#2(仮)

kaiko

#4(脚本)

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〇立ち飲み屋
ミッチ「ちょー」
ミッチ「ちょーちょーちょー!!」
  みっちさん、久しぶりです!
ミッチ「大将〜、会いたかったっ!」
  「いつもの」っすか?
ミッチ「今日は「生」にする〜」
キョウコ「いや〜この感じ久しぶりっすねっ!」
ミッチ「一瞬や ほんま一瞬、」
ミッチ「気がついたら、もう夏終わるやん!」
キョウコ「わたし、ジンソーダ!」
  てっきり、違う店に浮気されたかもって、
  ちょっと心配してました〜
ミッチ「ただの多忙じゃ! 疲れ果てとったんじゃ!」
ミッチ「年度末やろ?」
ミッチ「売上達成でけへんかったやろ?」
ミッチ「今期どうすんねん? って役員に絞られてたら、新人入ってくるやろ?」
  ・・・はい
ミッチ「新人、何にもでけへんくせに、 プライド高いやろ?」
ミッチ「プライド高いくせに、すぐ傷つくやろ?」
ミッチ「「あなたはできる子、できる子っ!」 言われて育ってきてるから、 打たれ弱いねん・・・」
キョウコ「荒れてるなぁ」
  ・・・なんか、すんません
ミッチ「『やりたいことと違ったんで、やめます』 ってよ・・・」
キョウコ「えっ!? もう退職ですか?」
ミッチ「『機材運ぶために、この会社、 入ったんじゃないんです』」
ミッチ「はぁっ!?」
ミッチ「じゃ、 お前見積もり書けんのかっ?」
ミッチ「現場、仕切れんのかっ?」
ミッチ「代理店との間で調整できんのかっ?」
ミッチ「荷物持つ以外に、 今、お前、 何ができんねんっ!」
ミッチ「ゆーてみー、 やらしたるから!」
  言ったんですか?
ミッチ「言うかいや、パワハラやん」
キョウコ「よかった」
  で、どうなりました?
ミッチ「そいつ? 普通に辞めたけど?」
ミッチ「引き留めるまでもない、 選んだこっちの責任やし」
ミッチ「面接の時の言葉を鵜呑みにした、 うちが未熟やった・・・」
キョウコ「あれ?」
ミッチ「・・・あいつおるやん」
できる子「はい、生です!」
できる子「と、ジンソーダです」
できる子「ミッチさんじゃないっすか! お疲れっす」
ミッチ「あ、ありがと」
キョウコ「あんた、何してるん?」
できる子「オレ、こんな時代じゃないっすか?」
できる子「人と人をつなげる仕事がしたくて、 今、 ここでお世話になってます!」
できる子「うすっ」
ミッチ(面接でもゆーてたなぁ)
ミッチ(『人と人をつなげる仕事がしたくて、 広告で日本を元気に!』ゆーて)
ミッチ(『本気っす!』ゆーて)
できる子「こういう時代だからこそ、 飲食で日本を元気にしたいんす!」
できる子「本気っす!」
ミッチ(ホニャララで日本を元気にって言うやつ、 信用でけんな・・・)
できる子「オレのわがままで会社辞めて、 すんません、」
できる子「ミッチさんにココロよく送り出してもらえて・・・」
できる子「お陰で、 本当にやりたいこと、 見つけられたっす!」
ミッチ「まー・・・」
ミッチ「自分信じて頑張り〜」
キョウコ「髪、赤くなってた・・・」
ミッチ「大将、うちやめた新人、 あいつやで?」
  なんかね、
  コロナ明けたら
  自分探しの旅に出るんだって
  で、その資金を貯めたいんだって
ミッチ「あいつがゆーてることと、違うけど」
  若い子は応援しないとね
キョウコ「それは、いいことですよね!」
ミッチ「足元の自分も見つけられへんのに、」
ミッチ「外の世界で自分見つけられるわけないやん」
キョウコ「心の声が、口からこぼれてますよ〜」
  なんか、実感こもってますね・・・

〇展示スペース(展示物無し)
ミッチ「あたし、」
ミッチ「演者のお手伝いさんになるために、 この仕事選んだんじゃないんで!」

〇立ち飲み屋
ミッチ(あの時の先輩、 ごめんなさい!)
ミッチ「大将、 次は、「いつもの」お願い!」
キャシャーン「今年の新人、いいとこあったわ!」
ミッチ「キャシャーン! 真ん中入ってくんな! 帰れ!」
キョウコ「キャシャーンさん、 育成、うまいっすよね〜」
キャシャーン「そうか?」
キョウコ「離職率、低いじゃないですか」
キャシャーン「まー、 おれも若い時は何もできなかったからな」
キャシャーン「寄り添ってるだけなんだけどね!」
キョウコ「だ、そーです」
ミッチ「もー、キャシャーン帰って!」
  まだまだ修行中のミッチさんでした
  
  ──つづく

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