転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

第一話(脚本)

転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた

セーイチ

今すぐ読む

転生したら不倫して私を殺した元夫の娘になってた
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇モヤモヤ
  「私」が「私」を思い出したのは何時だっけ?
  そう、アレはランドセルを買って貰った日
  私は嬉しくて騒ぎすぎて、夜に熱を出した
  そしてベットの中で、熱にうなされながら見た
  それは「私」が「私」だった頃の記憶の一部

〇豪華なリビングダイニング
  私は夫を愛していた
  結婚して6年、子供はいないけど幸せだった
  だから夫の趣味である釣りに誘われた時も
  「興味がない」
  とはおくびにも出さず、喜んでついていった

〇湖畔
  大きな湖にボートを下ろし、良く釣れると言う穴場へと向かった
  しかし・・・

〇水中
  ボートは途中で転覆
  腰に巻いていたベルトタイプの救命胴衣は何故か作動せず
  カナヅチだった私の体は、徐々に沈んでいく
  薄い水の膜を隔て、夫の悲痛な叫びが聞こえた
  私は胃や肺に流れ込む水に恐怖を覚え、必死に藻掻く
  しかし私の体が浮上する事は無く、次第に意識が遠のいて行った

〇黒背景

〇おしゃれなキッチン(物無し)
八千流「おはよう、お母さん」
京華「おはよう、朝御飯出来てるよ」
  私は明石 八千流(あかし やちる)、小学二年生
  優しい父と母に育てられ、何不自由なく暮らしている
  しかし、私には前世の記憶がある・・・一部だけど
  前世の私は明石 瑠衣(あかし るい)、30歳の頃に溺死によりこの世を去った
  そして・・・

〇おしゃれなリビングダイニング
優「おはよう、八千流」
八千流「おはよう、お父さん」
  リビングから爽やかに声を掛けてきたのが、私の父であり前世の夫
  優(まさる)だ
  私は死んだ後、夫と再婚相手との間に出来た娘として転生した
  記憶を取り戻した時は複雑だった
  転生自体も驚いたが
  愛した夫が自分以外と結婚し、子供までいたのだから
  しかし、伴侶と死別した後にずっと独身で居ろと言うのも酷な話
  寂しくはあるが、残された夫に苦しんで欲しくはない
  何より、今の夫は娘として私を愛してくれている
  それだけで充分だった
京華「八千流、早く食べちゃわないと学校に遅れるよ」
八千流「大丈夫だって、お母さんは心配性だねぇ」
京華「心配性って・・・ホント、クチばっかり達者なんだから」
  私の今の母である京香(きょうか)も、私を大事にしてくれる
  八千流である今の私にとって、何一つ不満はなかった
八千流「じゃあ行ってきま~す」
京華「コラ!食パン持ってどうする気?」
八千流「登校中に食べる~」
京華「もう!お行儀悪いわよ!」
優「ははは」
京華「アナタも笑ってないで、少しは注意してよ!」
優「ご、ごめん」
  何時もの夫婦漫才を聞きながら、私は元気良く学校へ向かった

〇教室
美琴「八千流ちゃん、今日のテストどうだった?」
八千流「ん~何時も通りかな」
  この子は早乙女 美琴(さおとめ みこと)
  私の同級生だ
美琴「何時もと同じってことは、また100点なのかな?」
八千流「ケアレスミスがなければね」
美琴「けあれす?」
八千流「書き間違いとかなければ、ね」
美琴「やっぱり八千流ちゃんはスゴイね!」
八千流「ははは・・・」
  正直、私自身は勉強が得意と言う訳ではない
  しかし大人の知識が蘇った私にとって、小学生の勉強等は出来て当たり前の事だ
美琴「何時もどんな勉強してるの?」
八千流「え?えっとねぇ~」
  してませんとは言い辛い・・・
快斗「天才様のやり方を聞いても仕方ないだろ」
美琴「快斗くん」
八千流「私は別に天才じゃないって」
  この子は永山 快斗(ながやま かいと)
  彼も同級生であり、私達の幼馴染でもある
美琴「快斗くんだって、いつも90点以上でしょ」
美琴「すごいよ!」
快斗「そ、そんな事ないよ」
八千流「お~お~照れてますなぁ」
快斗「べ、別に照れてねぇし!」
  と言いつつ頬を染める快斗
  初々しいね
快斗「しかし、ホントに八千流はスゲェな」
快斗「今度こそ年間オールAはまちがいないだろ」
八千流「いや~それは無理だと思う」
快斗「・・・やっぱり水泳か」
美琴「八千流ちゃん、まだ水がダメなの?」
八千流「うん、お風呂で顔を付けられる様になったばっかり」
  私は物心ついた頃から水恐怖症だ
  今思えば当たり前
  前世の最後は溺死だったんだから
  それがトラウマになっているのか、お風呂はともかく今だに海やプールに入れない
  今時、大抵の事は恐怖症性障害として捉えて貰えるから、無理強いされなくて助かってるけど
八千流「時代だなぁ・・・」
美琴「ん?何が?」
八千流「な、何でもない」
快斗「まあ残念だけど仕方ないか」
美琴「そう言えば、今年はプールを作りなおしたんだよね」
八千流「改装ね」
美琴「そう、それ!ピッカピカになったんだって!」
八千流「そりゃ私だって、入れるモノなら入りたいけど・・・」
  ふと、階下のプールに目を移す
  確かに奇麗だ
  こんなプールで泳げたなら、さぞ気持ちが良い事だろう
美琴「八千流ちゃんも、いつか一緒に泳げるといいね!」
八千流「そうだね」

