
ヒャッハー「──お、おい」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「おっかしいなぁ・・・」
ヒャッハー「もう、オレがやるから──」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「いや、僕が」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ていっ!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「エ、エアコンが・・・」
ヒャッハー「爆発したァ!??」

〇漫画家の仕事部屋
御出(おで)「こんなこと、あるんだな?」
ヒャッハー「ねーよ!!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「す、すいません僕・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「機械オンチでッ!!」
ヒャッハー「超えてるよ! 機械オンチの域を!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「機械オンチ&スライダー体質でッ!!!」
ヒャッハー「ス、スラ・・・? なに?」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「チクショウ!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ヒャッハー先生が暑がったりしなければ」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「こ ん な こ と に は !」
ヒャッハー「テメっ もはや謝ってもねーな!」
ヒャッハー「上等だァ オモテに出やがれこの野郎!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ヒィィ 暴力はんた〜い」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「ストップ!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「ヒャッハー先生!」
ヒャッハー「ヒャッ」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「その右手は人を殴るためにあるのかい?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「違うよなァ」
ヒャッハー「・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「面白い漫画をたくさん 描くための商売道具」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「大事にしてくださいよね!」
ヒャッハー「・・・」
ヒャッハー「わかったぜ・・・」
ヒャッハー「仕事に戻るヨ」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「じゃあ窓開けて換気して──」
ヒャッハー「まあでも暑いから」
ヒャッハー「ちょっと脱ぐわ」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「え゛! ! ?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「へ!? え、ちょ、ま・・・」
ヒャッハー「ヒャッ? 何?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・なん、でも」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「ない・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「なーんだ、ヒャッハー先生って」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「意外と、堪え性ないんスね」

〇漫画家の仕事部屋
ヒャッハー「・・・」
ヒャッハー「は? うん? あんだって?」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「いや僕 全然暑くないです」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「少年ドリルの男漫画家って もっと凄いのかと思ってましたけど」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「全然我慢強くないですね〜」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「残念です」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「何故そこまで煽る!?」
ヒャッハー「・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「はっ!?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「あれ!? ヒャッハー先生!?」
「ッラァ・・・ッテンジャネッゾ ッタルワ・・アァァーンゴルァ・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「また着込んでる!?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「追加装備までッ!?」
ヒャッハー「オウコラ やってやるよ早乙女クンよォ!」
ヒャッハー「男漫画家の我慢強さ見せたラァ!!」
ヒャッハー「風通しなんて必要ねぇ!」
ヒャッハー「真夏の密閉された部屋で どこまで我慢できるか──」
ヒャッハー「勝 負 だ ゴ ラ ァ ! !」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「えぇ!? それは・・・」
ヒャッハー「ルッシャッセーーィア!!(奇声)」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「はい! やります!」
ヒャッハー「シャー!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(男って・・・ みんなこうなの!?)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(怖いよー)

〇漫画家の仕事部屋
  1時間後
御出(おで)「・・・」
御出(おで)「真夏の狭い部屋で 原稿に向き合う男4人・・・」
御出(おで)「サウナ状態なんだな(汗だらだら)」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「サウナいいですよね〜 僕大好きです」

〇漫画家の仕事部屋
  さらに3時間後
早乙女 優(さおとめ ゆう)「そろそろ昼ですね〜」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「自分、買い出し行ってきますね!」
ヒャッハー「エッ!?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(ずるい・・・)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「あ、気にしないで下さい」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「この中で自分が 一番描けないってのは自覚してます」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「買い出し位行かせて下さい!」
ヒャッハー「お、おう」
ヒャッハー「頼むわ・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(悪意はないんだなぁ)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「飲み物も買ってきますよ! なんか飲みたいものあります?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「タピオカミルクテー」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「え゛ッ!!!??」
ヒャッハー「意外だなァ・・・」
御出(おで)「めっちゃカワイイ チョイスなんだな」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「男らしく・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「な・・・い・・・?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(しまった!)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(こんなところで バレるわけにはッ!)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「──じゃ、な・く・て!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「しゅご汁とマムシドリンク とねむねむ打破ッ!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「全部10本ずつ!! 買ってこい!」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「・・・お」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「男らすぃ〜」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ハイッ! 行ってきま〜す!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(飲みたかったな)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(あたしのタピオカミルクテー・・・)

