エピソード1(脚本)
〇戦場
ー今から数百年前ー
国と国との間で領地や食糧を巡って争いが起きていた
マーベルト「国王さま! 敵が近くまで来てます 早くここから脱出を」
フィレオ「ならん! この城は代々守ってきた大事な城じゃ 何があっても手放さん」
マーベルト「そんな、、 ここにいても危ないだけですよ!」
フィレオ「仕方あるまい‥ こうなったら怪人を作るぞ」
マーベルト「そんな、、 それはダメですよ!」
フィレオ「仕方ない、こんな状況だ 地下に収監されてる3人を連れてこい」
マーベルト「いや、でも‥」
フィレオ「早く連れてこい!」
マーベルト「連れてきました」
フィレオ「マーベルト やり方は知っているな ペンダントを持ってこい」
マーベルト「はい、分かりました」
フィレオ「では行くぞ」
「ハァァァー!」
こうして怪人は作られた
怪人達のおかげで城も守ることが出来たのだった
〇戦場
そして2年後
事件が起こる
怪人が作られたのはいいが
街の住民達は異質な生物の怪人達を嫌った
怪人は住民達からいじめられるようになり
ずっと我慢できていた
ペソ「あいつらの為に怪人になったっていうのに なんでこんな仕打ちなんだよ、」
ツヴァイ「人間ってのは自分のことしか 考えられないバカな生き物だよ」
アンモナ「国を守る為に呼ばれたのに その国の奴らから嫌われるなんて」
ゴン「うわ、怪人だ」
ペソ「っち あのガキまたやりやがったな ぶっ殺してやる」
ツヴァイ「おい、やめておけ」
ツヴァイ「これが知れ渡ったらやばい 早く逃げるぞ」
〇山の中
そして現在
ゼフ「人間の世界って面白そうだなぁ」
マクス「こら!ゼフ 人間の本ばかり読むんじゃない」
ゼフ「なぜ読んじゃいけないの?」
マクス「おじいちゃんに教わったでしょ」
ゼフ「人間が僕たちを作ったのに 捨てられたって話?」
マクス「そうだよ あいつらは自分の事しか考えれない 愚かな奴らなのさ」
ゼフ「でも僕たちも元々は 人間なんだよね?」
マクス「そうだけど 私たちはもう人間じゃないよ」
ゼフ「人間に戻れないの?」
マクス「分からない 昔は戻れるって信じられてたけど 戻ったなんか聞いたことないね」
マクス「分かったらウサギ狩りに行くよ」
〇森の中
アスカ「お母さんたちどこに行ったのかなぁ?」
アスカ「ん?」
アスカ「い、イノシシだ、」
イノシシは勢いよく
アスカの元へ向かってくる
ゼフ「ケガはない?」
アスカ「あ、はい」
ゼフ「良かった〜」
アスカ「助けてくれてありがとう!」
ゼフ「いいよ 僕たちの食材にもなるし」
アスカ「イノシシ食べるの?」
ゼフ「よく食べるよ 人間は食べないの?」
アスカ「食べるけど 私は好きじゃないかな」
ゼフ「美味しいのにもったいない」
ゼフ「ん?なんだこれ」
アスカ「あ、それ私のペンダントだ」
ゼフ「どこかで見覚えあるような・・・」
アスカ「このペンダントおばあちゃんから 10才の時にくれたの」
ゼフ「そうなんだ!」
アスカ「怪人さんはこの山で住んでるの?」
ゼフ「そうだよ この山に住んでる」
──この後も会話が続いていく──
〇森の中
アスカ「そろそろ親が心配するから 帰るね」
ゼフ「うん分かった また明日ねー」
アスカ「うん バイバーイ」
〇洞窟の深部
ゼフ「ねえねえ お母さん」
マクス「どうしたんだいゼフ」
ゼフ「今日人間と友達になったんだ」
マクス「何してるの!」
ゼフ「ごめん母さん」
マクス「ケガはない?」
ゼフ「ないよ」
ゼフ「けど人間って本当に悪いのかな? 悪いようには見えなかったけど」
マクス「悪いに決まってるじゃない 私達を捨てたのよ」
ゼフ「でも何年も前の話だよね? 今は違うかもしれないじゃん」
マクス「人間の本能っていうのは 昔も今も変わらないよ」
マクス「まぁでもケガがないなら良かった もう会うんじゃないよ」
ゼフ「・・・うん」
〇洞窟の深部
ゼフ「都市伝説の本であのペンダントを 見た気がするなぁ」
