白の都

アシア

城下町編 女学生の夏季休暇(脚本)

白の都

アシア

今すぐ読む

白の都
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ファンタジーの教室
先生「では、始めてください」

〇ファンタジーの教室
ダフィー「んー──っ!!」
キリエ「やっと一息つけるねぇ・・・」
キリエ「春学期と学期末考査も終了」
キリエ「明日から夏季休暇だねぇ、ダフィー」
ダフィー「んー・・・」
ダフィー「この数ヶ月長かったような、短かったような・・・」
キリエ「いやー、本当に」
キリエ「噂には聞いてたけど、まさかここまでとは・・・」
ダフィー「・・・入学試験の時もかなり勉強したつもりだったけど、それでもまだまだだったよ」
キリエ「ホントに・・・」
キリエ「・・・そういえばダフィー、タレイアでどうやって勉強してたの?」
キリエ「ごめんね、タレイアを悪く言うつもりは無いんだけど・・・」
キリエ「確かあの地方って」
ダフィー「あ、うん そうだね」
ダフィー「タレイアには基礎教育、読み書きや簡単な計算を教えるための初等学校しかないよ」
ダフィー「もっと高度な教育を受けるためには他の地域に行く必要があるし、この王立学園に入学するにはちょっと不利だね」
キリエ「ちょっとどころじゃないよ・・・」
キリエ「私なんて家庭教師をつけてやっとだったんだから・・・」
ダフィー「まぁ、私の場合はお母さんがその初等学校の先生だったんだ」
ダフィー「後は・・・」
キリエ「?」
ダフィー「・・・お母さんの知り合いの叔母様が凄い博識で、その人から色々と教わったかなぁ」
キリエ「へぇ」
キリエ「その人も教師?」
ダフィー「・・・いや、どうなんだろう?」
ダフィー「けど、本当に凄い人だよ」
ダフィー「私が学園に入学したい、って言うといっぱいの本を持ってきてくれて」
ダフィー「これを全部読んで理解できれば合格できるわよ、って」
キリエ「・・・す、凄いね」
キリエ「本なんて高級品をそんな簡単に・・・」
キリエ「よほどのお金持ちなの?」
ダフィー「・・・んー?」
ダフィー「いや、何をしてる人なのかは知らないんだよね」
ダフィー「いつもダフネにはまだ早いって言われて・・・」
ダフィー「元気にしてるかな、ナフタル叔母様」
ダフィー「毎年夏は家に来てくれるから、今年も会えるといいんだけど・・・」
キリエ「あぁ、明日帰るんだっけ?」
ダフィー「うん」
ダフィー「キリエは?」
ダフィー「実家はグレイスだよね?」
ダフィー「予定はあるの?」
キリエ「お父様に付いて回って商談の付き添いかなぁ」
ダフィー「大変そう・・・」
キリエ「そうでも無いよ」
キリエ「本当にただの旅行がてらの付き添い」
キリエ「と、まぁ、外国語の実戦かなぁ」
ダフィー「そっか」
キリエ「専門は外国語を目指してみようかなぁ、とね」
ダフィー「頑張ってね、キリエ」
キリエ「頑張るー・・・」

〇ボロい校舎
キリエ「あ、そうだ」
キリエ「実はダフィーに聞きたい事があったんだ」
ダフィー「何?」
キリエ「いや、今って女王様も夏季休暇に入ってるでしょ?」
キリエ「タレイアって女王様をどんな風にもてなしてるの?」
ダフィー「あー、なるほど」
キリエ「いや、その時期ってタレイア周辺に移動規制がかかるからグレイスの人は知らないんだよね」
キリエ「女王様は何をしていらっしゃるの?」
ダフィー「・・・」
キリエ「ダフィー?」
ダフィー「いや、・・・それが謎なんだよね」
キリエ「・・・え?」
ダフィー「女王様の意向で歓迎の催し等は無し」
ダフィー「そもそも別荘も他の資産家の別荘もあるから知らされず」
ダフィー「護衛も最低人数らしいから女王様が何処にいるのか、何してるのか、誰も知らないんだよ」
キリエ「え、そうなの?」
ダフィー「うん・・・」
ダフィー「大きな街じゃ無いし、護衛を連れて歩いてれば誰か気付くはずなんだけど・・・」
ダフィー「だからか皆いつも通り過ごしてるよ」
キリエ「え、でも知らない人間がいたら気付くんじゃ」
ダフィー「物資の運搬の馬車は来るし、地位の高い人に夏のタレイアは人気だからそもそも人が多くはなるんだよね」
ダフィー「その移動制限も庶民のみだから」
キリエ「えー、じゃあ謎のままなのかぁ」
ダフィー「私は少なくとも会ったことは無いね」
ダフィー「噂ではかなり森の深いところで静養してる、って話だけど」
ダフィー「だから、女王様よりは母さんとさっき話した叔母様に会う方が楽しみ」
キリエ「本当に好きなんだね」

