ケダモノキングス

輝井永澄

エピソード1 Bパート(脚本)

ケダモノキングス

輝井永澄

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〇ホストクラブのVIPルーム
ナイン「・・・お前か “エデンの種”を手に入れたってのは」
マカミ「・・・」
ナイン「ご苦労だった こっちに寄こしな」
マカミ「いや、渡せない」
ナイン「・・・なに?」
マカミ「俺の身体の中にある」
ナイン「ほう」
マカミ「俺は“獣の力”を手に入れた あんたはこの力が欲しいんだろ?」
ナイン「・・・」
マカミ「だから取引だ 俺を“ヴァイパーズ”の幹部にしてくれ」
黒服「てめぇ・・・!」
マカミ「悪い話じゃねぇはずだ “獣の力”は手に入るんだしよ」
マカミ「ちゃんとあんたの役に立ってやるぜ?」
ナイン「・・・」
ナイン「・・・フフフ 自惚れか、無知か・・・」
マカミ「・・・え?」
ナイン「こういう、ことだ」
マカミ「・・・なっ!? ちょっと待っ・・・」
マカミ「ぐえ・・・ッ!?」
ナイン「“力”ならもう持ってるんだよ」
ナイン「“種”を集めるのは 他のやつらに渡さないためだ」
ナイン「だから、お前は別に要らん」
マカミ「ぐっ・・・そんな・・・」
ナイン「・・・だが、お前の度胸は買う」
ナイン「幹部にしてやってもいいが 条件がある」
ナイン「“黒後家連合”の幹部を殺せ 誰でもいい」
マカミ「・・・!」
ナイン「その後警察に自首しろ シャバに出てきたらお前を幹部にしてやる」
マカミ「な・・・!?」
ナイン「チームってのは遊びじゃねェンだ お前が幹部になるなら、 周りを黙らせる“実績”を示せ」
ナイン「それがルールってもんだ」
マカミ「ぐ・・・ッ」
ナイン「1週間やる できなければお前は殺し、“種”を回収する」
マカミ「・・・ッ!」

〇スナック
シュン「そんな・・・!」
マカミ「・・・」
シュン「ナインは最初から “獣の力”を持ってたのか・・・」
マカミ「それだけじゃない 幹部にも何人か“力”の持ち主がいる」
マカミ「甘かった・・・ “力”ぐらいじゃどうにもなんねェ」
マカミ「住んでる世界が違うぜ・・・」
シュン「・・・」
マカミ「結局、ルールは上のやつが決めて 俺らはそこから出られねエ」
マカミ「最初から上にいなきゃ 上には上がれねェんだ・・・」
シュン「・・・それで、どうすんだよ」
マカミ「・・・」
ママ「しけた顔してんねェ ほい、コーラでも飲みな」
マカミ「あ、ありがと・・・」
ママ「お前らみたいなチンピラが ルールだなんだの、時代は変わったねぇ」
ママ「龍宮寺はそんなつまらんこと 言わなかったもんだがね」
マカミ「龍宮寺・・・?」
シュン「ママさん! 龍宮寺明星を知ってんスか!?」
ママ「ああ、よく知ってるさ この店にも来てたからね」
マカミ「・・・誰?」
シュン「知らねえのかよ! この街の基礎知識だぜ!」

〇渋谷のスクランブル交差点
  龍宮寺明星・・・
  伝説のチーム“EDEN”のキング!
  ストリートの覇者と呼ばれた男だ
  “ヴァイパーズ”も“黒後家連合”も・・・
  他のチームもみんな
  元は全部“EDEN”の傘下だった

〇スナック
ママ「ある日突然 姿を消しちまったけどね」
ママ「いったいどこへ行ったのやら・・・」
マカミ「伝説の・・・キング・・・」
マカミ「龍宮寺明星だったら・・・ どうする?」
シュン「なんだ、誰かからメッセージ・・・?」
シュン「・・・! おい、マカミ!」
マカミ「なに?」
シュン「これ・・・!」
マカミ「・・・!!」

