アライブ・ソルジャーズ

十三話 最悪の日(脚本)

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〇警察署の食堂
神野 莉呑「君は本当に甘いものが好きだな」
黒沼 晶「ああ。 そう言えば、近くにまた新しいスイーツ屋ができるみたいだぞ!」
黒沼 晶「莉呑のおかげで、ここ最近建物の被害も少なくなってきているからな。 また街が賑やかになりそうだ」
神野 莉呑「うん、それならよかった。 私も頑張っている甲斐があるよ」
神野 莉呑「そうだ、晶。 今度一緒にそのスイーツ屋さんに行こうか」
黒沼 晶「お前、甘いものあんまり好きじゃないんだろ?」
神野 莉呑「君とだから行きたいんだ」
黒沼 晶「・・・分かったよ」
神野 莉呑「こらこら、照れてるんじゃないぞ〜」
黒沼 晶「て、照れてねーよ!」

〇警察署の医務室
黒沼 晶「どうして・・・ どうしてなんだよ、莉呑・・・」
黒沼 晶「どうして俺を庇ったんだ。 俺一人じゃ何もできねーよ・・・」
日谷 沙耶「黒沼くん、やっぱりここにいたのね」
黒沼 晶「沙耶さん!」
日谷 沙耶「莉呑ちゃんが亡くなってしまったそうね。 黒沼くんにとって、耐え難いショックでしょうね・・・」
黒沼 晶「はい・・・ これからどうしたらいいのか・・・」
日谷 沙耶「莉呑ちゃんが生き返る可能性があるって言ったら、どうする?」
黒沼 晶「沙耶さん、それって・・・!」
黒沼 晶「いいや、莉呑のためならなんでもやります。 お願いします、沙耶さん!」
日谷 沙耶「条件がいくつかあるわ。 まず、私がここに来たことを誰にも言わないこと」
日谷 沙耶「そして、莉呑ちゃんが不完全に生き返った場合、必ず黒沼くんが処理すること」
日谷 沙耶「あとは・・・ そうね、黒沼くんの体で実験をさせてくれたらいいわよ」
黒沼 晶「分かりました。 それが莉呑のためになるなら・・・!」

〇渋谷のスクランブル交差点
黒沼 晶「はぁ、はぁ・・・っ!」
莉呑?「体力の限界か? ふふ、だから弱いんだ。 人間というものは・・・」
莉呑?「私は人間を模ったギャラジー。 動きの素早さを残したまま、ギャラジーとしての体力や装甲を持っている」
莉呑?「──故に、私は最強種だ」
黒沼 晶「くっ・・・!」
莉呑?「遅い、遅い。 そんなもの私には当たらない」
黒沼 晶「ぐ、あああぁぁっ!」
莉呑?「この状況をチェックメイト、と言うらしいな。 この状況から君はどう足掻く?」
黒沼 晶「その言葉、そっくりそのまま返す」
莉呑?「──!?」
莉呑?「突然、地面が爆発した・・・!? 脚部が損壊、移動ができない・・・!!」
黒沼 晶「渋屋が置いていってくれた、「お土産」だ」

〇渋谷のスクランブル交差点
渋屋 杏「──お土産、置いていってあげるから」

〇渋谷のスクランブル交差点
莉呑?「あの事か・・・!」
黒沼 晶「お前の言う通り、人間というものは脆い。 足が壊れるだけで動けなくなるんだ」
黒沼 晶「人間を模ったはいいが、その弱点を考えられなかった脳の無さが、お前の敗因だ」
莉呑?「・・・負けてなどいない」
黒沼 晶「は?」
莉呑?「私はお前自身に勝つことが目的ではない。 私は本来の目的を、今ここで果たす・・・」
莉呑?「そしてその本当の目的の達成こそ、君にとっての一番辛い敗北になることを、私は知っている」
莉呑?「さぁ、力を解放する時だ・・・」
  いや、いや!!
  助けてーーーッ!!
  うわあぁぁぁぁぁ!
  ビルが倒れる、巻き込まれるぞ!!
黒沼 晶「お前、まさか・・・!!」
莉呑?「気づいたか。 私の本当の目的は、「ギャラジーの生命の糧となる人間の補給」」
莉呑?「つまり、多くの人間の命を奪うことだ」
黒沼 晶「クソッ、これ以上そんなことさせてたまるかよ!」
莉呑?「私は死んでも良い。 目的を果たし、それが私の同志のためになるのならば」
莉呑?「命尽きるまで、私は人間の命を奪い続けよう」
  もう嫌だ、どうしてえぇぇぇぇ!!!
  死にたくないよぉぉぉぉぉ!
黒沼 晶「やめろ、やめろ!! これ以上莉呑の姿で、人を殺すな──!」
  いやああぁぁぁぁ!!
  誰か、エージェントを呼んで!!
  誰かぁぁぁぁ!!
  お願いします、この子だけは助けて・・・!!
  あああぁぁぁぁぁ!!
黒沼 晶「やめろおおおぉぉぉぉぉ!!」
莉呑?「うぅ・・・くっ・・・」
莉呑?「あ・・・きら・・・?」

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