エピソード4(脚本)
〇女の子の一人部屋
先日家族と一緒に行った一泊二日の旅行。行き先は、福島県の会津若松。
ララ「楽しかったなぁ。会津若松」
アルバムに貼り付けたお城の写真は、ご存じ、会津若松城。鶴ヶ城とも言う。
アルバムと一緒に保管されていた1枚のパンフレットに目が止まったの。
ララ「コレって・・・確か・・・」
そのパンフレットは、飯盛山のパンフレットだった。ここは、ドラマでも沢山放送されご存知のかたもいらっしゃるかと思うけど、
白虎隊の墓地があるところなの。
ララ(切ないなぁ・・・)
たった一人だけ生き残った飯沼 貞吉は、後世に白虎隊の悲劇を伝えたらしいの。
パンフレットにある飯沼 貞吉と目があった瞬間!!
〇女の子の一人部屋
突如、強い光を浴びてあたしは、手で顔を覆って身を伏せた。
〇山並み
ララ「ここは・・・? なんでこんな姿になってるの?!」
ララ「で、ここはいつの時代なの? 江戸時代っぽいけど・・・」
ララ「あ、ヤバい!誰か来たわ。隠れなきゃ!!」
あたしは、とっさに身を潜めて話し声を聞いていた。
「援軍はまだか?」
「もうそこまで来ているはずだ!」
「それまでは、我々が殿を命がけでお守りせねば・・・」
「あぁ!そのために我々は毎日剣術の訓練をしてきたのだから」
ララ「あぁ、また戦の世に来てしまったんだわ・・・あぁ・・・お城は好きだけど、戦を見るのはしんどいなぁ」
「おい!見ろ! 城が燃えている!!」
「ホントだ!我らの城が・・・」
「もう敵は城まで落としてしまったのか・・・」
どこかで聞いたことあるセリフ。これってまさか・・・
ララ(白虎隊・・・ だとしたら、ここは飯盛山・・・)
まさかこんな辛すぎる場所にタイムトリップしてしまうなんて・・・
あたしは、ショックでかたまったまま様子を見ていた。
〇山並み
あ!確かにお城が燃えているように見えなくもないけど・・・
これは、城下町が燃えているだけで、お城はまだ無事なのよ!
って言いたいけど、タイムトリップした人間が史実を言って歴史を変えちゃうと二度と元に帰れなくなっちゃうから言えない
少年たちの泣き声が聞こえてきた。途方に暮れてしまったのだろうか。
「おい!泣くな! こうなったら、自分は自害してお役目を果たす!」
「そうだな。武士の子らしく潔く・・・」
「殿!お役に立てず申し訳ございません!」
一人の少年の言葉に皆従うように、皆、自害する準備を始めた。
あるものは、両親への手紙を、あるものは最期の句を、あるものは、同志と抱き合ったり、最期の時間を過ごしていた。
そして・・・
〇山並み
飯盛山は血の海となった
ララ「助けられなくてごめんなさい・・・」
あたしは、じっと身を潜めたまま流れる涙を止めることは出来なかった。
が
ララ「あ! 一人なら助けられるかも!」
そえ、飯沼 貞吉が瀕死状態でいるはず。
あたしは、勇気を出して、皆が自決した場所へと向かった。
〇山並み
夜になり怖かったけど、頑張って飯沼 貞吉を探した。
ララ「あ!彼だわ」
若干息をしているのが分かったので、あたしは近くの民家に助けを求めた。
でも、深夜だからか民家がよくわからなくて、彼を担ぐのも限界が来てしまい、あたしもそこでダウン。
気を失ってしまったの!
〇日本庭園
気がつくと、ある館にいるみたいだった。気を失ったところを味方が助けてくれたみたい。
ララ「ここは・・・もしかして、鶴ヶ城?」
あたりを見渡すと、どうやら籠城戦の鶴ヶ城にいるみたいだった。戦の最中だ。
八重さん「怪我はしていないみたいだから、戦力として動いて頂戴!」
ララ「は、はい」
あたしに指示した女性は恐らく八重さんだろう。手には鉄砲を持っていたから。
新島八重。幕末のジャンヌ・ダルク的存在の人物だ。
あたしたは、敵から打ち込まれた銃の弾を再加工して再利用するために、地面をくまなく探した。
弾を探しているとあちこちから声が聞こえた。
どうやら、西郷頼母の屋敷にいた彼の家族が集団自決したらしいと・・・
ララ「あぁ、会津若松の武家屋敷を観光したとき、西郷頼母の奥方や子女らが自決しているマネキンを見たっけ」
ホント、大半のおなごは敵に捕まって辱めを受けるくらいならと自決する時代。
その中で男勝りに一人で戦う八重さんは現代人から見てもカッコいいと思う。
抵抗し続けたが、結局新政府軍に城を明け渡すしかなかった。
そして、我々は、捕虜となってしまったの。
ところがあたしだけ例の光線を浴びてしまった。
これで、元の時代に戻れるわ!
会津若松城は私も好きなお城なので、登場してくれて嬉しいと思う反面、やはりあの時代のあのシーンですよね……、読んでいて色々と感情が揺さぶられました。
せつない~! 白虎隊って言葉だけは聞いて知っているけどなんとなくアンタッチャブルにされているじゃないですか。それか逆にヒーロー的に扱われるか。そうですよね~、普通の少年だもんね、彼ら。勉強になるな~♪
白虎隊切な〜い(TT)かわいそうですね(TT)
白虎隊という名前は知ってますが、うららさんの作品で、なんて悲しいんだ〜と胸に迫ってきました。「お城を見るのは好きだけど、戦を見るのはしんどい」もうこの言葉がしみじみとしていて実体験している気分です。でも今回の救いは新島八重さんに会えたことですね♪素敵っ!つい、綾瀬はるかさんの八重さんを思い出してしまう私ですw