初恋の幼馴染を攻略せよ!

めぐる

コミュ力=モテ?(脚本)

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〇汚い一人部屋
ケンジ「おーっす」
ユウト「おう、来たな」
ケンジ「ところでさ、ゲーム貸してもらう前に、質問なんだけど」
ユウト「なんだ?」
ケンジ「これ、俺が選ぶ行動で、パラメーターが振り分けらるじゃん。 学力とか、運動能力とか」
ユウト「そうだな」
ケンジ「でさ、この「コミュ力」ってなんなの? 今まで意識したことなかったけど、終わる頃にはいつもそれなりに上がってるんだよな」
ユウト「あぁ、このゲームは、選ぶ行動によってメインで上がるパラメーターと、サブで上がるパラメーターがあるだろ?」
ユウト「例えば「勉強」を選べば、メインで上がるのは「学力」、サブで上がるのは「知識」だな」
ケンジ「ふむふむ」
ユウト「「コミュ力」は、サブで上がる選択肢が多いから、それなりに育つな。 例えば読書・部活・バイトなんかはサブでコミュ力が上がる」
ユウト「学校行事やデートなどのイベントでも、上がりやすく設定されているな。 ちなみにメインで上げたいなら「友達と遊ぶ」だ」
ケンジ「なるほどな! 今まで色んなパラメーター上げたけど、ダメだったからさー。 今回はこれでいってみるわ!」
ユウト「おう、頑張れよー」

〇大きな木のある校舎
ケンジ「よーし、今回はコミュ力を上げる作戦でいくぞ! さて、さっそく「友達と遊ぶ」を選んでみるか」
  誘える友達がいません
ケンジ「えー!!」
ケンジ「なんだよこれ、ちゃんと友達作りから始めなきゃいけないのかよ。めんどくせー」
ケンジ(そして何を隠そう、現実の俺は、大学で友達と呼べる人もおらず、高校の友人のユウトと毎週末ゲームしてる陰キャだからな・・・)
ケンジ「はー・・・これは意外と手こずるかもしれない」

〇教室
ケンジ(とりあえず、あんまり陽キャでも陰キャでもなさそうな、普通の奴に声かけてみるか)
ケンジ「お、おう!えーっと、俺ケンジっていうんだけど」
男性2「・・・? あ、リョウスケですー」
男性1「俺はダイゴ」
ケンジ「ふ、二人ともどこ中?」
男性2「俺らは△△中出身。あとあの窓際にいる奴もー」
男性1「えーっと、ケンジくん?はどこ中?」
ケンジ「俺は◯×中出身なんだけど、このクラスには俺以外いないなー」

〇学生の一人部屋
ケンジ「はぁ〜〜〜疲れた! マジで陰キャには難易度高すぎるぜ、これ・・・」
ケンジ「とりあえずまー、バイトも接客業にして、なるべく人と関わるように頑張るかな〜」

〇カラオケボックス
  努力の甲斐もあり、気づけば俺はどこに行ってもムードメーカーとして、堂々と振る舞えるようになっていた
ケンジ「お、飲み物どうする? ついでに取ってくるよー」
男性1「あ、ウーロン茶で。サンキュ!」
  だんだんと、人を観察する余裕も出てきた。
  現実の俺には考えられないくらい、周りに人が集まってきた
ケンジ(くぅ〜〜〜っ! なんだ、友達がたくさんいるって楽しいなぁ!)

〇学生の一人部屋
  ステータスUP!
  
  コミュニケーション +5
  知識 +2
  おめでとうございます!
  
  「コミュ力」がSランクに達しました!
ケンジ「おぉーーっ!ついにSランクまでいったぞー!」
ケンジ「しかしまだ半年だし、このままのペースだとカンストしちまうよな」
ケンジ「ここからは、何か別のステータスも上げていくか。 コミュ力上げるとイベントも起きやすいみたいだし」
ケンジ「これがこのゲームの攻略法! そして、恋愛の攻略法でもあったわけだな!」

〇遊園地
ユリ「わぁ〜楽しかった!次は何乗る?」
ケンジ「おー!なんでもいいぜ!」
  ユリをデートに誘ったら、OKしてくれた。
  この日はユリのリクエストで、遊園地に来ていた・・・のだが
男性2「おーい!俺らあっちの乗ってくるわー」
ケンジ「じゃあ、自由行動にするか!」
  何故かグループデートになってしまった。
  俺は二人きりでデートしたかったんだけどな!!

