エピソード11 決行(脚本)
〇岩穴の出口
2週間後──
オヤジ「2人とも・・・」
オヤジ「この2週間、よく頑張りました」
安藤 竜二「羽原の伸びはすごかったな」
羽原 貞治「2人のおかげだよ」
オヤジ「私の作戦がハマれば、基本的に戦闘は避けられるはずですが」
オヤジ「生憎、直近の漸知は相手陣営の情報を拾ってきていないので」
オヤジ「イレギュラーには気をつけていきましょう」
羽原 貞治「戦闘があったら新しく編み出した技をお見舞いしてやる!!」
安藤 竜二「ああ、俺もだ!!」
オヤジ「頼もしい限りですね・・・」
〇岩穴の出口
オヤジ「さて、2人とも──」
オヤジ「覚悟はいいですか!?」
「ああ!!」
オヤジ「行きましょう」
〇古い洋館
まずは、ヒュメリ女王の居城の警護の面々を表に誘き出します
ヒュメリ女王以下及び幹部は会合に出て不在のはずなので
強力な敵はいないはずですが
無用の戦闘は避けていきましょう
時間差黄炎──お願いします
羽原 貞治「黄炎」
〇雲の上
黄炎の時間差発動の間に我々は城の裏側にまわります
安藤、あなたの牙竜転生で我々2人を運んでください
〇古い洋館
〇地下室
城に無事侵入できたら
一気にゲートの場所でもあり薬の保管場所でもある地下倉庫に向かいましょう
場所は漸知で把握済みです!!
羽原 貞治「これが例の3種の秘薬・・・」
羽原 貞治「『不老不死の薬』、『傷や病気を完治させる薬』・・・そして」
安藤 竜二「『嘘を封じる薬』・・・」
安藤 竜二「よし!!これさえあれば・・・」
オヤジ「ついに・・・」
オヤジ「・・・」
安藤 竜二「オヤジ!!どうしたんだ!?」
オヤジ「いえ、なんでもありません!!」
オヤジ「さぁ、今のうちにゲートへ・・・」
「グアッ!!」
羽原 貞治「な、なんだぁ!?」
オヤジ「不老不死の秘薬が!!」
女王に城に残れと言われた時はがっくり来たもんだが
まさか本当にノコノコやってくるとはな
幹部 ジャド「少しは暇潰しが出来るみたいで良かったよ」
オヤジ「き、貴様は、幹部のジャド!?」
幹部 ジャド「ほぅ、知ってるんだな」
羽原 貞治「幹部だって!?」
〇岩穴の出口
オヤジ「万が一、幹部級の敵と接敵したら基本的には逃げましょう」
オヤジ「幹部はおそらく私でも勝てるかは五分五分。戦闘はバクチになります」
〇地下室
羽原 貞治「コイツが幹部・・・」
オヤジ「な、なぜ、ここにいるのだ!! 会合には幹部全員参加のはずでは・・・!?」
幹部 ジャド「ふーん、そんなことまで知っているのか」
幹部 ジャド「貴様らの誰かの能力か」
幹部 ジャド「今までの雑魚どもとは違うようだ」
オヤジ「くっ、まさか女王もこっちの世界に!?」
幹部 ジャド「ははは」
幹部 ジャド「調子に乗るな!! 貴様ら害虫どもの駆除など私だけで十分だ」
幹部 ジャド「女王と他の幹部は予定通り熊井と会合だ」
幹部 ジャド「まぁ、あっちはあっちで楽しいことになってるかもな」
オヤジ「ど、どういうことだ!?」
幹部 ジャド「ふん これから死ぬお前らには関係ない話だ」
オヤジ「くっ・・・」
オヤジ(仕方ない・・・)
オヤジ「安藤!!羽原君!!」
オヤジ「コイツの相手は私がやります!!」
オヤジ「2人は嘘をつけなくする秘薬を持って日本へ!!」
安藤 竜二「オヤジ!!無茶だ!!」
羽原 貞治「全員で戦わないと!!」
オヤジ「事は我々の想定以上に進んでいる!!!!」
オヤジ「早くしないと手遅れになる!!」
オヤジ「早く!!」
幹部 ジャド「俺がソレを見逃すとでも・・・?」
オヤジ「『閉身抵当』!!(へいしんていとう)」
安藤 竜二「幹部とオヤジが・・・」
羽原 貞治「消えた!?」
〇黒背景
幹部 ジャド「おいおい、なんだぁこりゃ!! 面白い能力持ってんなぁ!!」
幹部 ジャド「で、本当に俺とタイマンでやろうってかい・・・」
オヤジ「これは・・・賭けです・・・」
オヤジ「あなたさえ倒せば・・・」
オヤジ「悲願達成はすぐそこなのですから」
幹部 ジャド「お前が近いのは彼岸だよ」
幹部 ジャド「お前を殺せばこの空間からも出れるだろう」
〇地下室
羽原 貞治「ど、どうする!? 安藤!!」
安藤 竜二「・・・」
安藤 竜二「行こう!!俺たちだけで!! オヤジがあいつを引き止めている間に!!」
安藤 竜二「向こうの状況は分からないが、幸い秘薬のうち2つはここにある・・・」
安藤 竜二「一刻も早く熊井総理の嘘を暴かないと!!」
羽原 貞治「・・・ああ!!」
