侵略的外来星人ギラファくん

なし

自分の可能性と隣人を信じて!(脚本)

侵略的外来星人ギラファくん

なし

今すぐ読む

侵略的外来星人ギラファくん
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇体育館の裏
先輩「練習試合に負けたのはマネージャーの君がこのウン付きシューズを手入れしておかなかったからだ」
先輩「制裁だね」
たくまくん「僕ってマネージャーでしたっけ──!?」
先輩「この物語はここから始まるんだから、言ったことが真実の設定になっちゃうよ」
たくまくん「そういうもんでしたっけ──!?」
先輩「お前はマネージャーだ!」
たくまくん「僕は、ま、マネージャーじゃありません」
先輩「声が小さい! 想いを実現させろ! お前はマネージャーだ!」
たくまくん「ずるいですよ、先輩は押し通そうとしてるから思いっきり嘘ぶっこけばいいけど、僕はなんで叫んでるのか意味わかんないもん」
先輩「想いが本物じゃないってことだろ、俺は嘘を言ってるかもしれないが、想いだけは本当だ! お前はマネージャーだ!」
たくまくん「僕はマネージャーじゃない!」
先輩「声が小さい不合格! お前はマネージャーに合格してしまった! なる早で新入部員をスカウトしてきてね!」
たくまくん「なんでマネージャーにされかけてるのか、訳わかんないんだもん 必要とされるとかちょっと気分いいし」
先輩「その心! もうマネージャーだろ! というわけでウン付きシューズはお前の咎だ! 投げつける!」
たくまくん「いっつもこう! 世界は信用ならない! いやだあああああ」
たくまくん「エッ、エンガチョ──!!!!!!」

〇地球
ギラファくん「グシャア(笑い声)・・・ 友達、できるといいな」

〇教室
たくまくん「この席は先生の目が届きにくく、憧れの烏丸さんを眺め放題な最高の特等席!!」
たくまくん「だったのに・・・ この化け物はなに!? なぜ隣の席に」
先生「8月、それは夏い暑」
先生「転校生、それは教室という閉鎖宇宙を変貌させるスーパーノヴァ」
ギラファくん「ギラファといいます。なかよくしてください」
たくまくん「キャーー!!」
先生「転校生の席、それは主人公の隣」
クラスメイト「キャーー!!」
たくまくん「みんなも怖がってる!」
クラスメイト「何あの転校生、超超超、いい感じ、超超超超いい感じ」
たくまくん「蝶々よりはクワガタだよ!」
ギラファくん「よろしくね。グシャア」
たくまくん(この手を取れば、僕の腕は潰される。 この手を取らねば、僕の胸が潰される!)
たくまくん「よろしくね!」
たくまくん「僕、恐怖で漏らした? いや、コイツの涙か」
ギラファくん「生まれて初めて握手してもらえたから、感激で涙が」
たくまくん「最初の友達みたいになっちゃったけど、絶対に信じないぞ! だって世界(教室)を守れるのは、僕1人──!」
たくまくん「やべっ口に出しちゃった。人生初の主人公っぽい場面だから高揚しちゃった」
たくまくん「僕ってバカなのか──? もしかして、バカなのだ──!」

〇野球のグラウンド
先輩「すげえッすげえ! 消える打球だ・・・ ギラファくんは4番バッターだ! 甲子園だって夢のまた夢くらい好き勝手できる!」
先輩「紹介してくれたお前のおかげだよ、この敏腕マネージャー!」
たくまくん「へへっ心にもないことを」
たくまくん「へへっじゃないよ。うっかり野球部に誘っちゃったけど、こんな化け物を学校に溶け込ませちゃいけない! でも──」
ギラファくん「お父さんお母さん。5つ目の星で、やっと僕にも仲間ができたよ」
たくまくん「化け物がどうしてこんな純粋に青春を楽しんでいるんだよ! 水を差しにくい」

