貴族の憂鬱

神社巡り

エピソード1(脚本)

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〇駅のホーム
キャサリン「今日も遅くまで掛かったわ・・・」
キャサリン「帰りはいつも終電になるのね・・・」
  私の探し物はいつまでも見つからない・・・
  ありふれた日常の中で私の心の中はいつも1ピースの何かが欠けていた・・・
真島「お嬢ちゃん・・・おかしな格好をしているね・・・?キャバ嬢かい・・・」
キャサリン「貴方は何ですの?私になんの用がありますの?」
真島「仕事が終わったんならおじさんに付き合ってくれよ・・・へへへへ・・・」
キャサリン「私は探し物をして遅くなっただけですわ・・・仕事なんてしてませんのよ・・・」
真島「とにかくおじさんに付き合っていい事してくれよ・・・へへへ・・・」
キャサリン「仕方がありませんわね・・・」
真島「ぐあっ!!」
キャサリン「電車が来ましたわ・・・」

〇電車の中
キャサリン「あのおじさんは何ですの?イライラしますわ・・・」
真一「お前ら全員!道連れだぁー!!」
キャサリン「今日はいったいなんですの・・・?」
真一「おい!おかしな格好しやがって!お前から餌食にしてやる!」
真一「ぐはぁっ!!」
キャサリン「まったく・・・イライラしまくりの日ですわ・・・」
真一「うぅっ・・・ゆ、許して下さい・・・」
キャサリン「駄目ですわ!!駅員に引き渡しますわ!!」
真一「そんなぁ・・・出来心なんです・・・」
真一「会社ではうまくいかず・・・世間は誰も相手にしてくれない・・・自暴自棄になってしまって・・・」
キャサリン「だからと言って、こんな事をして良いはずありませんよね?」
キャサリン「だいたい、自分が上手くいかないから周りも巻き込もうなどと甘えでしかありませんよね?」
真一「うっ・・・でも、それは誰も僕をわかってくれないからで・・・」
キャサリン「何もせずに、自分をわかってくれと言って誰がわかります?」
キャサリン「あなたは道端にたむろする見すぼらしいオジサン達が心の中で認めてくれと呟いてたとして心情がわかりますか?」
真一「僕はそんなオジサンとは違って頑張っている!」
キャサリン「オジサン達に同じ問いかけをしても、きっと自分は他の奴とは違って頑張っているというでしょうね?」
キャサリン「良いですか!?生きることに頑張っていない人などいませんよ!」
キャサリン「人が人を認めるのは、その頑張りが実を結んだ時か、その頑張りを諦めずに最後まで貫き通した時・・・」
キャサリン「あなたはそこまでの努力をして頑張っていると胸を張って言えますの?」
真一「うっ・・・」
キャサリン「罪を償って出直しなさい・・・次は胸を張って頑張っていると言いなさい!!」
真一「ううっ・・・わかりました・・・」

〇後宮の回廊
キャサリン「ただいま戻りましたわ・・・」
上島「お嬢様・・・お帰りなさいませ・・・」
キャサリン「今日はイライラして疲れましたわ~」
上島「今日も遅くまでご苦労様でした・・・」
キャサリン「留守中に何か変わりはありませんでしたか?」
上島「ゼネラル卿がお見えになりましたが、お嬢様の留守中にお帰りになられました・・・」
キャサリン「まあ!ゼネラル卿が・・・お父様に何かお話があったのですか?」
上島「詳しい事は私にもわかりません・・・旦那様がお嬢様のお帰りを待っておられますので聞いてみては如何ですか?」
キャサリン「お父様、まだ起きていらっしゃるの?」
上島「はい、お嬢様をお待ちです・・・」
キャサリン「では、お父様のところにお伺いいたしますわ・・・」