羽原 貞治「行こう!!」
〇結婚式場のレストラン
貞治達の作戦決行から遡ること30分前
女王 擬態「今日のタッチノベルの朗読劇とかいうものはなかなか面白かったのう」
女王 擬態「ワシにはキュンという感情はイマイチわからぬが」
女王 擬態「会場の反応を見ていると人間の血肉を初めて口にした時を思い出したわ」
熊井総理大臣「はっはっは、そいつは随分物騒なキュンですな」
熊井総理大臣「さて、食事にしましょうかね」
女王 擬態「熊井、今日は食事より先にこの前の返事が聞きたいのう」
女王 擬態「100人・・・いけるのか?」
熊井総理大臣「・・・」
熊井総理大臣「いけます!!」
女王 擬態「本当か!?」
女王 擬態「前回の話の時は難しそうな反応じゃったのに」
女王 擬態「適当な嘘ではあるまいな」
熊井総理大臣「はは、何をおっしゃいますやら ちゃんと根拠はありますよ」
熊井総理大臣「実は無期異世界転生以外に収容所を新設することで、秘密裏に人間を送り込む施設を作ったんですよ」
熊井総理大臣「本日はそこもご案内するつもりでした」
女王 擬態「ほう・・・興味深い・・・」
女王 擬態「早速見せてくれ!! 飯など後でよい!!」
熊井総理大臣「そうですか、わかりました!!」
熊井総理大臣「ただ、施設は極秘で入室人数限られるので、女王お一人でよろしいですかな?」
女王 擬態「かまわんよ」
女王 擬態「ザブラ、ラミィ!! ぬしらはここで待っておれ」
幹部 ザブラ「・・・」
幹部 ラミィ「はっ」
熊井総理大臣「では、行きましょうか」
〇地下の避難所
女王 擬態「・・・なんじゃここは?」
女王 擬態「ここが収容所じゃと・・・?」
女王 擬態「熊井・・・ 返答によっては・・・」
女王 擬態「命はないぞ」
熊井総理大臣「女王・・・ たしかにここは収容所ではありません」
女王 擬態「あん!?」
熊井総理大臣「ここは・・・」
熊井総理大臣「お前の墓場だっ!!」
女王 擬態「なんじゃとっ!?」
熊井総理大臣「作戦開始!!」
女王 擬態「熊井、貴様!?」
熊井総理大臣「やれ!!」
女王 擬態「バカめ忘れたか!! ワシにはそんなおもちゃなど・・・」
女王 擬態「・・・・・・はっ?」
女王 擬態「このワシの体に傷をつけるじゃと!!」
熊井総理大臣「ヒュメリ!! この武器はお前がいつぞやくらったニューナンプとはワケが違う──」
熊井総理大臣「アンチマテリアルライフルだ!!」
熊井総理大臣「それに今の貴様は擬態状態・・・」
熊井総理大臣「今ならば・・・貴様を殺れる!!」
女王 擬態「ぐふっ・・・」
女王 擬態「・・・調子に」
女王 擬態「調子に乗るなよ!!」
女王 擬態「貴様ら皆殺しじゃ!! 灰燼と化せ!!」
女王 擬態「『バーンザダスト!!』」
女王 擬態「な、なぜ能力が発動しない!?」
熊井総理大臣「お前の能力『バーンザダスト』の対策も当然してある」
熊井総理大臣「お前の能力は空気上の塵を燃え上がらせるというもの」
熊井総理大臣「だが生憎ここはクリーンルーム仕様だ!! 塵ひとつない!!」
女王 擬態「なんじゃと!!」
熊井総理大臣「言っただろう、ここはお前の墓場だと・・・」
熊井総理大臣「一斉掃射だ!!」
女王 擬態「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
熊井総理大臣「・・・やったか!?」
女王 擬態「素晴らしい・・・」
女王 擬態「素晴らしいぞ熊井・・・」
熊井総理大臣「ま、まだ息があるか!? くっ、一斉掃射!!」
自衛隊員「はっ!!」
自衛隊員「銃弾が防がれましたっ!!」
熊井総理大臣「なっ!?なぜ炎が使えるっ!?」
女王 擬態「ワシを倒すために用意周到に準備したのだろう」
女王 擬態「惜しかったのう・・・ワシにこの切り札さえなければ、貴様の勝ちじゃったかもなぁ」
熊井総理大臣「き、切り札だと!?」
女王 擬態「ふむ・・・ 貴様らでは知りようのないものよ・・・」
女王 擬態「行くぞ」
女王 擬態「『纏火武装!!』(てんかむそう)」
一気に読ませていただきました😆面白い❗
総理を敵対視してましたが何故か応援してしまっていました🙄
オヤジ…勝ってくれ…😫💦💦
いよいよ全ての決戦が始まりましたね!
この戦いで女王、総理どちらも共倒れしたら
いいんですが…流石に無理ですよねー😅
さぁ、どうなる?
あっちもこっちもドンパチはじまり、
あっちもこっちも気になりますー。
オヤジぃ。死なないでーっ。゚(゚´Д`゚)゚。