この世の女は俺のママ!

危機綺羅

8.悪女のママではいられない。その2(脚本)

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危機綺羅

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〇英国風の部屋
シタラ「──あの小鳥に、賞金が?」
ブリアザイト「ただの小鳥じゃないのは 見てわかったでしょ?」
ブリアザイト「とんでもなく速く飛ぶから、 そのせいで周りがめちゃくちゃになるの」
ブリアザイト「だから捕まえれば、 近くの町で報酬が出るってわけ」
アルバス「──それだけじゃないだろ、ママ?」
ブリアザイト「・・・あ、やっぱり知ってるんだ?」
アルバス「噂で、だけどな」
シタラ「あの、何の話ですか?」
アルバス「スポットの怪鳥、あるいは守護神──」
アルバス「とあるスポットに住みついてる、 奇妙な鳥の話さ」

〇荒野
「十年以上前にできたとあるスポット、 そこには青い鳥が住み着いている」
「そのスポットに足を踏み入れれば、 瞬く間に鳥がやってきて、追い返される」
「きっとその鳥は、 強力な降物を守る番兵に違いない」
鳥「ピィイイイイッ!」

〇英国風の部屋
アルバス「──あの鳥が守ってる、 ”なにか”も目当てなんだろ?」
ブリアザイト「・・・まあね」
アルバス「よし、手伝うぜママ! 一緒に一攫千金といこうじゃねえか!」
シタラ「ち、ちょっと! またそんな簡単に決めていいんですか?」
ブリアザイト「本当、少しは疑わないの? あたしがまた騙してるかもよ?」
アルバス「なら、約束してくれよ」
アルバス「ママが困ったら、絶対に俺が助ける だから今後、悪いことはなしだ」
ブリアザイト「ふーん・・・」
ブリアザイト「おっけー! 頼りにしてるよ、アル!」
アルバス「──約束したぜ! これで問題ないな、シタラママ!」
シタラ「もうなにも言いませんよ・・・」

〇荒野
「うぉおおおおお!」
アルバス「侵入者だぞぉ! 出てこい、鳥ぃ!」

〇空
鳥「ピィイイイッ!」

〇荒野
アルバス「出やがったな!?」

〇空
鳥「ピッ!?」
アルバス「おっしゃあ、捕まえ──」
アルバス「たぁ!?」

〇空
アルバス「あぁああああ!?」

〇荒野
「・・・」
アルバス「ちきしょう、鳥野郎! もう一回だ!」

〇英国風の部屋
アルバス「──ええ? ママは一緒に来ないのか!?」
シタラ「いや、私が行っても邪魔なだけですし シェルターの人がいたら・・・」
アルバス「俺が守るから大丈夫だって!」
シタラ「あの鳥を捕まえながらですか?」
アルバス「もちろん!  それぐらい俺にかかれば──」
ブリアザイト「──なに、その子と一緒に行くの? さすがに無理じゃない?」
ブリアザイト「あたしが見といてあげるから、 安心して行って来なさいよ」
アルバス「うぐっ・・・!」
アルバス「速攻で終わらせて、 すぐに戻ってくるからな! ママ!」

〇英国風の部屋
シタラ(アルさんは頑丈だし、 大丈夫だろうけど・・・)
シタラ(なんか心配だな・・・なんでだろ・・・?)
ブリアザイト「なに考えてんの? あいつが心配?」
シタラ「ええ、まあ・・・」
ブリアザイト「ふーん・・・あんたらさ、親子なの?」
シタラ「え、いやいや、違いますよ! 見たらわかるじゃないですか!」
ブリアザイト「はぁ・・・?  親子の方が自然でしょ」
シタラ「子供がいる年齢に見えます? 私?」
ブリアザイト「──くく、そっちじゃないわよ! あんたが子供で、あいつが親!」
シタラ「あっ・・・そ、そうですよね そう見える方が当たり前ですよね!」
シタラ(いつも否定してたから・・・ もう! アルさんのせいだ!)
ブリアザイト「まあ、親子って感じでもないか あの変人ぶりだし、拾われたとか?」
シタラ「えっと、私、記憶がなくて、 そこをアルさんが助けてくれて──」

〇英国風の部屋
ブリアザイト「──あいつ、本当にお人好しなのね」
シタラ「お人好しというか、 あの人が重度の変人というか・・・」
ブリアザイト「あら、悪く言っちゃだめよ」
ブリアザイト「アルがいなかったら、 あんただって大変だったでしょうに」
シタラ「・・・それも、そうですね」
ブリアザイト「今だって頑張ってるだろうし、 帰ってきたら、一緒に労ってやりましょ」
シタラ「そうですね、きっと今もスポットで──」
シタラ(スポットで? そういえば、あの鳥って・・・)
シタラ「リアザさん、あの鳥って スポットを守ってるんですよね?」
シタラ「この辺まで飛んで来るのって、 おかしくないですか?」
ブリアザイト「・・・なんでかしらね すぐ戻れるから、問題ないんじゃない?」
シタラ「けど離れちゃったら、 誰か来てもわからないような・・・」
ブリアザイト「──ねえ、シタラ ちょっと手伝ってくれる?」
ブリアザイト「このお茶、ママに持っていきたいの 扉を開けてもらっていい?」
シタラ「あ、はい。わかりました」

〇小さな小屋
シタラ「・・・あれ?」
シタラ「リアザさん、この部屋誰も──」
シタラ「え? あの、リアザさん?」
「──くく、あはははは!」
「アルのこと、悪く言っちゃダメよ? だってあいつがいたから──」
「あんたがここまで来てくれたんだもの!」

〇英国風の部屋
「──ど、どういうことですか!?」
ブリアザイト「まだわかんない? あの鳥に報酬なんて出ないの」
ブリアザイト「報酬が出るのはシタラ、あんたの方よ」
「私に、お金が・・・?」
ブリアザイト「ソウガ隊長から直々のお達しでね 特別報酬だってさ」
ブリアザイト「ちょっと振り回されたけど・・・ まさか、こんなに上手くいくなんてね!」
「ソウガって──リアザさん、 あなたシェルターの人なんですか!?」
「こ、こんなことしても、 アルさんが戻ってきたら・・・」
ブリアザイト「そうね、だから迎えに行こうかしら?」
ブリアザイト「シタラは記憶が戻って、 故郷に帰ったって伝えてあげなきゃね」
「そんな・・・!」
ブリアザイト「あいつのことだから、 ママだのなんだの言えば信じるでしょ?」
ブリアザイト「せいぜい良い子にしてなさい じゃあねー!」

〇小さな小屋
シタラ(・・・もう行ったかな?)
シタラ(ちょっと焦っちゃったけど、 トランシーバーでアルさんを呼べば──)
シタラ「・・・あれ? な、なんで!?」
シタラ(トランシーバーがない! もしかして、こっそり取られた!?)
シタラ「な、なにか使える物──」
シタラ「こんな物しか・・・」
シタラ(もしかして、私・・・詰んでる?)
シタラ「──助けてぇえええ! アルさーん!」

次のエピソード:9.悪女のママではいられない。その3

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