ロックなカノジョ(脚本)
〇音楽室
ミーナ「今日の部活無し?」
シオン「台風が今日の夕方に 最接近するらしいからな!」
トモキ「電車止まったら帰れないでしょ」
ミーナ「ねえ、文化祭まであと半月だよ」
ミーナ「大丈夫?」
ミーナ「特にメイは、歌詞がまだ頭に入ってないよね?」
メイ「ウッ」
ミーナ「みんなロックじゃねーなあ!」
ミーナ「アタシは練習して帰るよ」
〇学校脇の道
メイ「アー! ムカつくムカつく〜!!」
メイ「私、ミーナの協調性無いところ嫌い!」
シオン「確かにね」
シオン「でも、ギター上手いし美人だから、 いつも許しちゃうんだよなあ」
シオン「実は巨乳だし♪」
トモキ「ミーナは僕らとはレベルが違うんだよ」
トモキ「僕は尊敬してるよ」
トモキ「隠れ巨乳だし!」
メイ「2人とも、ミーナに甘すぎ!」
メイ「しかも、胸のサイズは関係ない!!」
(メイ、まな板だから・・・)
〇音楽室
ミーナ「──もうこんな時間? 外は大丈夫かな?」
〇野球のグラウンド
「雨ヤバ!!」
ヒカル「雨、バッチコーイ!!!!」
ミーナ「エ、野球部!? まだやってたの!?」
ミーナ「ロックだわ・・・」
〇大きな木のある校舎
ミーナ「まだ19時前なのに、真っ暗!」
ミーナ「キャッ!」
ミーナ「オワタ! 傘、ひっくり返った・・・」
?「傘はさすがに無理じゃね?」
ヒカル「朝、天気予報見なかったの?」
ミーナ(ロックな野球部!)
ミーナ「さっきまでグラウンドに居た人に言われたくないよ」
ヒカル「野球は外でしか出来ないスポーツだから、雨でもやるんだよ」
ミーナ「アンタしか練習してなかったじゃない」
ヒカル「何で知ってんの? 俺のファンか」
ミーナ「しっ、知らないわよ! 音楽室からたまたま見えただけ」
ヒカル「音楽室? 水曜日はケイオンか」
ミーナ「そうよ。 アタシは濡れてもイイけど、 このコは濡らしたくないんだよね」
ヒカル「これ、良かったらギターに巻いて帰る?」
ミーナ「カッパ? いいよ。アンタが困るでしょ」
ヒカル「俺もずぶ濡れだし、今更なんだよな」
ヒカル「じゃっ、お先に!」
ミーナ「なによカッコつけて・・・」
〇女性の部屋
ミーナ「名前書いてる・・・佐々木ヒカル」
ミーナ「同学年にあんなヤツ居たかな?」
ミーナ「ギター以外に興味無さすぎて、同じクラスの顔すら知らないからな」
ミーナ「トモキなら知ってるかも?」
ミーナ「隣のクラスだったんだ! 同学年かあ」
〇本棚のある部屋
トモキ「ミーナが男の名前聞いてくるなんて・・・!」
トモキ「台風の次は宇宙人が 地球に降り立つかも!?」
〇綺麗な一戸建て
〇学校の下駄箱
ミーナ「・・・」
ミーナ「アッ、あの!」
ヒカル「おっ、昨日のケイオン!」
ミーナ「これ、サンキュ」
ヒカル「役に立って良かった」
ミーナ「助かったよ。 じゃッ、」
ヒカル「文化祭は出んのか? ステージ見に行ってやるよ」
ミーナ「音楽、聴くの?」
ヒカル「おうよ! HIPHOPやレゲエは良く聴くな♪ ラッパーのヒカルとは、俺のことよ!」
ミーナ「来なくてイイ」
ヒカル「俺なんか、変なこと言った?」
〇音楽室
ミーナ「メイ、また間違えてる」
ミーナ「いい加減にしてよ。 もう学祭まで時間ナイんだよ」
ミーナ「ボーカルが安定しないと、 コッチも合わせられないよ」
トモキ「ミーナ、言い方キツイって!」
メイ「なによ、エラそうに!」
メイ「私だって、 自分なりに 一生懸命頑張ってるのよ!」
メイ「ミーナは何でもスグにデキるから、 デキない人の気持ち、考えたことないんでしょ?」
ミーナ「アタシは、メイのためを思って・・・」
メイ「今まで、散々我慢してきたけど、 もうイイ!」
