入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード9(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

今すぐ読む

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ネオン街
街の不良「ぐふっ。なんて奴だ・・・。 怪我してる癖に喧嘩が強ぇ」
来栖武司(くるす たけし)「はぁ、はぁ・・・。 どうじゃ参ったか!」
来栖武司(くるす たけし)「さっさと消えろや!」
街の不良「ちっ、クソが。 覚えとけよ!」
中年サラリーマン「お、おい坊主大丈夫か!?」
来栖武司(くるす たけし)「別に大丈夫じゃけえ、おっさんは気にすんなや。それよりカツアゲされた給料取り返したで」
中年サラリーマン「おおっ!ありがとう! 何かお礼を・・・」
来栖武司(くるす たけし)「別にええよお礼なんて。 俺が好きで喧嘩しとるだけじゃけえ」
中年サラリーマン「そうか。それならこっちもありがたいが。 坊主、おじさんからの忠告だ」
中年サラリーマン「世の中には常識が通用しない危険な奴もいるからな。無謀な事はせずに命は大事にするんだぞ」
来栖武司(くるす たけし)「・・・命を大事に、か」
警察官「おい、お前!」
警察官「通報を受けてきたが、お前が会社員から金品を脅し取ろうとしてた犯人の不良だな?」
来栖武司(くるす たけし)「えっ、違う。 俺はオッサンを助けとっただけで犯人じゃないで!」
警察官「黙れ! そんな見苦し言い訳が通用するか!」
警察官「それに前からお前の事は『要注意人物』としてマークしてたんだ」
警察官「この際罪を犯してようがいまいが関係ない. 署まで来てもらうぞ!!」
来栖武司(くるす たけし)「クソボケ! そんな理不尽な事があってたまるか!」
警察官「あっ、こら待て」

〇入り組んだ路地裏
来栖武司(くるす たけし)「はぁはぁ・・・ここまでくればポリ公も追ってこんじゃろう」
来栖武司(くるす たけし)「それにしても俺が『要注意人物』? なんなんじゃそりゃ・・・」
来栖武司(くるす たけし)「・・・」
  武司・・・お前の中には強い『ヒカリ』が宿っとる。けどの・・・
  その『ヒカリ』は心に闇を抱えとるものには眩しすぎるんじゃ
来栖武司(くるす たけし)(伊良子先生が俺に言ったのはこういう事なのかもしれんの・・・)
来栖武司(くるす たけし)(それに、もしかしたら俺は生き方を間違えとるのか?)
  武司・・・真人間になれ
来栖武司(くるす たけし)(ちっ、煩い!  俺はやっぱり間違ってなんかないんじゃ!)
  武ちゃんの嘘つき。ずっと面倒を見てくれるって言ったくせに・・・
来栖武司(くるす たけし)(誠美・・・やっぱり俺じゃないといけんのか?)
  武司・・・
来栖武司(くるす たけし)(千蔭。 お前ならなんて言うんかの・・・)
  えっ、俺?
来栖武司(くるす たけし)「・・・あいつは何も参考にならんの」
  武司はこの時人生で初めて自分の生き方について考えて悩んだ
  けれど中々答えが出なかった。

〇入り組んだ路地裏
来栖武司(くるす たけし)「・・・」
???「来栖武司。 やっと見つけたわ!」
可憐(かれん)「くくく、探すのに苦労したけど、わざわざこんな人気の無い場所に居てくれて好都合よ」
来栖武司(くるす たけし)「お前、トン田妹!」
可憐(かれん)「それじゃ・・・死んで」
  武司は完全に油断して体が咄嗟に反応できなかった。

〇店の事務室
  武司・・・
  いつまでも馬鹿な事をやっとったらいけん。
  いつか相手から恨まれて殺されるぞ

〇入り組んだ路地裏
来栖武司(くるす たけし)(終わり、かの・・・)