〇皇后の御殿
キャサリン「お父様、キャサリンです・・・お待ちになっていると聞きお伺いいたしました・・・」
キャサリンの父「キャサリンか・・・待っておったぞ・・・」
キャサリン「私の留守中にゼネラル卿が見えられたとお伺いいたしましたが・・・」
キャサリンの父「おお・・・話はその事でなぁ・・・」
キャサリン「何でありますの?」
キャサリンの父「ゼネラル卿がそなたの力を借りたいと申しておる・・・」
キャサリン「私の力ですか・・・?しかしあそこには軍勢2万の兵力が・・・」
キャサリンの父「その力では無いのじゃよ・・・ゼネラル卿は一度、街を見たいと申しておってな・・・その案内をそなたに頼みたいらしい・・・」
キャサリンの父「そなたは街にも詳しく案内には持ってこいであろう・・・」
キャサリン「はい・・・庭の様なものですからね・・・」
キャサリンの父「どうじゃろう・・・?」
キャサリン「わかりましたわ・・・明日、ゼネラル卿の所にお伺いいたします・・・」

〇闇の要塞

〇謁見の間
キャサリン「お久しぶりにございます・・・ゼネラル卿・・・」
キャサリン「父から話を伺い参上いたしました・・・」
ゼネラル卿「おお、よくぞ参られた・・・キャサリン殿・・・」
ゼネラル卿「お父上から話を伺ってはいるだろうが、街を案内して貰いたいのじゃ・・・」
キャサリン「はい、話は伺っております・・・いつでもご案内いたします・・・」
ゼネラル卿「それで娘も一緒に行きたいと申しておるのだが大丈夫だろうか?」
キャサリン「構いません・・・お二人をご案内いたします・・・」
ロゼッタ「キャサリン、久しぶり~」
キャサリン「お久しぶりですわ・・・」
キャサリン「それではお二人とも準備ができ次第、お連れいたしますわ・・・」

〇渋谷駅前
キャサリン「ここが渋谷ですわ・・・若者たちで溢れていていつも活気がありますわ・・・」
ゼネラル卿「おお、すごい人じゃのぉ~」
ロゼッタ「このままだと迷子になってしまいそうだのぉ~」
キャサリン「私から離れずについて来て下さいね!」
ロゼッタ「わ、わかった・・・」
「テロだー!!」
真島「おい!お前ら全員道ずれにしてやるー!!」
キャサリン「また、あいつですわ・・・どうしてくれようかしら・・・」
ロゼッタ「せっかくの観光に邪魔が入ったぞ!! 跡形もなく木っ端微塵にしてやろうか・・・?」
キャサリン「待って!!ロゼッタの力では周りも巻き添えを食らうわ・・・ここは私が・・・」
キャサリン「お辞めなさい!! 公共の場を何だと思っているの!?」
真島「な、なんだぁ・・・また、お前か!?」
真島「近寄るな!俺は爆弾を持っているんだぞ!! 今度はワンパンなんかでやられたりしねえぞー!!」
キャサリン「それがどうしたというのです? 私は爆弾なんかで怯みはしませんのよ・・・」
真島「どいつもこいつも馬鹿にしやがって!! 俺はこの世の中に嫌気がさしてるんだよ!!」
真島「弱い人間をいつも見下しやがってよぉー!!」
真島「美味しい思いをするのはいつも力のある人間ばかりじゃねえか・・・」
キャサリン「はぁ~まったく・・・何故そんなに悲観的なのでしょうか?」
キャサリン「弱者が苦しむ・・・そんな世の中なら何故根本的な原因を変えていこうと思わないのです!」
キャサリン「他人を巻き添えにして自分も終わりにしようなんて・・・巻き添えにする人たちへの甘えでしかありませんよね!?」
キャサリン「はっきり言って今この場では巻き添えにされる人は弱者で美味しい思いをする人間はあなたです!!」
キャサリン「弱い人間を見下してるのはあなたではありませんか!?」
真島「う、うるせー!! 俺は世の中に復讐してやるんだぁ!!」
キャサリン「だからぁ・・・世の中に復讐って具体的になあに・・・?ここで巻き添えを食らう人方が世の中の代表だとでも・・・」
真島「ここで話題を集めれば俺の話だって注目される・・・俺がどんな生い立ちを送って来たのか注目される・・・」
真島「そうすれば世の中だって少しは変わってくれる筈だ・・・犠牲になる人間には悪いとは思うが仕方無い事だ・・・」
キャサリン「あのぉ・・・要するに世の中の根本的な悪い部分は自分には変える事が出来ないから・・・」
キャサリン「ここにいる人たちに犠牲になって貰って話題を作り・・・あわよくば世の中の流れが悪い部分を風潮してくれたら儲けものと・・・」
キャサリン「そういう話ね!?」
真島「何だとぉ~」
キャサリン「あなたには少しも哀れみは感じませんわ!! お眠りなさい・・・」
キャサリン「あなたの言っていた仕方のない事なんて一つもありませんわ!!」
キャサリン「あなたが巻き添えにしようとしていた人たちは理不尽な世の中を少しでも変えようと日々努力している人たちです・・・」
キャサリン「希望を語って起きながら、その芽を自ら摘もうなんて愚かな話ですわ・・・」
ロゼッタ「方は付いたようね・・・」
ゼネラル卿「見事だったぞ!さすがキャサリンじゃ・・・」
キャサリン「お辞めになって下さい・・・照れますわ・・・」
ロゼッタ「次の観光に向かいましょう・・・父上・・・」
キャサリン「ご案内いたしますわ・・・」