〇川沿いの道
憧れの烏丸さん「たまには行水と洒落込むか」
ギラファくん「たくまくんは気付いてたんだね」
たくまくん「正体に気付いていることを気付かれていたのか。自分でも気付くくらいの大声で胸の内を喋ってたから当たり前か」
ギラファくん「僕に野球の才能があることに」
たくまくん「気付かれてなかった、消されるところだったぜ」
ギラファくん「でも、僕の正体に気付いているのにどうして野球部に誘ってくれたんだい?」
たくまくん「気付かれてた、短い主人公人生だった」
たくまくん「憧れの烏丸さん! 憧れの烏丸さんが溺れている!」

〇水中
憧れの烏丸さん(コカァ、急に溺れてる気がしてきた)
たくまくん「憧れの烏丸さーんガボボボボ 今たすけガボボボボ」
たくまくん「ボガガガガ」
ギラファくん「しまった、地球人は水中呼吸も念話もできない設定なのか!」
  人を助けに潜った水中って、こんなに綺麗なのかよ・・・

〇川沿いの道
たくまくん「ぶはあッ!! 生きてる! 憧れの烏丸さんは?」
ギラファくん「飛んで帰ったよ。たくまくんも無事でよかった」
たくまくん「急いでたのかな。憧れの烏丸さんに、じ、人工呼吸とかしてないだろうな!」
ギラファくん「呼吸法がわからなかったよ。元気だったし」
たくまくん「ホッ。そんなことより、どうして僕を助けたんだよ。僕はお前の正体を知ってるんだぞ!?」
ギラファくん「友達がほしくて辿り着いた星だから」
たくまくん「何だよそれ──純粋な人を僕が迫害してるみたいじゃないか・・・侵略者なのに」
ギラファくん「宇宙人も人だよ でも、侵略しているのは事実だから、追放されても仕方ない」
たくまくん「いや侵略してるのかよ! じゃあ無理だよ!」
ギラファくん「地球規模で洗脳をやっちゃってる」
たくまくん「信じかけた僕がバカだった! お前なんて、明日みんなの前で正体をバラしてやるからな!」
ギラファくん「・・・野球部に誘ってくれてありがとう 一番楽しい星だったよ」
たくまくん「監視のためだよ、僕はお前なんか信じないぞ。バカ」

〇教室
先生「告白、それは真実への変身」
先生「回答者、それは謎の出席番号順か先生の気分。ということでギラファくん!」
たくまくん「当てられてるよ! 転校2日目で寝るな!」
ギラファくん「答えられなかったら、つ、追放? 26810光年の旅の果てがこんなことで・・・」
たくまくん「追放されないよこんなことで。愛だよ愛。先生の設問は全て愛なんだ」
ギラファくん「・・・愛?」
先生「超いい感じ!!」
ギラファくん「ありがとうたくまくん!! グシャア」
たくまくん「僕ってバカなのか──? こんな化け物、追放されると思わせておいた方が良かったのに」
ギラファくん「たくまくん、僕の正体はいいの?」
たくまくん「め、めんどくさいから帰りの会で晒し上げようと思ってるだけだ!」
先生「転校生、それは新展開」
敵か味方か転校生「萓オ逡・です。お見知り置きを」
クラスメイト「超超超いい感じ!!」
たくまくん「まともな転校生だ!」
先生「転校生の席、それは主人公の隣」
敵か味方か転校生「よろしくね。クレヴァア(笑い声)」
ギラファくん「その手を取っちゃダメだ!」
たくまくん「なんだ侵略者の分際で 友情を邪魔するな!」
たくまくん「萓オ逡・さま! 何でも言うこと聞いてやるから、気軽に相談してくれよな!」
敵か味方か転校生「よし、宣言させた。後に来る八百万億の宇宙人を入植させるために、この星も下僕にさせてもらうよ」
クラスメイト「キャーー!! ギラファくんが怪物に!」
ギラファくん「ぐおおおおお」
たくまくん「お前──結局、侵略者の化け物なのかよ?」
ギラファくん「たくまくん!! 握手したから、僕らは侵略者同士の仲間だよねえ」
たくまくん「僕はお前なんかの仲間じゃない!」
ギラファくん「声が小さい! 君は僕の味方だよねえ!」
たくまくん「味方じゃない! なんなんだよ、異星人の倫理観わかんないよ!」
ギラファくん「友達だよねえええ!!」
たくまくん「触れるなあああ!! エンガチョ──!!」
たくまくん「萓オ逡・さまも、化け物!? いや、ていうか何この発音できない名前」
敵か味方か転校生「驚いた。安住を求めてこの星まで来ておきながら、私の侵略を防ぐために侵略をやめるとは」
たくまくん「なんてバカな真似を」
ギラファくん「支配するようなやり方は間違ってる!」
たくまくん「バカだが察しの良い男・僕の見立てによると、ギラファくんなんかよりよっぽど悪質な侵略者みたいだぞコイツ」
敵か味方か転校生「クレヴァクレヴァ。敵かな? 味方かな?」
ギラファくん「短い間だったけど楽しかった。たくまくん、信じて叫べば、世界はどうとでもなるんだよ」

