先輩との確執(脚本)
〇オフィスのフロア
数日後。
森薫「おはようございます」
山本珠璃「おはよう」
氷川純也(山本先輩の動きは注視せねば!)
森薫は、自分の親戚が、まさか山本珠璃の家族を被害に巻き込んだとは、思わなかったという。
上司「山本君、このところ暗い感じがするが、何かあったのかい?」
山本珠璃「いつも通りですけど?」
上司「とにかく悩んだら誰かに相談しなさい」
森薫(先輩、まさか私の命を狙ってるんじゃ...?)
不安になる森薫だった。
〇オフィスの廊下
森薫(やっぱり私、山本先輩と相性は合わなかったのかなぁ?)
上司「何か、悩んでるのかい?私が相談に乗るよ」
森薫「お願いします」
上司「ちょうどこれから昼食を摂りに行くんだが、一緒に行くかい?費用はこっちが出すよ」
森薫「ありがとうございます」
上司が、森薫を昼食に誘い出した。
〇ファストフード店の席
上司「じゃ、相談を聞こうか」
森薫(よかったわ!)
森薫は、これまでのいきさつを話した。
上司「なるほど。君の親戚が、山本君の家族を傷つけていたと言うわけだね」
森薫「そうなんです。私を見ると、先輩はそっけない態度を取ったり、冷たくするんです」
上司「なるほど。私からもそう伝えるよ。山本君も、少しは察するはずだ」
森薫は、内心不安だったが、上司の言葉を信じた。
〇オフィスのフロア
昼食後。
上司「山本君、ちょっとお話があるんだけど、いいかな?」
山本珠璃「何でしょうか?」
上司は、珠璃を外へ連れ出した。
森薫「山本先輩、私を殺そうとしてるのかも....」
氷川純也「警察にも相談しといたほうがいいんじゃないかな」
森薫「もし山本先輩が私に詰め寄ってきたらどうしたらいいのでしょうか?」
氷川純也「警察なら相手は手を出せなくなるはずだ」
数分後。
山本珠璃(あの子のこと、殺すしかないわ!)
森薫「今は離れてた方がいいですわね」
氷川純也「僕が守るから、安心して」
〇交番の中
夕方、森薫は交番へと相談しに行った。
森薫「という訳なんです。もしかしたら、私の命を狙ってるんじゃないかと心配なんですよ」
氷川純也「頼むから、協力してくださいよ」
女性警察官「なるほど。私たちに、お任せください」
森薫「ありがとうございます」
この女性警察官、実は氷川先輩とは学生時代の先輩と後輩の関係に当たるのだ。
氷川純也「先輩、ありがとうございました」
女性警察官「氷川君、中学時代からの付き合いとはいえ、先輩なんて言わなくていいわよ」
氷川純也「いえいえ。僕と片山先輩は長い付き合いですから。同じ写真部だったし」
女性警察官「氷川君ってばもう!」
森薫「長い付き合いだったんですね」
氷川純也「まあね」
女性警察官「じゃあ、気を付けて家に帰ってくださいね」
「わかりました!」
純也と薫は、その場を去った。
〇一人部屋(車いす無し)
就寝前、彼女は両親の写真の前で、こう心の中で毒づいたという。
山本珠璃(いつか、両親の仇を取って見せるわ。それまで待っててほしいわ)
〇アパートの台所
森薫「明日も早いし、そろそろ寝なくっちゃ」
森薫「もしもし?」
〇おしゃれなキッチン
森薫の父親「薫、元気に過ごしてるかい?」
〇アパートの台所
森薫「お父さん!こっちは順調よ!」
〇おしゃれなキッチン
森薫の父親「そうかい。今日は僕非番だったからゆっくり電話できると思ってね。明日も早いから、早く寝ないとね。お休み!」
〇アパートの台所
森薫「おやすみなさい!」
森薫は、見守ってくれる家族や友人がいるからこそ、自分は助かっているのだと感じた。
相談出来る相手のお陰で何とか牽制出来ているようですが、先輩が殺意を向けてくるか油断ならないですね。