3時間目 真実・議論の頁(脚本)
〇教室
アオバナ「・・・読むよ?」
2×××年──
某国で今後の世界を大きく
変えるであろうある事件が起こった。
外国の言葉を訳すとこうだ。
「日本全国花変事件」
そう。
日本に住んでいる国民全ての体が
花に変わってしまうという事件だ。
思うと本当にそのままだな。
そしてこの “体が花に変わる” という事は
恐らくこれを見た貴方達が
思っているより恐ろしいモノだろう。
──体が花に変わったその瞬間
大人達の体はそれぞれ様々な方法だったが
枯れきって最後には自らの種子を産み出し
──亡くなってしまった・・・。
・・・・・・あとで亡骸を確認したが
全て種子の養分に使われたのか、
体はミイラのように枯れきっていた。
そしてその種子は一定時間が経過すると
植物が体に絡まった不安定な
ヒトガタとなって襲いかかってくる。
ちなみに捕まると身体中に絡まっていた
蔦等の植物が体に入り無理矢理枯らせられ
・・・・・・いや、恐らくそのヒトガタに
養分を吸いとられて開花したあと
種子となってしまう。
そんな世界のなか生き抜いた我々は
何とか外国と通信手段を得て
外国からの救援物資をもらうことを条件に
外国へそのヒトガタの組織片を送っていた
何年か過ぎやっと完成したらしい
人間に戻す薬を近くにいた君たちに
ギリギリだが打ち込もうと思う。
もう我々には時間がない。
今までの経験からして20歳になると
強制的に開花してしまうようだ。
最後まで生き残った俺一人も
あと数時間で終わりを迎える。
君達には申し訳ないのだが
俺たちの意思を継いでほしい。
この学校と思われる施設は
あらかた整備しておいた。
多少ヒトガタは出るだろうが
生活に不便ない。自由に使ってくれ。
あともう少しで救助が来る・・・・・・
だか ら
い き の こ れ
そ し て
日本を復興してくれ
しばらくの間3人に沈黙が訪れた
そして最初に口を開いたのは
アオバナ「・・・・・・2人はどうしたい?」
ツルニチニチソウ「どうしたいも何も・・・」
ツルニチニチソウ「やるしか道がないのなら・・・」
ツルニチニチソウ「やらなきゃ・・・・・・ でしょ?」
りんご「わ、」
りんご「私やりたくない!」
りんご「なんで私たちがやらなきゃいけないの?!」
りんご「救助が来るまで待てば良いじゃん!!」
アオバナ「で、でも・・・!」
アオバナ「私たちはこの本によると」
アオバナ「一回死んでるってことでしょ!」
アオバナ「それをこの男の人に助けられたなら」
アオバナ「私は・・・恩返しのためにやりたい」
りんご「つ、ツルちゃんはどうしたい?」
ツルニチニチソウ「わ、私は・・・・・・」