〇ネオン街
木下誠美(きのした なるみ)(何かしら今の嫌な寒気。 良くない事が武ちゃんの身に起きた気がする)
木下誠美(きのした なるみ)(早く武ちゃんを見つけてあげないと)
イキがってる不良「アタっ!!」
木下誠美(きのした なるみ)「きゃっ!!」
イキがってる不良「イッテー! このアマ、わざと俺にぶつかって来やがった!」
木下誠美(きのした なるみ)「えっ、えっ? ごめんなさい」
木下誠美(きのした なるみ)(私じゃなくて向こうからぶつかって来たような・・・)
イキがってる不良「あーマジで痛い。怪我しちまったぜこれはよぉ」
イキがってる不良「だからよぉ、お前。 ちょっと路地裏まで来て俺の治療してくれよな」
木下誠美(きのした なるみ)「えっ、イヤです」
イキがってる不良「ぐへへへ、良いから来いよ!」
木下誠美(きのした なるみ)(いや、連れてかれちゃう。 助けて、武ちゃん!)
トン田「うわ、だっせーなお前。 ぶつかったくらいで怪我するなんてマジで弱すぎだろ」
イキがってる不良(ひっ!? マズい、※『カツアゲ定食トン田』がなんでここに!?)
イキがってる不良(このまえ中坊にケガさせられて引きこもってたんじゃなかったのか!?)
  ※カツアゲ定食トン田とは。
  トン田こと戸田剛はこの辺りの不良を得意の柔道でブン回して金品を奪い、
  その収入でうまい店の料理を爆食いする姿から畏れられてつけられたあだ名である
イキがってる不良(落ち着け、奴は今は怪我してるから俺でもなんとか喧嘩で勝てるはずだ・・・多分)
木下誠美(きのした なるみ)「あなたでもいいんで助けてください! なんかこの人に治療とか言って私を無理やり連れてこうとするんです!」
トン田「へえ、そうなのか。 だったら俺が代わりにお前の怪我を治療してやるよ」
  トン田はそういうと不良の肩を掴んだ
イキがってる不良「あだdddddっ! ギブギブ!肩が外れる!」
トン田「大丈夫だぜ。ちゃーんと本当にぶつかって怪我したみたいに”治療してやるからよ”」
トン田「あっ、そうそう”治療費”もちゃんといただくぜ」
イキがってる不良「分かりました! ”治療費”を置いて行くんでもう勘弁してください!」
木下誠美(きのした なるみ)(あ・・・私とんでもない人に助けを求めちゃった・・・)

〇ネオン街
  一万円
トン田「うん、あの野郎まぁまぁ金持ってやがったな」
トン田「さてと・・・」
トン田「お前大丈夫か?」
木下誠美(きのした なるみ)「え、ええ。 先程はどうもありがとうございます」
トン田「いいってことよ。 丁度あんたがタチの悪い雑魚に絡まれてるのを見ちまってよ」
トン田「それと、俺にはあんたくらいの可愛い妹がいるもんだからついほっとけなくて助けたんだ」
トン田「あとは悪い事は言わねえから早く家に帰った方がいいぜ」
木下誠美(きのした なるみ)(ほっ・・・やった事は滅茶苦茶だったけど、意外と優しい人なんだ)
木下誠美(きのした なるみ)「えっと、お心遣い感謝します。 けど私幼馴染の男子をこの街で見つけるまで帰れないんです」
木下誠美(きのした なるみ)「しかもその男子、今朝からケガさせられた状態で、多分治療はしてるんだろうけど帰ってこずに心配で」
トン田「奇遇だな。実は俺もさっき話した妹の様子がやっぱりおかしくて、」
トン田「出かけたまま帰ってこねえから心配して街に出てきてないか探しに来てんだ」
  ・・・
トン田「よし、決めた。 あんたの人探しに付き合ってやるぜ」
木下誠美(きのした なるみ)「えっでも・・・」
トン田「いいから俺を頼れって。 じゃないとまたさっきみたいな奴に絡まれるぜ?」
木下誠美(きのした なるみ)「た、確かに・・・。 えっとそれじゃあお願いします」
  続く

次のエピソード:エピソード10

コメント

  • カツアゲ定食トン田!なんて巧みなネーミングセンス。
    だから、あの立派なお腹になったのですね。
    気づけばもうエピソードが9話ですが、まだまだ謎があるし、まだまだ見たい。
    武司の死の予兆?みたいのがチラチラあるのが気になりますが、死なないよね…!?

成分キーワード

ページTOPへ