クロノアオルガン

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第ニ話 最悪なシヨウニン(脚本)

クロノアオルガン

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〇巨大な城門
ソディト「いやはや・・・! まさかこんなにすんなりとグラディルク城に着くなんてな!」
ソディト「これもひとえにエラトの魂跡の賜物だな?」
オルガ「確かに・・・妖魔とかに出会わずに城まで来れたけど・・・!」
オルガ「・・・くっ・・・! 早くこの首飾り、外したい・・・!!」
ソディト「で?どうする? このまま真正面から殴り込みに行くのか?」
オルガ「そうね! 真正面から文句言ってやるわ!!」

〇武骨な扉
  そう言うと、オルガは城門の前で声を張り上げた。
オルガ「頼も────!!!!!!」
ソディト「・・・義賊なのに、正面突破かよ・・・」
  すると──門は重厚な音と共に開き、二人を迎え入れる。

〇洋館の玄関ホール
  城の中に進むと──怪しげな螺旋階段が二人を出迎えた。
ソディト「・・・使用人とかいないのか?」
オルガ「・・・おかしいわね・・・? 人の気配がない・・・?」
  すると突然、螺旋階段が音を立てて揺れ始め・・・使用人らしき男達が二人出て来た。
ソディト「な、何かヤバそうな使用人だな・・・?」
オルガ「・・・そ、そうね・・・?」
使用人?2「・・・お待たせして、申し訳ありません。 ようこそ。グラディルク城へ」
使用人?1「お待ちしておりましたよ? オルガ様」
オルガ「えっ・・・!? どうして、私の名前を知ってるの!?」
使用人?1「・・・主人のクロノア様から仰せつかっております」
使用人?2「エラトの魂跡を付けた女性が訪ねてきたら・・・それはオルガ様・・・」
「そして・・・ 失礼のないように 丁重にオモテナシしてあげなさい──とねっ!!!!!!!!」
  突然の攻撃にオルガとソディトは後方へ飛び退く。
ソディト「アンタ──クロノアに何か恨みでも買ってるのか!?」
オルガ「──知らないわよっ!!!!!!」
オルガ「とりあえず! 逃げましょ!!」
  オルガは、懐から閃光弾を取り出し床に投げつける!

〇城壁
オルガ「・・・はぁ・・・はぁ・・・!! ここまで来れたら──大丈夫でしょ?」
ソディト「・・・追っては来てないみたいだな・・・?」
オルガ「ここからだと、クロノアの部屋に近そうね。 ちゃちゃっと会って、この首飾りを外して──」
オルガ「・・・ごめん。 なんかのスイッチ・・・踏んだみたい・・・」
  何処からともなく・・・大量の槍がソディトとオルガをめがけて降ってくる。
ソディト「熱烈な歓迎だな?」
オルガ「・・・嬉しくないオモテナシね・・・!」
  ソディトとオルガは、槍を剣で弾きながら・・・城の中に逃げ込んだ。

〇要塞の廊下
オルガ「はぁ・・・!はぁ・・・!!」
ソディト「大丈夫か!?」
オルガ「へへっ・・・! 平気よ!」
使用人?1「かくれんぼは、もう終わりですかな?」
使用人?2「オルガ様は、お元気ですね・・・」
ソディト「チッ・・・!! 見つかったか・・・」
使用人?2「どうして逃げるのです?」
使用人?1「何も、取って食おうとしてる訳じゃありません。 我々は、クロノア様のお部屋までご案内させて頂きたいだけ・・・」
オルガ「・・・じゃあ、なんで攻撃して来るのよ・・・?」
ソディト「説得力ないな・・・」
使用人?1「オルガ様・・・。 そう言えば・・・そちらの方は・・・お供の者ですかな?」
使用人?2「・・・男の従者を連れて来るとは・・・オルガ様もお人が悪い・・・」
使用人?2「クロノア様は、大変一途なお方・・・。 従者に嫉妬してしまうかもしれない・・・」
使用人?1「従者の方よ! ここから先は我々がオルガ様を案内しますぞ! クロノア様の心の安寧の為、オルガ様を引き渡されよ!」
ソディト「えーと・・・従者って俺の事だよな? ・・・つーか、オルガ・・・ アンタ、ここから先・・・一人でクロノアに会う勇気ある?」
オルガ「・・・えーと・・・ ちょっと不安かな・・・」
ソディト「・・・だよなぁ・・・。 俺もこのまま、アンタ一人残して帰るのも 不安だわ・・・」
ソディト「それに・・・俺はその首飾りがどうしても必要なんでね」
使用人?2「・・・素直に帰られたら良いものを・・・。 クロノア様の嫉妬心を煽るなど・・・! 万死に値します!!」
「くっ・・・!!」
使用人?2「さぁ! オルガ様!! 我々と共にクロノア様の元へ参りましょう!!」
  使用人がオルガの手を掴もうとした時──!!
  
  エラトの魂跡が強く光り、使用人に雷撃が落ちる。
使用人?2「ぐはっ!!」
  すると、その様子を見ていたもう一人の使用人がパチパチと手を叩く。
使用人?1「・・・素晴らしい!! 第一段階、クリアですね!」
オルガ「・・・第一段階?」
使用人?1「オルガ様!! この調子でどんどん覚醒していきましょう!!」
オルガ「か、覚醒!?」
  オルガが戸惑っていると──使用人達はその隙を逃さず、攻撃を仕掛けてくる。
ソディト「オルガ!!」
使用人?2「邪魔しないでいただきたい!!」
  しばしの間、攻防が続いたかと思うと・・・
  突然、城内に鐘の音が響く。
使用人?2「・・・おや、タイムリミット・・・ですね」
  少し残念そうに使用人の二人は、ぴたりと攻撃を止めた。
  そして、何処からともなく木の根が這い寄り・・・使用人二人を絡め取る。
「・・・遅いよ? ずいぶんと待たせてくれるね?」
「ク、クロノア様!!」
オルガ「・・・!!」
クロノア「やぁ・・・ベルスフィア・・・ いや、オルガ・・・。 ようこそ。 グラディルク城へ」
クロノア「・・・使用人が失礼を働いたみたいで・・・悪かったね」

次のエピソード:第三話 最悪なオモイ

コメント

  • 息をのむアクションシーンに見入ってしまいました。それにしても、罠や仕掛けが施されたお城って、すっごく嫌ですねw そこに住まう変態城主ではなくクロノア様の人物像がどんどん気になってきます!

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