ゼフ「あ、ここに あのペンダントのこと書いてる」
ゼフ「ふんふん」
「このペンダントの持つ力は人間を怪人に変えることができ、その逆もまた然りー」
ゼフ「逆もまた然り」
ゼフ「ってことは 怪人から人間に戻れるってこと!?」
ゼフ「あ、このマークについても 書かれてる」
初代当主マエサルが自分を象徴するために
作られたマーク。
以後そのマークはサバカン村の象徴となった
ゼフ「サバカン村って 僕たちの祖先様が住んでいた所だよな」
ゼフ「このペンダントを アスカが持ってるって言う事は・・・」
ゼフ「アスカは僕たちを 作った人の一族ってこと?」
ゼフ「明日詳しく聞いてみよ」
〇森の中
ゼフ「この辺かな?」
アスカ「ごめん お待たせ〜」
ゼフ「アスカ聞いてよ」
ゼフ「昨日のペンダント 僕たちを人間に戻せる力があったんだ」
アスカ「このペンダントに そんな力あるの?」
ゼフ「うん そう図鑑に書いてた」
アスカ「おばあちゃんが大事にしてたから 何かあるとは思ってたけど」
アスカ「そんな力があったんだ・・・」
ゼフ「だからそれを使って 僕たちを人間に戻してよ!」
アスカ「いいよ!」
「・・・・・・」
アスカ「どうやってするの?」
ゼフ「いや、分からない」
ゼフ「おばあちゃんから何か聞いたことない?」
アスカ「んー 覚えてないなぁ」
アスカ「良かったら 今からおばあちゃん家来る?」
ゼフ「今から!? 行って大丈夫なの?」
アスカ「大丈夫だよ この近くにあるから」
ゼフ「あ、そっか 今おばあちゃん家に 泊まってるって言ってたね」
アスカ「そうそう」
〇古めかしい和室
アスカ「おばあちゃん ただいま〜」
ヒカル「今日は帰るのが早かったね」
アスカ「うん ちょっと紹介したい人が いるんだ」
ゼフ「こんにちわ ゼフっていいます」
ヒカル「こりゃたまげた」
ヒカル「怪人さんかい」
アスカ「やっぱり知ってるんだ」
ヒカル「そりゃそうじゃよ」
ヒカル「私たちの一族は 怪人さんのお陰で 今があるんだから」
アスカ「え?そうなの?」
ヒカル「ああ、そうじゃ」
ヒカル「昔はこの村は1つの国として 成り立っていた」
ヒカル「だが当時 国の存亡の危機に陥ってしまった」
ヒカル「そこでアスカに渡したペンダントで 怪人さん生み出したんじゃよ」
ゼフ「そこで おばあさんに聞きたいんです」
ヒカル「はてな?」
ゼフ「アスカの持ってる ペンダントで怪人にしたのは 分かったんですけど」
ゼフ「怪人から人間に 変われるって書いてたんですけど どうやって戻れるんですか??」
ヒカル「そうか その事を聞きに来たのか」
ヒカル「実はペンダントは 2つあってな」
ヒカル「2つ合わせた時にようやく 怪人から人間に戻れるんじゃ」
アスカ「え、このペンダントって 2つあるんだ」
ゼフ「じゃあもう一個の ペンダントはどこに?」
ヒカル「この山の中・・・」
ゼフ「じゃあ見つけやすいじゃん」
ヒカル「海の中、地面の中と はっきりした事が分かってないんじゃ」
アスカ「そ、そんなぁ」
ゼフ「じゃあペンダントは 探しようが無いって事?」
ヒカル「一つだけ手掛かりがある」
ヒカル「この山の頂上近くに 小さな小屋がある」
ヒカル「そやつがもう一つの ペンダントの場所を知ってるって噂じゃ」
ゼフ「じゃあその人を訪ねれば いいんですね」
ヒカル「ああ だがそやつは変わり者で」
アスカ「あ、いっちゃった」
ヒカル「忙しない子じゃの」
ヒカル「ダマンって言うんじゃけど ほぼ小屋にはいないんじゃ」
アスカ「それゼフに伝えなくちゃ 行けないじゃん」
ヒカル「そうなんじゃよ 良かったらアスカが伝えてくれんか?」
ヒカル「・・・・・・」
ヒカル「どちらも若いのぉ〜」
〇森の中の小屋
ゼフ「ここかな?」
ゼフ「ごめんくださーい」
アスカ「あ、やっと追いついた」
ゼフ「どうしたの??」
アスカ「どうしたの? じゃないわよ」