〇湖畔

〇教室
八千流「え?」
八千流「何?コレ?」

〇湖畔

〇教室
八千流「コレは・・・」
美琴「八千流ちゃん?」
快斗「オイ八千流、どうした?」
八千流「あ・・・あ・・・」
  その時、突然頭が割そうな程の激痛が走った
八千流「あ・・・ぐ・・・」
八千流「あぁあああああああ!」
美琴「八千流ちゃん!」
快斗「オイ!八千流!しっかりしろ!」
  私は突然の激痛にのたうち回った
  映像と共に、何か・・・何かが私の頭の中に流れ込んでくる
先生「明石さん!」
美琴「せんせい!八千流ちゃんが!」
先生「大丈夫!先生に任せて!」
先生「明石さん!大丈夫?」
八千流「あ・・・あぁ・・・」
  繰り返し襲い掛かる激痛
  しかし頭の中から映像が消えた途端、急速に痛みが引いていく
先生「待ってて、今保健室へ連れて・・・」
八千流「だ、大丈夫です」
先生「大丈夫って、あんなに痛がっていたのに」
八千流「本当に大丈夫です、もう痛みもなくなりました」
先生「でも・・・」
  嘘じゃない、痛みは殆どなくなっていた
  ただ頭の中が霞掛かっているかのように、意識が朦朧としている
先生「明石さん、この後の授業は受けられる?」
八千流「ちょっと、無理かも・・・」
先生「なら早退した方が良い、今お母さんに連絡するから」
八千流「母は仕事中なので・・・」
八千流「大丈夫です、家に帰るくらいなら」
先生「ダメよ、一人で帰らせる訳に行かない」
  先生に引き留められ、結局私は昼休みに先生の車で家まで送ってもらう事になった

〇飾りの多い玄関
先生「良い、ちゃんと休んで、何かあったらご両親か私に連絡してね」
八千流「はい、ありがとうございます」
八千流「ふぅ・・・」
八千流「何だったんだろう、アレは・・・」

〇豪華なリビングダイニング

〇飾りの多い玄関
八千流「!!」
八千流「ぐぅ・・・」
  まただ、またアノ激痛が襲ってきた
八千流「一体、何なの?」
八千流「この映像は・・・さっきと違う」
八千流「私だ」
八千流「前世の私が泣いている」
八千流「何で?」
八千流「!?」
八千流「ひょっとして・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
  家族のアルバム
八千流「私が生まれる、もっと前に・・・」
八千流「やっぱりあった・・・」
  結婚前の父と母がキスをしている
  私はその写真を見た事がある
  八千流ではなく、瑠衣の時に
  写真の背景には、「オリンピックまで後〇〇日」の看板
  そう、その時はまだ生きている
  瑠衣だった私が、まだ生きている頃だ
  私はこの写真を瑠衣の時に見た、そして・・・
  泣いたんだ・・・

〇湖畔
  !!
  そうだ・・・
  思い出した・・・
  私が最後に見た光景
  私が水中から見た夫の顔
  夫は・・・優は・・・
  笑っていた
  あの時の声も悲鳴じゃない
  笑い声だ

〇おしゃれなリビングダイニング
八千流「あぁあああああああ!!!」
  頭が割れる
  胃から何かが込み上げてくる

〇白いバスルーム
八千流「おぅぇええええ!!!」
  洗面台に駆け込み、胃の中の物を全て吐き出した
  吐き気が落ち着くと同時に、頭の中がスッキリしてくる
八千流「そうだ、そうだった・・・」
  私は夫に不倫されていた
  でも本人にはその事を追求できず・・・誘われた釣りに同行して・・・

〇水中

〇黒背景
  私は・・・私は・・・

〇湖畔
  落とされた・・・
  夫に・・・
  優に・・・

〇白いバスルーム
八千流「なぜ?何で?」
八千流「あっ・・・」
  そうだ・・・
  アレは私は死ぬ1年ほど前

〇豪華なリビングダイニング
優「そろそろ子供も欲しいけど」
優「万が一俺達に何かあっても子供が困らないように、より保障の厚いプランにしよう」
  そう言われて保険を見直してた

〇白いバスルーム
八千流「確か、家は借家じゃないって言ってたよね・・・ローンも無いって・・・」
八千流「昔の優に、一戸建てなんてローンも組まずに買えっこないよね」
  脳内のバラバラだったパーツが、一つに繋ぎ合わされていった
八千流「買ったんだ」
八千流「私の保険金で・・・」
八千流「お母さんと・・・不倫相手と暮らす為に」
八千流「は・・・はは・・・」
  私の中で何かが壊れた
八千流「は・・・はぁはははははははははははは!!」
八千流「ゲホッ!ゴホッ!」
  吐血する程に笑い続けた後、私は洗面所の床に崩れ落ちた
八千流「優・・・」
八千流「優ぅ・・・」
  嘘だよね・・・

〇モヤモヤ
  もし本当だったら・・・
  私、アナタの事・・・
  許さないから・・・
  絶対に・・・

次のエピソード:第二話

コメント

  • 転生先、辛いですね。今後、憎き夫をどう懲らしめるのか。とはいえ娘だから、下手したら不幸のどん底になってしまうかも。と考えたら、ハラハラします。

  • 不倫していた夫の名前が優。殴りたい…。ちっとも優しくないですね。
    あの子なら、罪に問われることは無いはずですが、復讐するのか、気になります。

  • コンテスト予選通過おめでとうございます!
    転生した先がまさかの旦那の子供!旦那も自分の子が元妻だなんて思わないですよね。旦那さんも自分の子供だから、疑いはあってもまさかそんなこと……となりそう。
    旦那の悪行をどうやって子供の姿で懲らしめるのか、続きが楽しみです!

コメントをもっと見る(6件)

成分キーワード

ページTOPへ