高校教師・陽子

ヒロ

梶原俊との出会い(脚本)

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〇教室
佐藤陽子「明日からいよいよ期末テストですね。 皆、頑張ってくださいね」
「ハ────────イ」
  ハァ──面倒くせ──
  教室中にそんな空気が流れこむ。
佐藤陽子「梶原くんも頑張って下さいね」
梶原俊(かじわらしゅん)「ハ────────イ。 頑張りまっす」
  梶原俊くん。
  私のクラスで唯一中間テストの数学で赤点取った生徒。
  数学は私の担当教科。その数学でたった一人だけでも出来の悪い生徒がいるというのは責任を感じてしまう。
  試験が終了して、陽子が採点をした結果──
  やはり梶原のみが赤点。
  陽子が終業式の日に梶原を呼び出す。
佐藤陽子「梶原くん、なんで呼び出したか分かってるわね」
梶原俊(かじわらしゅん)「あ、ハイ。赤点のことですよね」
佐藤陽子「そんなに私の教え方が悪い?」
梶原俊(かじわらしゅん)「い、いや、そんなことないっすよ」
梶原俊(かじわらしゅん)「俺、夏休み、勉強頑張るから。先生、連絡先交換しようよ。そうしたら分かんないことあったらソッコー聞けるじゃん」
佐藤陽子「んー、生徒に個人的に連絡先教えちゃいけないことになってるのよ」
梶原俊(かじわらしゅん)「いーじゃん。二人だけの秘密ってことで」
佐藤陽子「ダーメ。その代わり、当番で学校に来なきゃならない日があるから、その日なら学校に来てもいいわよ」
佐藤陽子「最初は明後日よ。ずっと学校にいるから」
梶原俊(かじわらしゅん)「分かった。明後日来る」

〇散らかった職員室
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、おはよう」
佐藤陽子「梶原くん、おはよう」
  朝から特訓が始まり、終わった時はすっかり夜遅くになってしまった。
佐藤陽子「そろそろ終わろうか」
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、一緒に帰ろう」
佐藤陽子「まぁ、もう遅いからね。送って行くわ」

〇住宅街
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、今日はありがとうございました」
佐藤陽子「いいえ、梶原くんもお疲れ様。よく頑張ったわね」
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、今度はいつ学校に来るの?」
佐藤陽子「うーん、来週の月曜日だったかな」
梶原俊(かじわらしゅん)「えー、5日後?」
梶原俊(かじわらしゅん)「じゃあ質問出来ねーじゃん」
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、お願いがあるんだけど」
佐藤陽子「何?」
梶原俊(かじわらしゅん)「夏休みだけでいいからさ、ウチに来て家庭教師やってくれないかな?」
佐藤陽子「はあ?」
佐藤陽子「本気で言ってる?」
佐藤陽子「高いわよ、私」
梶原俊(かじわらしゅん)「いくら? ・・・・・・ってか、先生、今いくら貰ってんの?」
佐藤陽子「そんなこと聞くもんじゃありません!!」

〇屋敷の門
梶原 明(俊の父)「おい、俊か。そんな所で立ち話してないで、家に入りなさい」
梶原俊(かじわらしゅん)「あ、父さん。ただいま」
梶原 明(俊の父)「こちらは・・・・・・どなただ?」
梶原俊(かじわらしゅん)「あ、紹介するわ。俺の担任の佐藤先生」
佐藤陽子「佐藤です。 すみません、こんな夜分に」
梶原 明(俊の父)「いえいえ、ウチのバカ息子がご迷惑をおかけして、すみませんね」
梶原俊(かじわらしゅん)「でさあ、俺の家庭教師になってくれるんだって。いいでしょ?」
梶原 明(俊の父)「え、本当ですか?いやぁ、コイツ友達もいないし、助かります」
梶原 明(俊の父)「ほら俊、お前からもお礼を言いなさい」
梶原俊(かじわらしゅん)「うん。ありがとね、先生」
佐藤陽子「え、い、いや、私は、そのぉ・・・・・・」
梶原 明(俊の父)「勿論、謝礼は奮発しますよ」
  提示された金額は・・・・・・
  聞いて驚いた。
  明日から、家庭教師を務めることが急遽決定した。

次のエピソード:梶原俊との夏

コメント

  • こんにちは!
    梶原くんが赤点を取るのになにか理由があるのか、恋愛に発展するのか事件に発展するのか…続きがとてもきになります!

  • 彼は陽子に近づくため、わざと数学の成績が悪いように演技しているのか。なんだか純粋そうな男子のようで、何かミステリアスな部分もありますね。あとがき通り、今後の展開が気になります。

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