〇一戸建て
ユリ「ありがとう、送ってくれて」
ケンジ「いいっていいって!近所なんだし、気にすんなよ!」
ケンジ「じゃーまた明日、学校でな!」
ユリ「うん、またねー♪」
ケンジ(ふー、危ねぇ。 今回は騙されなかったぞ!! 一発レッド、回避!)

〇大きな木のある校舎
  ──3月。
  ゲームはエンディングを迎えた
男性2「おーいケンジ、今日ガストでクラスのお疲れ会だぞー」
ケンジ「あー、わかってる! 用事あるから、それ済ませたら行くわ!」
A子「いたいた、ケンジくーん! これ、この前借りてた漫画返すねー」
ケンジ「お、おう!ごめんちょっと今急いでて!!」

〇体育館の裏
ケンジ(はー、俺から呼び出しておいて、遅れるとか最悪! もうユリ来てるかな?)
男性3「こんな所で珍しいね、誰かと待ち合わせ?」
ユリ「あ、まぁ・・・」
ケンジ(んっ!? あれは、クラスで一番モテてると噂の畠山?)
男性3「校舎裏に呼び出すなんて、ベタだなー。 その人、君に気があるんじゃないの?」
ユリ「あははっ、それはないと思うけどなぁ〜」
ケンジ(いやあるよ! ってか早く話終わらせろよ。出て行けなくなったじゃねーか!!)
男性3「・・・じゃ、俺もうかうかしてられないなー。 悪いけど、その人の先越させてもらうよ」
ユリ「・・・えっ!?」
ケンジ「うおぉぉぉ!待て待て待てーい!! なんでそんなことになっとんじゃー!!」
ユリ「ケンジ!どうしたの、遅かったじゃない」
男性3「えっ・・・ ケンジ、お前だったのかよ・・・」
ケンジ「俺は今日、ユリに告白しようと思ってここに呼び出したのに、なんでお前が!」
ユリ「えっ・・・えーーー!!!」
男性3「悪いな、俺も今日、彼女が一人になるタイミングをずっと見計らってたんだ」
ケンジ「ユリ、俺はずっとユリのことが好きだった! だから俺と、付き合ってくれ!!」
ユリ「あ、あの・・・ちょっといろいろありすぎて、今全然気持ちの整理ができなくて・・・」
男性3「・・・だってよ。 とりあえず今日はお開きにするか。彼女も困ってるだろ」
ケンジ「いや、でも!!」
男性3「──俺も、本気だから。 ゆっくりで良いから、納得のいく答えが出たら連絡してほしい」
ユリ「うん・・・わかった」
ケンジ「っあー!なんなんだアイツ、急に出てきて!」

〇学生の一人部屋
  ──数日後、ユリからお断りのLINEが来た。
  ユリは、畠山と付き合うことにしたそうだ
  GAME OVER

〇汚い一人部屋
ケンジ「あぁぁぁもう!なんだよチクショー!!」
ユウト「うおっ!いつにも増して怒ってんな!」
ケンジ「今回こそは絶対上手くいくと思ったのに、なんで最後の最後にクラス1のモテ男がかっさらっていくわけ!?」
ケンジ「このゲーム、絶対にクリアできない仕様になってるんじゃねーの!?」
ユウト「そりゃ運が悪かったなー。 でも、現実にも起こり得ることだぞ」
ケンジ「あー納得いかねー」
ユウト「現に高校生の時、お前が告白する前に、先輩が告白してユリちゃんと付き合ったんだろ?」
ケンジ「うっ・・・それは・・・」
ユウト「このゲームだって、エンディングは最後のチャンスなだけで、いつ告白したって良いんだぞ」
ケンジ「まーでもさ、後になればなるほど、自分のステータスも上がってるし、ユリの好感度も上がってるだろ?」
ユウト「そこは、タイミングってやつかな・・・ まぁ、俺にもよくわからん」
ケンジ「今回は手応えあっただけに、悔しいな・・・ おっと、これからバイトだから、またそのうち来るわ」
ユウト「またなー」

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