超絶人気アイドルが俺を必要とするのには理由がある

世界三大◯◯

プロローグ 2枚の花びら(脚本)

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〇高級マンションの一室
  中3の秋、出会いは突然だった。
  
   髪にバスタオルをあててゴシゴシ。
  風呂上りは気持ちがいい。
  何気なくテレビのスイッチをオン。
  ちょうどはじまったのが
  ローカル番組のオープニング。
  思わずバスタオルを床に落とす!
  心臓がバクバクと脈を打った。
  速い、速過ぎる!

〇大きな公園のステージ
  画面には・・・
  アイドルユニットひじり84の12人。
  
   いや、俺の目に焼き付いていたのは、
  たったの1人!
  山吹さくら・・・・・・
  
  
  
  
  
   ただ1人。
  熱量が直に伝わる激しいダンス!
  
  
  楽器のように高音を響かせる華やかな声!
  
  
  人の心に簡単に触れる清らかな笑顔!
  どれもが俺にとって初体験!
  
  
   映像でこの迫力・・・・・・
  もしもライブに行けたら、
  どんなにすごいことだろう!

〇高級マンションの一室
  行きたい!
  絶対にライブに行きたいと思った。
  ずっと両親と暮らしていたら、
  山吹さくらに出会えなかった
  かもしれない・・・・・・
  出会っていても、
  これほど鮮烈な印象を
  得なかったかもしれない・・・・・・
  だからこそ、俺は運命を感じた!
坂本 章「じいちゃん。俺、学校に行く!」
じいちゃん「章や、よく言った! それでこそ坂本家の跡取りじゃ!」

〇路面電車の車内
  次の日から、俺は休まず学校に行った。
  頑張って勉強した。
  成績は少しずつ上がった!
  因数分解は強敵だった!
  
   現在分詞は今でもさっぱり・・・・・・
  そして東京の高校を受験し・・・・・・
  合格した!

〇空
  小学校では人気者!
  
  自分には
  何だってできると信じて疑わなかった。
  
  わがままで、ごうまんな性格だった。

〇空
  中学に入ってからはいじめられっこ。
  一時は学校にも行けなくなった。
  
  何事にも自信を持てなくなっていた。

〇雪に覆われた田舎駅
  でも俺は、山吹さくらと出会い、
  努力するようになった。
  何だってできるとは思わない・・・・・・
  
  でも、何かできることがある!
  
  そんな風に思えるようになった。

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