〇公園の入り口
シュン「いた、あそこだ!」
キャリバー「う、ぐ・・・」
ラック「本当に来やがったか 律儀だなぁ、オイ」
マカミ「一体なんだってんだ!? 俺はそいつとなんの関係もねェぞ」
ラック「いいや、あるね! こいつを叩きのめしたのはお前だろ?」
キャリバー「・・・」
マカミ「そんなボコボコにまでは やってねぇ!」
ラック「フン・・・」
シュン「おいマカミ あんなやつ助ける義理はねぇだろ」
マカミ「そうだけどよ 無視するわけにも・・・」
ラック「そうだ、お前は無視できねぇ なぜなら・・・」
ラック「これをやったのは確かに お前なんだからなァ!?」
マカミ「なに・・・?」
ラック「黒後家連合のボスがなァ キャリバーは邪魔なんだとよ」
キャリバー「な・・・に・・・?」
ラック「だから、ポッと出のガキに やられたことにするってわけだなァ」
ラック「そして・・・そのガキを俺が潰す これで丸く収まるよなァァ」
キャリバー「そんな・・・なんで・・・」
ラック「お前は後先考えねェからよォ バカに“力”を持たせられねェってこった」
ラック「ヒャーハッハッハッハァ!!」
シュン「“獣の力”! こいつも!?」
マカミ「・・・!!」
ラック「頭のいい俺こそ 人間を超える力にふさわしいぜェェ!」
ラック「ツイてる! 俺はツイてるなァァ!」
マカミ「・・・そのために 手負いのやつに闇討ちを・・・?」
ラック「フヒャヒャヒャ! ようやく理解したかよ・・・」
ラック「テメェも今すぐ 粉々にしてや・・・」
ラック「ごが!?」
シュン「マカミ!?」
マカミ「“獣《ビースト》”? 人間を超える?」
マカミ「さっきから聞いてりゃ ごちゃごちゃと・・・」

〇公園の入り口
  抗うか
  弱き者よ・・・!
  ならば、力を貸そう・・・!

〇公園の入り口
マカミ「ふざけてんじゃねぇぞ・・・ てめェら・・・」
マカミ「てめぇら・・・ それでも“男”かぁぁッ!!」
ラック「う、うおぉッ!?」
マカミ「爆裂ゥゥ・・・ 正拳パァンチッ!!」
ラック「ごぱぁッッ!?!?」
ラック「そ、そんな・・・一撃で・・・?」
シュン「マカミ・・・!」
マカミ「俺ァ決めたぜ、シュン」
マカミ「誰かの決めたルールなんてクソくらえだ! 俺は俺のチームでやる!」
マカミ「おいお前、キャリバーっつったな」
キャリバー「・・・ああ?」
マカミ「お前も俺のチームに入れ 行き場もねぇんだろ?」
キャリバー「・・・」
キャリバー「お前・・・バカなのか?」
マカミ「うるせぇ! それが一番いいだろ!」
マカミ「“ヴァイパーズ”も“黒後家連合”も 全部ぶっ倒して、俺が“キング”だ! お前も手伝えってんだよ!!」
キャリバー「・・・」
キャリバー「くっくっくっ・・・ めんどくせぇな~お前はよ」
キャリバー「おもしれぇ やってやろうじゃねぇかよ!」
シュン「・・・は~ 僕も付き合わされるのか」
シュン「まったく、お前といると退屈しないな」
キャリバー「3人か・・・ 「桃園の誓い」だなぁ~」
シュン「じゃあ僕が関羽だね」
キャリバー「おい、関羽は俺だろ」
マカミ「え、俺も関羽がいい」
シュン「お前は普通に劉備やっとけよ・・・」
マカミ「俺がリーダーだから リーダー権限で俺が関羽な!」
シュン「それは意味わかんねぇだろ!」
キャリバー「・・・めんどくせぇな~」

〇入り組んだ路地裏
パイドパイパー「この街に“獣”がまたひとり・・・」
パイドパイパー「さて、“EDEN”を継ぐのは 一体誰か?」
パイドパイパー「なあ、龍宮寺・・・いや・・・」
パイドパイパー「“ルシファー”よ・・・」

コメント

  • ほか作品と変わらず舞台設定がしっかりされてて読みやすいです。主人公よりナインの方が自我を強く感じる気がしますが、出番の差から僕が勝手に感じてるだけかもしれません。
    ここの感想で言うことじゃないですが、個人的にはレディがダントツ大好きです。大賞とって長編化してほしい。

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