〇暖炉のある小屋
ナフタル「くしゅん!!」
母「あら、風邪?」
ナフタル「いえ、体調は別に・・・」
母「もしかして誰か貴方の噂をしているのでは?」
ナフタル「そんな事なら私は毎日くしゃみばかりよ・・・」
ナフタル「けど、そうね」
ナフタル「もしかしてダフネかもね」
ナフタル「そろそろ夏季休暇でしょう?」
母「えぇ、そうですね」
ナフタル「ふふっ、久しぶりに会えるのが楽しみだわ」

〇寮の部屋(ポスター無し)

〇西洋の住宅街

〇山道

〇暖炉のある小屋
ダフィー「ただいま、お母さん!!」
母「お帰りなさい、ダフネ」
ナフタル「お邪魔してるわよ、ダフネ」
ダフィー「ナフタル叔母様!!」
ダフィー「お久しぶりです!!」
ダフィー「会えて良かった!!」
ダフィー「いつまで居るの?」
ナフタル「心配しなくてもあと数日は滞在するわよ~」
ナフタル「ふふっ、学園に入学したって聞いてたけど元気そうね」
ダフィー「もう本当に大変なんだよ!!」
ダフィー「授業についていくだけで精一杯!!」
ナフタル「ついていけているだけでも凄いわよ」
母「・・・ダフネ貴方ねぇ」
母「まずただいまは?」
母「それといくら何度も会っているからといってお客様にはきちんと礼儀を払いなさい」
ダフィー「・・・ごめんなさい」
母「まったく、もう・・・」
ナフタル「ふふっ」
母「どうしたの、ナフタル?」
ナフタル「いいえ、貴方がここまで礼儀作法に厳しくするのがやっぱりおかしくて」
ナフタル「以前はあんなにお転婆だったのに」
母「ちょっと、ナフタル!?」
ナフタル「安心なさい、ダフネ」
ナフタル「彼女は貴方に自分より私を優先されたことに拗ねてるだけだから」
母「ナフタル!!」
ダフィー「え、えと」
ダフィー「改めてただいま、お母さん」
母「・・・えぇ、お帰りなさい」
母「元気にしてた?」
母「ご飯は食べれてる?」
母「授業についていくので精一杯って言ってたけど、きちんと眠れてるの?」
母「あら、もしかして隈ができてるんじゃ・・・」
ダフィー「だ、大丈夫!!」
ダフィー「元気にしてるから!!」
母「本当に?」
ナフタル「ほらほら、ダフネが戸惑ってるわよ?」
ナフタル「貴方、意外に子煩悩なのねぇ・・・」
母「そんな事は・・・」
母「そもそもナフタル貴方だって・・・」
ナフタル「私はそこまで無いわよ」
ナフタル「娘は基本的に今は自由にやらせてるわ」
母「──嘘でしょう!? 貴方が!?」
ダフィー「え!? ナフタル叔母様子供いたの!?」
ナフタル「2人ともいい反応ねぇ」
ダフィー「え、だって今までそんな事言ってなかったよね!?」
ナフタル「言ってなかったわねぇ」
ナフタル「ちなみに娘は貴方の1つ下よ、ダフネ」
ナフタル「機会があれば、いずれ紹介するわね」
ダフィー「え、本当に!?」
母「ちょっ、ナフタル!?」
ナフタル「あら、もうこんな時間」
ナフタル「そろそろお暇するわね」
母「あぁ、貴方は本当にもう!!」
ダフィー「え、もう帰るの?」
ナフタル「まだ滞在するから会う機会はあるわよ」
ナフタル「ま、貴方に別の予定が出来ないのなら、だけれど」
ダフィー「え?」
ナフタル「ではまたね、2人とも」
ダフィー「・・・本当に行っちゃった」
母「はぁ、もう・・・」
母「以前は堅物みたいに真面目だったのに・・・」
ダフィー「え、本当に?」
母「本当に、よ」
母「・・・そして改めてお帰りなさい、ダフネ」
母「疲れたでしょう?」
母「ナフタルと飲んでたお茶が残ってるから、貴方も飲むかしら?」
母「その間にご飯を作るわ」
ダフィー「あ、ううん」
ダフィー「少し回りを散歩してくる」
ダフィー「久しぶりだしね」
母「・・・そう」
母「行ってらっしゃい」

〇西洋の街並み
ダフィー「久しぶりだなぁ」
ダフィー「皆元気にしてるかな」
ダフィー「まずは──」
ケル「あのー、すみません」
ダフィー「はい、なんで」
ケル「お時間があるなら是非タレイアの道案内をお願いしたいんですけど~」
ダフィー「ケル!?」
ケル「久しぶり、と言っても数日ぶりか」
ケル「ダフィーのテスト前以来かな」
ケル「元気そうで良かったよ、ダフィー」

次のエピソード:城下町編 女生徒の夏季休暇2

成分キーワード

ページTOPへ