第5章第2節『俺と美少年 -害虫駆除-』(脚本)
〇生徒会室
帝院令「フンフンフンフン♪ フーンフフーン♪」
帝院令「生徒会の仕事はこれで完了。あとは・・・」
只野男志「レーヴァテイン、話がある」
帝院令「デュランダル様・・・何でしょうか」
只野男志「・・・沈黙の掟は、覚えているな」
帝院令「ええ」
帝院令「僕たち運命の戦士(ドゥーム・チャンピオンズ)と闇の勢力(ダークパワーズ)との戦いを一般人から秘匿するという絶対の掟です」
只野男志「そうだ。 そして沈黙の掟を守るには、極力一般人との接触を絶つのが望ましい」
帝院令「それは・・・そうですね」
只野男志「・・・聖翼」
帝院令「・・・っ!?」
只野男志「近付きすぎではないか?」
帝院令「デュ、デュランダル様! しかし彼は」
只野男志「終わりなき聖戦(インフィニティ・クルセイド)は苛烈だ」
只野男志「彼に危険が及ぶかもしれないとは、思わないのか」
帝院令「・・・おっしゃることは、わかります」
只野男志「ならばレーヴァテイン。 お前は彼に近づくべきではない」
只野男志「お前程度の力で、彼を守れると?」
帝院令「・・・た、確かに、僕にはデュランダル様ほどの力はありません。 しかし──」
只野男志「デュランダル命令である」
帝院令「デュランダル命令・・・!?」
只野男志「わきまえよ。レーヴァテイン」
帝院令「うぅう・・・か、畏まりました・・・」
只野男志(っしゃぁ! 害虫駆除完了! ぶっ潰してやったぜ!)
只野男志(これで、翼くんは俺のものだァッ!)
〇教室
只野男志「翼くん!」
聖翼「やぁ。待っていたよ。男志くん」
只野男志「その、翼くん。今日僕と・・・」
聖翼「僕と一緒に帰ろう」
只野男志「うん!」
聖翼「よかった。この街はまだ不案内でね」
只野男志「任せて。どこでも案内するよ」
聖翼「・・・そうだ。銭湯、知らないかい? 僕の部屋、お湯がまだ出ないんだ」
只野男志「銭湯・・・」
〇浴場
聖翼「男志くん。背中、流しおわったよ」
只野男志「ありがとう、翼くん」
聖翼「じゃあ、次はこっちを洗うね」
只野男志「え・・・そ、そんなところ、ダメだよ」
聖翼「さぁ、いくよ」
只野男志「・・・あっ。アッ、アーーッ!」
〇教室
只野男志「案内するよ! 一緒に行こう!」
聖翼「それは、楽しみだね」
龍場夢來「デュランダル殿! 一緒に帰りましょうぞ! がはははっ」
聖翼「・・・デュランダル?」
只野男志(バルムンクゥ! 一般人の前でそれ言うなって!)
只野男志「・・・や、やぁ“龍場夢來ちゃん”」
龍場夢來「がはは! これは失敬!」
龍場夢來「・・・もう。夢來、さがしたよぉ! 只野お兄ちゃん! いっしょにかーえろ!」
只野男志(無理やりだな!)
聖翼「おもしろい娘だね。 そうだ。僕らと一緒に行くかい? 銭湯に」
只野男志(ははは。無駄ッスよ。 そいつはバナナにしか反応しない生物ッスよ?)
龍場夢來「銭湯? ・・・行く!」
只野男志(バナナ以外に反応しただとッ)
聖翼「決まりだね」
只野男志「う・・・うん」
〇昔ながらの銭湯
只野男志「いいか“夢來ちゃん”。 君は女風呂だよ。いいね」
龍場夢來「えーっ。 夢來、只野お兄ちゃんと一緒がいいー。 男同士一緒がいい!」
聖翼「・・・男同士?」
只野男志(ぎゃわーーっ)
只野男志「そう! そうだね! 俺は翼くんと、男同士一緒に入るから、君は女風呂!」
只野男志(翼くんとのお風呂タイム、誰にも邪魔させはしない!)
龍場夢來「ちぇー。わかった。夢來、女風呂ね」
只野男志(でも、中身はおっさんなわけだが。 ちょっと倫理的に・・・ま、いっか)
〇浴場
湯船に浸かる2人。
只野男志(・・・疲れた)
聖翼「君も、気苦労が多いみたいだね」
只野男志「そう言ってくれるの、君だけだよ」
聖翼「なんだか、嬉しいな」
只野男志「え?」
聖翼「君の心の支えになれるのが、さ」
只野男志「うん・・・ありがとう」
聖翼「男志くん。 君は、逃げてもいいとおもうよ。 今の状況から。望まない境遇から」
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