ものぐさな名探偵 ~つまらない依頼はお断り~

HALPIN

11.さて、皆さんお立合い(脚本)

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〇警察署の入口
功刀絢花「おはよーございまーす!」
柊木正道「どういうことなんだ?」
功刀絢花「何がっすか?」
柊木正道「昨日の電話だよ」
柊木正道「人を集めるように言ったり」
柊木正道「署の会議室を使わせろと言ったり」
柊木正道「そのうえ、あんな調べ物まで・・・」
柊木正道「勝手にもほどがあるだろう!」
功刀絢花「でも、用意はしてくれたんですよね?」
柊木正道「ああ」
柊木正道「彼らも、もう来ている」
功刀絢花「さっすが柊木警部!」
功刀絢花「話が分かる!」

〇小さい会議室
功刀絢花「どうも」
功刀絢花「今日はお集りいただき、まことに・・・」
真梨香「ねぇ、どういうこと?」
真梨香「どうして私が警察に呼び出されるの?」
功刀絢花「それはこれから話します!」
愛那「私が呼ばれてるのにも理由はあるのよね?」
真梨香「・・・」
宏斗「警察署の中なんて初めてだぜ」
宏斗「探偵ドラマみたいだな!」
宏斗「まぁ 目の前には本物の探偵がいるんだけどな」
宏斗「こっちは 探偵っぽくない姉ちゃんなんだよな」
功刀絢花「るせー」
柊木正道「それで、これはどういうことなのか そろそろ説明してくれんか?」
与志之「また何かの事件かい?」
功刀絢花「そうです これから解決編って感じですね」
功刀絢花「愛那さんの夫の優一さんの自殺について 柊木さんもご存じですよね?」
柊木正道「ああ、あれは腑に落ちない事件だった」
功刀絢花「そりゃあ、そうですよ 自殺じゃないんですから」
柊木正道「なんだと?」
功刀絢花「ですよね、真梨香さん」
真梨香「なんで私に振るの!」
功刀絢花「だって、優一さんを殺害したのは」
功刀絢花「真梨香さんですから」
真梨香「そんなわけないでしょ!」

〇小さい会議室
柊木正道「あれが殺人事件なのは認めるとしてだ」
柊木正道「真梨香さんに犯行は不可能じゃないか?」
真梨香「そうです!」
真梨香「優一さんが飛び降りたとき 私は2kmも離れた場所にいたんです!」
真梨香「どうやって優一さんを屋上から 突き落とすんですか?」
功刀絢花「そこが違ったんです」
功刀絢花「私も最初は勘違いをしていました」
功刀絢花「それで、愛那さんがあなたを犯人だと 思い込んでるだけだと決めつけてました」
功刀絢花「あなたは優一さんを突き落としてはいない」
功刀絢花「言うなれば、地面に引きずり込んだ」
愛那「引きずり込んだ?」
功刀絢花「もう少し丁寧に言うなら やったこととしては屋上に呼び出しただけ」
功刀絢花「そして、優一さんが地面に落ちた」
真梨香「ふざけてるの?」
真梨香「それならただの事故じゃない!」
功刀絢花「いえ、殺人です!」

〇小さい会議室
功刀絢花「あの日、空を横切る竜を見たと言う声が ネット上でもいくつか見られました」
功刀絢花「彼もそんな竜を見た一人です」
宏斗「俺のことか!」
功刀絢花「ああ」
柊木正道「竜なんているわけがないと思うが・・・」
功刀絢花「そうですね!」
柊木正道「それなら」
功刀絢花「竜に見えたのはこれだったんです」
柊木正道「これは布切れ?」
柊木正道「それからドローン」
功刀絢花「布を引っ張って飛ぶドローンが 竜に見えたんですよ!」
愛那「それが、夫の事件とどう関係するの?」
功刀絢花「これを見てください」
功刀絢花「竜は優一さんの会社の方向から 真梨香さんの家の方向へと」
功刀絢花「真っ直ぐに飛んでいます」
真梨香「・・・」
功刀絢花「この竜こそが、優一さんを殺害した凶器」
真梨香「ドローンで突き飛ばしたとでも?」
功刀絢花「違いますよ」

〇空
功刀絢花「布や石、塩ビパイプなどでできた竜は」
功刀絢花「空をまっすぐに飛びました」
功刀絢花「ときどき、その一部を脱落させながらね」
与志之「それがワシの家に 投げ込まれた石ころだったというわけか」
功刀絢花「はい」
功刀絢花「で、その石には 接着剤や蛍光塗料が付着していた」
功刀絢花「だんだんとトリックが分かってきたんじゃないですか?」

〇小さい会議室
真梨香「分からないわ、そんなの!」
柊木正道「もう少し詳しく説明してくれ」
功刀絢花「布、重し用の石、塩ビパイプ・・・」
功刀絢花「それらを組み合わせて」
功刀絢花「屋上の端、というか、一歩外側に 偽物の手すりや足場を作ったんですよ」
功刀絢花「優一さんはそれに気づかず」
功刀絢花「屋上の外に足を踏み出してしまった」
真梨香「・・・」
功刀絢花「映像クリエーターとして撮影用のセットを 作っている真梨香さんには」
功刀絢花「軽めの素材で”手すりもどき”を作るくらい 簡単なことだったでしょう」
柊木正道「だが、近づけば分かるんじゃないか?」
功刀絢花「事件は夜間でしたから」
功刀絢花「蛍光塗料でうっすらと見える手すりを 頼って屋上の端まで歩いた」
功刀絢花「そうしたら そこには足場がなかったんです」
真梨香「仮にそんなことが出来たとして 偽物の手すりはどうするの?」
功刀絢花「だから、ドローンで回収したんです」
功刀絢花「真梨香さんはドローンによる空撮も お得意なんですよね」
真梨香「・・・」
与志之「じゃが、いつもはない手すりなんかあれば 怪しみそうなものだが・・・」
功刀絢花「優一さんの会社の屋上には 手すりすらなかった」
功刀絢花「そんな場所に 普段から人が足を踏み入れるとは思えない」
与志之「手すりの有る無しどころか 屋上がどんな風かも知らなかったわけか」
愛那「でも、夫はどうして屋上なんかに・・・」
愛那「それも、足を踏み外すほど端っこまで」
真梨香「そうよ」
真梨香「呼び出すことはできたとしても」
真梨香「端っこまで誘い込むなんて不可能でしょ」
真梨香「何度も呼び出し続けて 偶然落ちるのを待てとでも言うの?」

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