動き出した先輩(脚本)
〇一人部屋(車いす無し)
珠璃は帰宅後、さっそく作戦を立てた。
山本珠璃「これをこうしてこうしておけば、きっとうまく行くわ。こうなったらやるしかないわ。警察に言われようが関係ないわ」
計画を立てる彼女。
〇アパートの台所
その夜、森薫は家族に電話をした。
森薫「と言うわけなの。私、先輩に殺されるかもしれないの」
〇おしゃれなキッチン
森薫の父親「警察には届けたのかい?」
〇アパートの台所
森薫「届けたわ」
〇おしゃれなキッチン
森薫の父親「何かあったら、すぐ連絡してね」
〇アパートの台所
森薫「ありがとう」
〇オフィスのフロア
数日後。
山本珠璃「おはようございます」
上司「あれから改めたのかい?」
山本珠璃「はい」
森薫(大丈夫かな、私・・・)
やがて、昼休みになった。
山本珠璃「ちょっといいかしら?」
森薫「はい?」
〇ビルの裏通り
山本珠璃「着いてきなさい」
森薫「昼食はどうするんですか?」
山本珠璃「昼食の後に話するわ」
〇テーブル席
喫茶店の店員「ご注文は?」
森薫「カレーセット。ドリンクは抹茶オレをお願いします」
山本珠璃「パスタセット。ドリンクはレモンティー」
喫茶店の店員「解りました」
食事が運ばれてきても、珠璃は黙々と食事をしている。
森薫(先輩、どうしたんだろう?)
食事を終えた2人は、会計に回っていた。
喫茶店の店員「では、会計させていただきます」
〇オフィスのフロア
午後になった。
山本珠璃(今はほんの序の口。少しずつ計画を進めるわ)
会社の同僚「様子がおかしいんじゃないか、山本のやつ」
森薫「私も不思議に思うんですよ」
会社の同僚「ああ。なんか急に態度変えたらしい」
森薫(きっと、課長の言葉が身に染みたのかも)
不思議に思う薫たち。
〇一人部屋(車いす無し)
その夜。
山本珠璃「今はまだいいわ。時期はきっと来るはずよ。薫、覚悟なさい!」
薫はそう言うと、念入りに計画を確認していた。
山本珠璃「どのようにして彼女を殺すか、考えなきゃ!」
森薫を殺す計画を立てた珠璃。警察に目をつけられたことでさえも忘れていたのだ。
山本珠璃「次のプランはこれね!」
〇オフィスのフロア
やがて、金曜日の夕方になった。
倉田俊成「みんな、今週もご苦労様。ゆっくり休んで、来週からもまた元気に頑張ってね」
森薫「お疲れ様でした!」
氷川純也「お疲れ様。今日は僕が夕食ご馳走するよ」
森薫「ありがとうございます」
山本珠璃(覚悟なさい、森薫!)
珠璃は怒りを堪えつつその場を去った。
〇メイド喫茶
執事&メイド喫茶にて。
氷川純也「どうだい?気に入った?」
森薫「意外ですねぇ。執事&メイド喫茶だなんて」
執事「ごゆっくりどうぞ」
メイド「ご主人様、お嬢様。ごゆっくりどうぞ」
森薫「ありがとうございます♪」
氷川純也「お言葉に甘えていただきます」
ご馳走も運ばれてきて、メイドや執事とのコミュニケーションも行われた。
森薫「先輩、今日は奢ってくれてありがとうございます」
氷川純也「君が困ってたから、元気付けたかったんだよ」
森薫「先輩、嬉しいです!」
氷川純也「そう言ってくれると嬉しいよ」
〇ネオン街
森薫「今日はありがとうございました。しかも奢ってくれるなんて嬉しいですよ」
氷川純也「これで来週からもまた元気で働けるね」
森薫「そうですね!」
〇アパートの台所
森薫「今日は先輩が執事&メイド喫茶に連れてってくれたのよ」
〇おしゃれな廊下
薫の弟「姉ちゃん、よかったな。こっちは順調。今から風呂入ってねるんだ」
〇アパートの台所
森薫「あんたも気をつけなさいよ。おやすみなさい」
森薫は、氷川先輩に守ってくれる幸せを噛み締めていた。
〇一人部屋(車いす無し)
山本珠璃「森薫め、今度はそうはいかないわよ!」
珠璃の怒りのオーラは日に日に増す一方だった。
一緒に食事をしても先輩の怒りを鎮める事が出来なかったか……。恐ろしいな。
次は何をしてくるか。
楽しみにしてます。