〇後宮の回廊
キャサリン「帰りましたわ~」
上島「お帰りなさいませ・・・お嬢様・・・お疲れのようですね・・・?」
キャサリン「今日も疲れましたわ・・・色々あって大変でしたわ・・・」
上島「ゼネラル卿の案内は上手くいきましたか?」
キャサリン「喜んで頂いて満足して貰ったのだけど、街には色々な問題がありますからね・・・」
上島「今日も旦那様がお待ちになっておられますよ・・・」
キャサリン「今日のお話ね・・・わかりました・・・すぐに伺うわ・・・」

〇皇后の御殿
キャサリン「お父様・・・ただいま戻りました・・・」
キャサリンの父「おお、今日はご苦労だったのう・・・」
キャサリン「とんでもございませんわ・・・私の探し物の手がかりも掴めそうなのですよ・・・」
キャサリンの父「まだ、探し物をしていたのか・・・?」
キャサリン「ええ・・・私には大切な事ですのよ・・・」
キャサリンの父「それで見つかりそうなのか?お母さんへの手がかりは・・・」
キャサリン「まだまだ、前途多難ですが希望は見えていますのよ・・・」
キャサリン「私としては諦めない事・・・それが懸け橋になると信じています・・・」
キャサリンの父「大人になったなぁ・・・こんな姿をお母さんにも早く見せてあげたいよ・・・」
  私の探し物はいつまでも見つからない・・・
  しかし、希望がある限り諦めたりはしない・・・
  心の中はいつも1ピースの何かが欠けていいるが・・・希望だけはいつも満ちている・・・
  END

コメント

  • ラストシーンで、キャサリン の探し物が思いのほか大きな探し物だったことに驚きました。苦労知らずのお嬢様だと思っていたのに人知れず苦労があったんだ。そうと分かれば、FBIのネゴシエーターも真っ青な犯人へのお説教も俄然説得力が増しますね。

  • キャサリンの生き方、考え方にすごく感銘を受けました。
    確かに生きる上で努力していない人なんていないですよね。
    自分に足りないものを指摘されたようで、学ばせて頂きました!

  • キャサリンの言葉一つ一つに説得力があり、納得してししまいました。諦めずに、希望を持つことこそが道を切り開くただ一つの道。探し物きっと見つかりますように

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