メイ「私、ケイオン辞める!!」
シオン「それは困るよ! メイに辞められたら、文化祭どうするんだよ」
ミーナ「メイは辞めなくてイイ。 私が辞めるから」
ミーナ「トモキはベースだけど、ギターも弾けるもんね」
トモキ「ひ、弾けるけど・・・」
ミーナ「じゃあな、アバヨ!」
〇空
〇学校脇の道
「デカい!場外ファウル!!」
「ギター抱えたコが倒れた! 保健室に運べーッ!!」
〇保健室
〇黒
メイ「エラそーに! ミーナにはデキない人の気持ちが・・・」
ワカラナイ
トモキ「言い方キツイって!」
ワカラナイ
シオン「ミーナって、着痩せするタイプ? Dカップはあるよね〜?」
ミンナノキモチナンテ
カンガエタコト、ナイ
〇保健室
ミーナ「チクショー!」
ヒカル「ゴメン!!!!」
ヒカル「わざとじゃない! 許してくれ!」
ミーナ「エッ?佐々木ヒカル!?」
ミーナ「アイタ〜。 何があったの?」
ヒカル「俺のファウルボールが頭に当たったんだ。 覚えてない?」
ミーナ「考え事して歩いてたから・・・ 突然、眼の前に火花散って、真っ暗になって・・・」
ヒカル「文化祭前なのに、本当に悪かったよ」
ヒカル「でもオマエさあ、 気絶しながらギターはしっかりと抱えてたんだぜ」
ヒカル「マジ尊敬するわ」
ヒカル「やっぱり文化祭で オマエのギター聴きたいよ!」
ミーナ「出ないから」
ヒカル「え?」
ミーナ「・・・文化祭には出ない」
ミーナ「辞めたんだ。 軽音楽部」
ヒカル「何でだよ?」
ミーナ「別に。 関係ないし」
ヒカル「ハアアッ? 嘘だろ」
ヒカル「台風の中、1人で部室に残って練習して」
ヒカル「自分が濡れてもギターを濡らさないで」
ヒカル「気絶してもギター守って倒れるくらい、音楽が好きなんだろ?」
ヒカル「何があったか知らんけど」
ヒカル「辞めるなよ!」
ミーナ「アンタに何が・・・」
ミーナ「わ・か・る・ん・だ・よ!!」
ヒカル「俺に女子の気持ちが、分かってたまるか!」
ヒカル「勝負しようぜ!」
ミーナ「ハア?」
ヒカル「俺のチームが来週末の試合で勝ったら」
ヒカル「文化祭出ろよな!」
ミーナ「そこは『俺がホームラン打ったら』 とかではなく・・・?」
ヒカル「『俺がホ・・・』」
ヒカル「『俺のチームが勝ったら』だ!!」
〇野球のグラウンド
ミーナ「勢いに負けて観に来ちゃった」
ミーナ「ルール良く分からんけど」
???「またアイツら、負けに来たか〜!」
野球オジサン「赤いユニフォームのヤツら 弱っちくてなあ」
野球オジサン「ぷはぁーウメー!」
ミーナ(保護者・・・ではないみたいね)
ミーナ(佐々木ヒカルだ!)
野球オジサン「アイツ、まだレギュラーなのか? ファウルだけは場外だけどなあ〜!」
審判「ファーウル」
野球オジサン「あー。 いつも通り、フルカウントからのファウルかあ。粘るんだけどな〜」
野球オジサン「足らんのよ、チカラがあ。 ピッチャーの方が一枚上手だなあ」
ミーナ「打てなかったら・・・負けますよね」
野球オジサン「だな! 点入れるスポーツだからな!」
野球オジサン「ただよ〜 ホラ、フォアボールになったわ」
ヒカル「ヨッシャ!」
ミーナ「エッ!? 打ってないのに走っていいの!?」
ミーナ「しかも、2塁まで走った!?」
野球オジサン「ま〜たやりよった! あの背番号六番、打てないけど足は速くてな!盗塁が得意なんだよ」
野球オジサン「相手がちょっとでもエラーすると・・・」
ヒカル「ウォォォー!!!!!!」
野球オジサン「ホラ、また盗塁した!」
ヒカル「今日は、絶対勝つ!」
ミーナ「頑張れ・・・」
ミーナ「が、ガンバレー!!!!」
野球オジサン(青春じゃあッ!)
