恋するパワード! まほろちゃん!

平家星

#4 温泉旅行に来ちゃった!(脚本)

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〇露天風呂
おばあさん「気持ちいいのぉ・・・。熱めの湯が一番じゃ」
おばあさん「ヒャーッ! さすがに熱すぎるッ! 殺す気かッ!」
丸藤のり子「だから温泉浸かってるときは、恋バナ禁止って言ったじゃん! 温泉沸騰させてどうすんのよ!」
城田まほろ「涼くんを思ったらつい身体が熱くなって・・・アウチアウチ・・・」

〇温泉旅館の卓球場
町田満男「第1回、男女でピンピン! ポンポン温泉卓球対決ーッ!」
丸藤のり子「な、何それ?」
島本涼「・・・バラエティ番組みたい」
町田満男「せっかく温泉旅行に来たんだから、それくらいやらなきゃ!」
町田満男「ルールは簡単。男子チーム、女子チームに分かれて卓球対決をします。11点先に取ったチームの勝利」
町田満男「それだけではありません。負けた方は勝った方の言うことを一つ聞かなければならないのです!」
丸藤のり子「・・・勝手に話を進めるなよ・・・」
丸藤のり子「ねぇ、まほろ」
城田まほろ「・・・絶対、勝つ・・・絶対、勝つ・・・」
丸藤のり子「や、やる気がみなぎっている・・・」
城田まほろ「のり子、私はこの勝負に勝って、涼くんに・・・キッスをしてもらう!」
丸藤のり子「そういう魂胆ね・・・」
城田まほろ「このスーツがあれば、勝利は確実・・・! 全部、任せといて!」

〇温泉旅館の卓球場
城田まほろ「うぉぉぉ! りゃぁぁぁ!」
  まほろが勢いよく球を打ち返す。が、ピンポン玉は相手の陣をはるかに超え、あさっての方向に飛んでいった。
城田まほろ「アウチッ!」
町田満男「イェーイ! またアウト!」
島本涼「・・・10対0。男子チームのマッチポイント」
丸藤のり子「まほろ、力が入りすぎて、全部アウトじゃん・・・」
丸藤のり子「Pスーツを着てることが、かえって悪い方向に・・・」
町田満男「とどめだッ! 魔球サーブ!」
城田まほろ(ヤバい、これを返せなきゃ・・・涼くんのキッスが・・・キッスのご褒美が!)
城田まほろ「こ、こうなったら・・・い、いけぇ~ッ!」
  まほろが球を打ち返すその瞬間、手首から大量のピンポン玉が連射される。
町田満男「う、うわぁ!」
  100発のピンポン玉が、男子チームのコートに放たれた。
城田まほろ「よっしゃー! 10対100! 女子チームの大逆転ヴィクトリー!」
丸藤のり子「な、なんと強引な勝利・・・」
町田満男「そんなのズルい! 認めないぞ!」
島本涼「・・・負け。まほろちゃんには敵わない」
町田満男「・・・ガクッ。仕方ない・・・では、願い事を叶えてしんぜよう・・・」
城田まほろ「私の願いはひとつ・・・涼くん。 私に・・・キッ・・・キッ・・・」
島本涼「・・・キッ?」
パワードスーツ「体温の異常な上昇を感知。放熱による危機回避、準備します」
丸藤のり子「マズいッ! まほろ、ダメ! この旅館が粉々になっちゃう!」
城田まほろ「でも・・・私は、涼くんにキッ・・・」
丸藤のり子「そんなことしたら、あんたの興奮でみんなが爆死するわよ!」
城田まほろ「ううう・・・涼くん! 私にキッ・・・」
島本涼「・・・・・・」
丸藤のり子「まほろ! お願い」
城田まほろ「私に、キッ・・・キックして・・・」
島本涼「・・・キック?」
パワードスーツ「体温、正常に戻りました」
丸藤のり子「ホッ・・・。危なかった・・・」
島本涼「・・・キック、するよ」
  涼は軽く触れるように、まほろのお尻をキックした。
城田まほろ(やん! 涼くんの足が、私のお尻に・・・優しく・・・)
島本涼「・・・女の子のこと、強く蹴れない」
城田まほろ「キッスは叶わなかったけど、これはこれでグッド・・・」
丸藤のり子「あんたって、ホントにおめでたいわね・・・」

〇旅館の和室
城田まほろ「・・・のり子、寝た?」
丸藤のり子「寝てないわよ。どうしたの?」
城田まほろ「のり子は、好きな人いないの?」
丸藤のり子「修学旅行の夜みたいなこと聞くね。私はいないよ」
城田まほろ「あたしはね、涼くんが好き」
丸藤のり子「何を今さら・・・」
城田まほろ「涼くんには、好きな人いるのかなぁ?」
丸藤のり子「さあ? どうだろうね」
城田まほろ「隣の部屋の涼くんたちも、こんな話をしてたりして・・・」
城田まほろ「聞いちゃおっと」
パワードスーツ「地獄耳モード、起動します」
丸藤のり子「地獄耳モード? ちょっと、盗み聞きなんかダメでしょ、まほろ!」
城田まほろ「おお! 二人の声が聞こえる!」
丸藤のり子「・・・やめなよ~」
城田まほろ「ふふふ・・・。おっ、この会話の流れはまさしく・・・恋バナ!」
丸藤のり子「ええっ! マジで!?」
城田まほろ「・・・のり子も、聞きたいんでしょ」
丸藤のり子「・・・聞かせなさいよ」
城田まほろ「しょうがないなぁ」
  まほろのパワードスーツの肩から、ガチャリとスピーカーが立ち上がった。
町田満男「これは恋だって、気がついたんだ」
丸藤のり子「へぇ~。満男くん、恋してるんだ」
城田まほろ「ワクワク・・・」
町田満男「俺、何よりも好きなんだよ、のり子ちゃんのこと」
丸藤のり子「は!? わ、私!?」
城田まほろ「うそん! やったね! のり子!」
丸藤のり子「え・・・。私は何とも思ってないんだけど・・・」
島本涼「・・・のり子ちゃんのこと、牛丼より好き?」

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