ものぐさな名探偵 ~つまらない依頼はお断り~

HALPIN

6.偶然の一致!?(脚本)

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〇街中の道路
功刀絢花「愛那さんの夫だった優一さん で、その不倫相手だった真梨香さん」
功刀絢花「真梨香さんの家は、この先か・・・」
功刀絢花「それにしても暑いな、今日は・・・」
功刀絢花「何か踏んだ?」
功刀絢花「なんだ、花火大会のチラシか・・・」
功刀絢花「って、んん?」
功刀絢花「花火大会は竜が出たのと同じ日か!!」
功刀絢花「偶然なのか、何か関係してるのか」
功刀絢花(とりあえず、このチラシは拾っておくか)

〇住宅地の坂道
功刀絢花「はぁはぁ」
功刀絢花「この地味な坂がキツいな・・・」
功刀絢花「けど・・・」
功刀絢花「やっと着いた!」

〇高級一戸建て
功刀絢花「たぶん、ここが真梨香さんの家だな」
功刀絢花「インターホンは・・・」
功刀絢花「これか!」
  カーン、コーン・・・・・・
真梨香「はい」
功刀絢花「あの、クヌギ探偵事務所の功刀絢花です」
真梨香「探偵!?」
功刀絢花「ちょっとお話を聞きたいんですけど」
功刀絢花「優一さんの件で」
真梨香「探偵がウチに何の御用ですか!?」
功刀絢花「だから、優一さんのことですよ」
真梨香「知りません、そんな人!」
功刀絢花「同じ会社に勤められていたはずですけど?」
真梨香「まぁ、それは・・・ 名前くらいは知ってますけど」
功刀絢花「不倫されていたと聞きましたが!」
真梨香「何かの間違いです!」
功刀絢花「でも、優一さんの携帯電話には あなたとの頻繁な連絡が記録されて・・・」
真梨香「仮にそうだったら何だって言うんですか?」
真梨香「慰謝料でも払えと?」
功刀絢花「その前に、悲しくないんですか?」
真梨香「はぁ?」
功刀絢花「だって、不倫とは言え 交際していた人が亡くなったんですよ」
真梨香「そんなことより ご用件を聞かせてください」
功刀絢花「私は優一さんの自殺の原因を調べるよう 依頼されています」
功刀絢花「奥様の愛那さんをご存じですよね?」
真梨香「・・・」
功刀絢花「愛那さんは夫の自殺を どうしても受け止めきれないようで」
愛那「夫が自殺するはずありません」
愛那「でも、もしかしたら・・・」
愛那「私が気づけていないだけで 何か悩んでいたのかも」
功刀絢花「そう仰って、せめて理由だけでもと・・・」
功刀絢花「嘘だけど・・・」
真梨香「なるほど、そうだったんですね」
功刀絢花「それで、何かご存じないですか?」
真梨香「たしかに、彼は悩んでいたと思います」
功刀絢花「それはどんなことを?」
真梨香「仕事とか家庭とか・・・」
真梨香「子どもが欲しいとせがまれるのも 負担だったとか」
功刀絢花「やっぱり詳しいんですね」
真梨香「あっ、いやっ」
功刀絢花「かまいません 優一さんの不倫を大事にはしないと」
功刀絢花「亡くなった夫の名誉は守りたいと 愛那さんもおっしゃってましたから」
真梨香「・・・」
功刀絢花「それで、その悩みはどれくらい」
真梨香「かなり悩んでいたんだと思います」
真梨香「本来は奥様想いの人でしたから」
真梨香「けど、辛すぎたみたいで」
真梨香「現実逃避って言うんでしょうか そんな感じで、私と・・・」
功刀絢花「・・・」
真梨香「気づけてあげれてなかったのは私です」
真梨香「こんな言い方 奥様にも失礼なのは分かってますけど」
真梨香「私がもっとちゃんと見てあげてたら」
真梨香「優一さんは死ななかったのかも」
真梨香「奥様にも今のような辛い思いさせずに」
真梨香「・・・」
功刀絢花「まぁ、そんなに自分を責めないでください お気持ちはお察しします」
功刀絢花「不倫は良くないですけど・・・」
真梨香「はい・・・」
功刀絢花(この反応、何か引っかかるな・・・)
功刀絢花(演技染みてると言うか・・・ 自殺と聞いて急に態度が変わりやがった)
功刀絢花(でも、事件のあった時刻に この人はかなり離れた場所にいた)
功刀絢花(犯行は不可能だ)
功刀絢花(んっ? 花火大会のチラシが頭にチラつく)
功刀絢花(どういうことだ?)
功刀絢花(屋上で花火を見ていた? いや、そんなはずはないよな・・・)
真梨香「あの、まだ何か?」
功刀絢花「いえ、今日はひとまず帰ります」
功刀絢花「また後日、伺うかもしれませんが そのときは、よろしくお願いします」
真梨香「はぁ・・・」

〇オフィスビル前の道
功刀絢花「・・・」
功刀絢花「うーん・・・」

〇雑居ビルの一室
  クヌギ探偵事務所

〇個人の仕事部屋
功刀絢花「竜が見つからないのもだけど・・・」
功刀絢花「愛那さんの件が引っかかるなぁ」
功刀絢花「それに・・・」
功刀絢花「なんで、この花火のチラシが頭に チラつくんだ?」
功刀絢花「宏斗少年の件・・・ 愛那さんの夫、優一さんの自殺・・・ それから花火大会・・・」
功刀絢花「全部が同じ日に起きている・・・」
功刀絢花「これに何かの意味があるのか・・・」
功刀絢花「もしかして!!」

〇花火
男性「・・・」
女性「・・・」
「・・・」

〇花火

〇個人の仕事部屋
功刀絢花「花火大会の日の空・・・」
功刀絢花「あり得るな とにかく、確認してみるしかねぇ!」
功刀絢花「もしもし」
功刀絢花「ちょっと確認したいことがある!」
功刀絢花「ああ、そうだ、私だよ!」
功刀絢花「今すぐ事務所に来てくれ!!」
功刀絢花「今すぐだよ! 宿題なんか後回しでいい!」
功刀絢花「急げよ 待ってるからな!!」
功刀絢花「ついでに・・・」
功刀絢花「クヌギ探偵事務所の功刀絢花です」
功刀絢花「ちょっと確認したいことがあって」
功刀絢花「後ほど少しお時間よろしいですか?」
功刀絢花「いえ、夕方ごろでいいです」
功刀絢花「はい、でしたら、その時間に」
功刀絢花「では、事務所でお待ちしています」
功刀絢花「これでよし」
功刀絢花「上手くいけば今日中に事件は解決だぜ!」

次のエピソード:7.招かれざる結論

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