〇廃墟と化した学校
ギラファくん「強すぎる。他人を痛めつけるための自己暗示に躊躇がない・・・」
敵か味方か転校生「君が甘すぎるな、私の体を破壊するだけのパワーを得ようという気が一切ない」
敵か味方か転校生「終わりだ──」
たくまくん「バッ、バリア──!! 完全無効バリア──!!!!」
敵か味方か転校生「侵略を使いこなしている?」
たくまくん「忘れがちだけど僕は主人公! 大人しく守られてたら、出番がなくなっちゃうだろ!」
ギラファくん「たくまくん! 危ないよ」
たくまくん「うるさい! 僕たち、と、友達だろ!! 僕はもう助けに飛び込む気持ちよさを知ったんだ」
先生「友達、それは宇宙一の宝」
敵か味方か転校生「友達、だと・・・!? 何人も侵害できぬ、絆!?」
ギラファくん「たくまくん・・・。でも、コイツはそんじょそこらの侵略者じゃない。勝てないよ 君まで巻き込みたくない」
敵か味方か転校生「そ、その通りだ。こちらも君たちを倒せないが君たちも私たちには勝てない。この星を内部から破壊できるからね」
たくまくん「あのさ、言えば叶うなら、勝てない敵も友達にして、味方ってことにできないのかな」
ギラファくん「僕は信じたい。けど、宇宙人にはいい侵略者ばかりじゃないんだよ。 たくまくんは、信じられる?」
たくまくん「バカだから、信じきれるかわからないけど、がんばるよ!」
敵か味方か転校生「そういうことなら、私はとりあえず君たちやこの星の味方になるよ」
たくまくん「そんなこと言って、お前──」
たくまくん「いや・・・信じる。そのうちお前とも友達になれる」
たくまくん「主人公でい続ければ、憧れの烏丸さんがヒロインになるかもしれないし!」
ギラファくん「烏丸さんも宇宙人の侵略者だけどね」
たくまくん「えっ今なんか言った?」
ギラファくん「いやなにも」
たくまくん「友達だろ!? 教えろよ!」
ギラファくん「傷付くから」
たくまくん「主人公で察しが良くてバカなんだぞ! 大丈夫だよ言えよ!」
ギラファくん「実は──」
たくまくん「エンガチョお〜〜!」

コメント

  • たくまくんに気を取られがちだけど先生や烏丸さんもかなりアレな感じでキャラが立ってますね。転校生はいつも主人公の隣にくるとか、メタセリフを何回も言うのが面白かったです。

  • 信じるって最強なんですね。でも、それが難しい。親鸞さんも、やろうとして、出来なかったんだもん。ん?
    たくまくん≧親鸞…なんかなぁ

  • 宇宙の侵略者はもうそこまで来ているのかもしれない。私たち地球人は気付いていないだけなのか?主人公は怪人達と仲良くなれる素質があるんでしょうか?

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