アスカ「ここで住んでる人は 大体出掛けてるらしいから 家にはあまりいないらしい」
「はーい」
ダマン「こんな所に客人が 珍しっ」
アスカ「あ、いた」
アスカ「あなたがダマンさん ですか?」
ダマン「いかにも俺が ダマンやけど誰なん?」
ゼフ「(めっちゃ方言じゃん)」
ゼフ「あのダマンさんに 1つ質問があって」
ダマン「その質問ってなんやねん」
ゼフ「紫色のペンダントの なんですけど」
ダマン「あー 奇跡のペンダントのこと?」
ダマン「ってか自分怪人やんっ めっちゃ久々に見たわ!」
ゼフ「奇跡のペンダントって 言う名前なんですね あ、どうも怪人のゼフです」
ダマン「怪人やのに名前も知らんのかいな」
ダマン「隕石の衝突で 奇跡的にできたから 奇跡のペンダントやねん」
アスカ「このペンダント 隕石の衝突で出来たんだ」
ダマン「そんな特殊なペンダントが 2つもあるって言うのも 奇跡たる所以やねん」
ゼフ「それです その話をしにきたんです」
ゼフ「怪人を人間に戻す為に 奇跡のペンダントが2ついるんですよね?」
ダマン「へー そこまでは知ってるんや」
ゼフ「1つはあるんですけど 残り1つがどこにあるか わからなくて」
ダマン「そんなん知らん」
ゼフ「え・・・」
ダマン「だが言い伝えだけは知ってんで」
ダマン「東から西に沈む日、国の海の底にある宝」
ダマン「って言う言葉やねん」
ゼフ「太陽って西から東だよな」
ダマン「分かったならもう帰れ 俺は忙しいんや」
ゼフ「ありがとうございます」
〇山中の休憩所
ゼフ「東から西に沈む日、国の海の底にある宝 か」
アスカ「この村は海なんてないのに どこにあるんだろ」
ゼフ「そうだよね 山しかないよね」
ゼフ「この東から西に沈む日っていうのも普通とは逆の太陽だし」
「ん!?」
ゼフ「この東から西にって言うのは 逆を表してるんじゃない?」
アスカ「私も思った ってことは海の底は」
ゼフ「山の頂上ってことかな」
アスカ「そうだよね ちょっと行ってみるしかないね」
〇けもの道
ゼフ「この辺りが頂上のはずなんだけど」
ペンダントが光出す
アスカ「ぺ、ペンダントが」
ゼフ「近くにあるから 反応してるんじゃないの?」
ペンダントから一筋の光が
出ている
アスカ「これに付いていってみよう」
光が止まる
アスカ「この辺りにあるって ことなのかな」
森の中なのに一筋の光が
ゼフの目に映る
ゼフ「ん? まぶし」
ゼフは木の上の方を見ている
ゼフ「あ、見つけた!」
アスカ「あ、ほんとだ!」
ゼフ「僕が取ってくるよ」
アスカ「気をつけてね」
〇古めかしい和室
アスカ「おばあちゃん ペンダント見つけてきたよ」
ヒカル「おお、早かったね」
ゼフ「この2つを どうすればいいんですか??」
ヒカル「ちょっと見せてくれんかの」
ヒカルおばあちゃんが
ペンダントを両手に握る
その両手に持ったペンダントを
勢いよく合わせる
アスカ「あ、ゼフの姿が 人間に変わった」
〇洞窟の深部
マクス「ゼフのやつ 帰ってくるの遅いね」
メティア「育ち盛りだから 好奇心旺盛なんだよ」
メティア「お、お前その姿」
マクス「あなたこそ人間になってるじゃない」
〇古めかしい和室
ゼフ「治ったの?」
アスカ「うん! ゼフってカッコ良かったんだね」
ゼフ「急になんだよ」
ヒカル「・・・」
ヒカル「若いのぉ」
怪人の話なのにほのぼの感とほっこり感がすごい。表情が見えないのにゼフがいい子なのが伝わってきました。ペンダントが合わさった時、アスカとヒカルおばあちゃんの方が怪人になっちゃうオチかと思ってハラハラしたけど、よかった〜。
広い心があったからこそ、怪人から人に戻れたんよね、、
色んな人がいるんやなぁって改めて思った
先入観なく付き合う若い2人の一生懸命な姿がとてもよかったです。みんな戻れてよかった…ですかね。まあ人間というの自分勝手なのでまた同じ事を繰り返すかもしれませんが…