〇漫画家の仕事部屋
  さらに6時間後・・・
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(暑さのせいで・・・)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(原稿が遅々として進まねぇ)
ヒャッハー「ヒャッ・・・ヒャッ・・・ (カピカピ)」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「ヒャッハー先生はもうこれ限界だな」
御出(おで)「冷やし中華の・・・」
御出(おで)「具になりたい・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「御出先生まで・・・!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(さらに極めつけは・・・)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(2日間お風呂にも入らず 原稿に向かい続けた男たちの)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(部屋に充満した、男の勲章!!)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(ウッ もはや目に染みるレベル)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(この状況で・・・)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「どーしてテメーだけ ヘーキなんだヨォォォ!!」

〇漫画家の仕事部屋
早乙女 優(さおとめ ゆう)「あっ! 僕またなんかやっちゃいました!?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「え、いや・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「早乙女さん、暑いの 平気なのかな〜って・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「余裕ですね」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「僕、サウナ大好きなんで」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(そういうもん!?)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「で、でも、この部屋に立ち籠める 『気』はどう?」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「え?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「ほらこの 登り立つ瘴気というか 鼻につき刺さるデススメルというか」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・・・・臭くない?」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(駄目だ、自分で言ってて悲しくなってきた)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(一応女子の部屋なんだけどなぁここ)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「あぁこの部屋の香りですね?」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「リラックスしますね〜」

〇漫画家の仕事部屋
早乙女 優(さおとめ ゆう)「ほら、僕、女の人が嫌・・・ じゃないニガテ・・・ でもなくて」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「・・・興味ないじゃないですか」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(言い方が回りくでえ〜)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「それで、なんていうか逆に男気溢れる感じが好きになっちゃって──」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「この部屋の香りとかすごい好きですね」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「めっちゃやる気でます!」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(わかった)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(コイツ頭おかしいわ!!)
ヒャッハー「お、男坂先生・・・」
ヒャッハー「もう、この空間から逃れるには」
ヒャッハー「描くしかねぇッ!」
ヒャッハー「一刻も早く原稿を完成させて」
ヒャッハー「この悲劇を終わらせようゼ・・・」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(いや・・・)
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)(ヒャッハー先生が負けを認めれば 終わるんだよ!?)
早乙女 優(さおとめ ゆう)「──」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「でも、おかしいんですよね」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「──?」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「この部屋のどこかから、するんですよ」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・え」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「絶対しちゃいけない香りが まざってるんですよね」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「──」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「男坂先生の机の方からですかね」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「するんですよ、臭いが──」
男坂 独歩(おとこざか あゆむ)「・・・」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「──」
早乙女 優(さおとめ ゆう)「『女』の・・・!」

次のエピソード:第3話「激臭伝説」

コメント

  • 20人目の読者でした!
    デススメルが危険すぎる……!
    ファ○リーズをかけまくりたい。
    原稿は果たして無事完成するのかハラハラな展開ですね。

  • なんという地獄の空間…🤣🤣🤣
    読んでるこっちの体臭まで臭くなってきましたよ😱(それは元から)
    女とバレるのかバレないのか⁉️続きが楽しみですね🎵(すぐ読みますw)

  • 爆発するエアコン…。個性が尖りすぎている作家さん達…。もはやこの仕事場が漫画ですよね…?と突っ込みたくなりました…w
    早乙女さんが絶妙に怖いので、より一層女だとバレたら大変な状況が構築されていて良いですね…。

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