魔法のクッキー!

あとら

エピソード5.早苗と魔法のクッキー2(脚本)

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〇ホテルの部屋
野上 叶香「今日から登校再開かぁ」
野上 叶香「気まずいなぁ。 色々と言われちゃうんだろうなぁ」
十六夜 節那「だからといって、僕は学校に行きましぇ〜ん!って訳にはいかねぇだろ」
野上 叶香「ちょっと、いきなり現れないでよ!! まだ支度してないんだよ!!」
十六夜 節那「なんだよ。色気付きやがって。 いつもは寝癖ボーボーだろ?」
野上 叶香「んもう!!出てけー!!」
十六夜 節那「ちょいこら、おい!!」
野上 叶香「はぁ・・・・・・」
野上 叶香「なんだろう・・・・・・ あの日から節那を見ると、ドキドキが止まらない」
野上 叶香「これってやっぱり・・・・・・」
野上 叶香「いや、まさかね。 うん、そんな事・・・・・・」
野上 叶香「でも・・・・・・」
野上 叶香「まずは伊集院くんと如月さんをなんとかしないとね」

〇ビジネスホテル
伊集院 累「good morning!! my sweet honey!!」
野上 叶香「お、おはよう。 伊集院くん・・・・・・」
十六夜 節那「一周回ってコイツのウザさに慣れてきたわ」
朝平 真実「おはよう、野上さん」
野上 叶香「あれ、朝平さんどうしてここに?」
朝平 真実「スマホで連絡しても良かったんだけど、 ホテルから近かったし、そのまま来たの」
野上 叶香「どういうこと?」
朝平 真実「学校は暫くの間、休校になったの」
野上 叶香「どうして!?」

「私たちの学校の生徒と先生が、いきなり倒れて皆病院に運ばれたみたいなの」

〇テーブル席
ウェイター「お待たせ致しました。 ナポリタンとピザとサンドイッチとペスカトーレで御座います」
朝平 真実「ありがとうございます」
ウェイター「ごゆるりとお寛ぎ下さいませ」
朝平 真実「野上さん、相変わらず大食いね。 そんな小柄な体のどこにピザが入るの?」
野上 叶香「いやだなぁ、朝平さん。 これは節那の分だよ?」
朝平 真実「えっ、あっ、そ、そうね。 そうだったわね」
十六夜 節那「ここのピザ前から食いたかったんだよなぁ。 チーズがとろとろで旨そ〜」
朝平 真実「そ、そうね。 ここのチーズは絶品なの・・・・・・」
野上 叶香「いけない。美味しいご飯の前に、一旦話を聞いてもいいかな」
朝平 真実「そ、そうね」
朝平 真実「私も連絡網で概要をチラッと聞いただけだから、詳しい事は分からないんだけど、」
朝平 真実「どうやら昨晩から朝方にかけて事件は起こったみたいなの」
野上 叶香「一体何が原因でそんな事になったんだろう?」
伊集院 累「さぁね。詳しい事はよく分からないんだよ。なにせ、この事件はいきなり起こったからね」
朝平 真実「学校自体に特に目立った問題は無かったわ。 ただ・・・・・・」
野上 叶香「ただ?」
朝平 真実「近頃SNS上である物が話題になっていたの」
朝平 真実「関連性はまだ不明なんだけど、 一応頭の片隅にはこの情報を置いていたの」
十六夜 節那「なんだよ」
野上 叶香「なになに?」
朝平 真実「・・・・・・魔法のクッキー」
十六夜 節那「なっ・・・・・・!?」
野上 叶香「なっ・・・・・・!!」
  なんだって!!
朝平 真実「声が大きいわよ」
野上 叶香「ご、ごめん」
朝平 真実「もしかして野上さん何か知ってるんじゃないの?」
野上 叶香「ど、どうしてそう思うの!?」
朝平 真実「魔法のクッキーとかいうふざけた単語に対して、そんな驚いた反応を示すのは、」
朝平 真実「魔法のクッキーというのがどういう物なのかを知らないと出来ない反応だわ」
伊集院 累「ハニーは何か知っているのかい? 魔法のクッキーと今回の事件がどう繋がるのか僕にはさっぱり分からないよ」
朝平 真実「お分かり? 伊集院君の反応が普通の人の反応よ」
野上 叶香「まさか、朝平さん 最初から全部知っていてカマをかけたの?」
朝平 真実「知っている事は否定しないのね」
朝平 真実「ただ魔法のクッキーというのがどういう代物なのかを、野上さんの口からハッキリと聞くまでは、私も情報を渡す訳には行かないわ」
十六夜 節那「・・・・・・」
十六夜 節那「朝平と伊集院には話しても良さそうだな」
野上 叶香「いいの?」
十六夜 節那「朝平が悪用する可能性は今は視野に入れなくてもいい」
十六夜 節那「朝平は今の俺達に必要な情報を持ち、かつ打開出来る策も提案出来る程の頭の良さも持ち合わせている」
十六夜 節那「味方になるとしても敵になるにしても身近に置いて動向を共有する方がメリットは大きいって訳さ」
野上 叶香「ほんと、節那はこんな短時間で色んな事考えることが出来るんだね」
十六夜 節那「お前の事じゃなければこんなには考えねーよ」
野上 叶香「!?」
野上 叶香「もう、節那のバカ!!」
朝平 真実「・・・・・・話が進まないから単刀直入に聞くけど、魔法のクッキーとやらの事について詳しい話をしてくれるの?」
野上 叶香「あ、うん。 食べながらでも良ければお話しするね!!」

〇テーブル席
伊集院 累「そんな物がこの世の中に存在しているなんて、驚きだね!!」
朝平 真実「成る程ね。 色々と合点がいったわ」
朝平 真実「効力を効いて確信したわ。今回の事件は、間違いなく魔法のクッキーの仕業ね」
野上 叶香「そうなると誰が魔法のクッキーを使って皆に酷い事をしたのかな・・・・・・」
朝平 真実「もしくは皆がそうなりたいと願ったのか または魔法のクッキーという物には別の効能があるか」
伊集院 累「今はそこまで考えなくても良いと思う」
伊集院 累「今考えるべきは、誰が魔法のクッキーを配布しているかだ」
野上 叶香「頭が混乱してきた」
十六夜 節那「ネット社会の敗北だな ちゃんと活字を読め」
野上 叶香「この事件が終わったら、ちゃんと本を読む事を誓います」
朝平 真実「それなら簡単ね。魔法のクッキーを買って犯人を突き止めましょう」
野上 叶香「危険だよ!!」
朝平 真実「危険だけど確実な方法よ」
伊集院 累「虎穴に入らずんば虎児を得ずってヤツだね」
野上 叶香「でも、それなら、誰がクッキーを買うの!?」
朝平 真実「ここは・・・・・・節那君が適任だと思う」
十六夜 節那「・・・・・・成る程、確かに適任だな」
朝平 真実「お願い出来るかしら?」
野上 叶香「節那、お願いしてもいい?」
十六夜 節那「ダメなんて言うわけないだろ」
野上 叶香「ありがとう!!」
朝平 真実「・・・・・・」
朝平 真実「善は急げよ。 すぐに作戦に取り掛かりましょう」

次のエピソード:エピソード6.早苗と魔法のクッキー3

コメント

  • 早苗さんが出てきていないのに、彼女が一体、、、と思わせてくれる素敵な構成ですね!それにしても、叶香さんと節那くんの関係性は見ていて微笑ましいですね。不穏な展開にもかかわらず!

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