〇野球のグラウンド
ミーナ「攻守が入れ替ったけど、 打たれるからあっという間に満塁!」
ヒカル「ピッチャー、楽になったな! 打たせろ打たせろ〜!!」
ミーナ「いくらピッチャーが下手だからって、あんな言い方・・・!」
野球オジサン「アレはな、 自分たちを信じて後ろは任せろって意味」
野球オジサン「確かに上手いピッチャーが アウト取れりゃ、万々歳だが」
野球オジサン「9人がプレイしているスポーツだということを、忘れたらイカンよ」
〇空
「打ち上げた!」
ヒカル「オーライ!!」
ヒカル「ショートフライ! 捕ったぜ!!」
〇野球のグラウンド
ベンチ部員「一塁・ニ類・三塁打〜 バットを振ったらホームラン♬」
ベンチ部員「かっ飛ばせ〜さ・さ・き!!」
ベンチ部員「一発かっ飛ばせ〜、オー、決めろ!!」
ミーナ「ベンチに居るコたち、 メチャクチャ元気に歌ってる!」
ミーナ「野球って、こんなにロックなんだ!」
ミーナ「アタシもロックしたい!」
ミーナ「かっ飛ばせ〜さ・さ・き! 一発かっ飛ばせ〜、オー、決めろ!」
???「アンプ無しの野外ギターなんて、全然響かないわよ」
???「声量も小さいし」
メイ「でも、バンド演奏ならいくらかロックかもね」
ミーナ「メイ、みんな! 何でココに!?」
トモキ「先週ね、 突然、佐々木ヒカルに楽器持って試合に来いって誘われたんだよ」
トモキ「まさか、ミーナが野球のギター応援するなんて」
トモキ「今頃宇宙人が 地球征服しに来ているかもね!」
〇UFOの飛ぶ空
〇野球のグラウンド
ミーナ「サンキュな! みんなで演奏して、盛り上げようぜ!」
「オオー!!」
メイ「ミーナが下手すぎて、見てられなかっただけなんだからね!」
野球オジサン「イイッ! このツンデレ娘も青春ッ・・・!」
シオン(このオジサン誰?)
観客「ナニナニ!? 野球の応援で生バンド演奏ってあり?」
ミーナ「みんな、イイ感じ!」
メイ「いつミーナが戻ってきてもいいように、 いっぱい練習したからね!」
ミーナ「サイッコー!!」
〇大きな公園のステージ
ヒカル「ギリギリ勝ったぜ!」
ヒカル「俺のランニングホームランの一点死守って・・・(泣) 内容はヒドイけど」
ヒカル「勝ちは勝ちだろ?」
ミーナ「楽しかったよ!」
ミーナ「皆で勝った試合だったね」
ミーナ「だから余計に、ガンバレって思えたな」
ヒカル「だろ?」
ヒカル「俺たち、見ての通り上手くはないけど」
ヒカル「野球好きって気持ちだけは、 日本一だからよ!」
ヒカル「オマエも、音楽辞めんなよ!」
ミーナ「アンタがケイオンのみんなに声かけてくれたんでしょ?」
ミーナ「おかげで、仲直りできた。 サンキューな!」
ミーナ「文化祭、ゼッタイ観に来て!!」
野球オジサン(今夜はこの2人を肴に呑めるわ〜!)
ヒカル「ちなみに文化祭は何の曲演奏するの? HIPHOPとかレゲエはやる?」
ミーナ「・・・」
ミーナ「ロック、勉強してから来やがれィ!!!!」
トモキ(み、ミーナが男とイチャついている!?)
トモキ「に、日本はもうダメかもしれないッ・・・」
〇UFOの飛ぶ空
あー!!!!!!キュンってしました!!!!!!😍💖キュンってきました!!!!!!✨
ありがとうございます!!!!咲良さんからオススメいただき読ませていただいたのですが、青春でキュンってきましたし、最後のシーンでは感動もあり、ホロリときました…✨あぁ…青春っていくら読んでも良いですね…✨
読んでいて楽しい気持ちになる素敵な作品でした✨😍💖
青春~っ!!😆💕
ミーナもヒカルもいいですね!
おじさんと話が合ってしまいそうwww
爽やか爽快に宇宙人スパイスがきいてました。
元気になれて面白かったです✨️
青春ですねー! 私も飲もう……♪