エピソード9 会合(脚本)
〇地下室
ヒュメリ女王「ふむ・・・」
ヒュメリ女王「では、行くとしようかのう」
〇上官の部屋
熊井総理大臣「・・・」
後藤防衛大臣「総理・・・」
後藤防衛大臣「ヒュメリ女王いらっしゃいました」
熊井総理大臣「お通ししろ」
ヒュメリ女王「熊井・・・」
熊井総理大臣「女王・・・」
ヒュメリ女王「久しぶりじゃのう!! 元気にしとったか!!」
熊井総理大臣「久しぶりって女王!! たった2週間ぶりですよ」
ヒュメリ女王「そうじゃったか!! ワッハッハ!! 今日が楽しみだったからかもしれんのう」
熊井総理大臣「それはおもてなしの腕が鳴りますねぇ」
熊井総理大臣「幹部の皆様も本日は楽しんでくださいね」
幹部 ザブラ「・・・」
幹部 ジャド「ふん・・・せいぜい女王に失礼のないようにな」
幹部 ラミィ「よろしく・・・」
ヒュメリ女王「愛想のないやつらですまんのう熊井」
熊井総理大臣「いえいえ、とんでもないです!!お気になさらず」
熊井総理大臣「では、予定通り今日は・・・」
ヒュメリ女王「おう!!渋谷見学じゃ!!」
ヒュメリ女王「ラミィ!!」
幹部 ラミィ「はっ」
ヒュメリ女王「よろしく頼むぞ」
幹部 ラミィ「『メタモルフォーゼ!!』」
女王 擬態「うむ」
熊井総理大臣「いやはや、ラミィさんの能力はいつ見てもすごいですなぁ」
熊井総理大臣「人間にしか見えませんよ」
女王 擬態「この姿だと戦闘力が落ちるのがたまに傷じゃな」
熊井総理大臣「いやいや、それでも充分地上最強ですよ」
熊井総理大臣「さて、それでは早速まいりますかな」
〇渋谷駅前
女王 擬態「すごい数の人じゃのう」
熊井総理大臣「ここは渋谷スクランブル交差点と言いましてな」
熊井総理大臣「一度の信号で1000人以上の人が行き交うんですよ」
女王 擬態「ほぅ・・・すごいのう・・・」
女王 擬態「あのでかい絵はなんじゃ!?」
熊井総理大臣「あれはQ‘S EYEといってランドマークの広告媒体ですな」
熊井総理大臣「今流れているのはタッチノベルとかいう媒体の広告のようですね」
女王 擬態「ふむ・・・『パラレル・スクランブル』とな・・・」
女王 擬態「面白そうじゃのう!!」
熊井総理大臣「はっはっは、さすが女王!! 貪欲ですなぁ!!」
女王 擬態「お主には言われたくないぞ」
「ワッハッハ」
〇結婚式場のレストラン
女王 擬態「いやいや、今日は楽しかったぞ!!」
熊井総理大臣「喜んでいただけて何よりです」
熊井総理大臣「では、食事にしましょう」
女王 擬態「うむ、ではいただこうかのう」
女王 擬態「熊井・・・」
女王 擬態「お主も懲りん男だなぁ」
熊井総理大臣「あ、やっぱりバレましたか・・・!?」
女王 擬態「当たり前じゃ!!」
女王 擬態「これは人間の肉ではないじゃろ!!」
女王 擬態「まったく・・・ワシの舌をなめるでない!!」
熊井総理大臣「うーん、今回はシェフも自信のある再現度だったのですが、敵いませんなぁ」
女王 擬態「全く・・・相手がお主でなければ、瞬殺するところじゃ」
女王 擬態「そもそもワシらが人肉を求めるのは、味がどうというより、なんじゃろうな・・・体が求めてくるんじゃよ」
女王 擬態「お主らでいう酒やタバコのようなものじゃな」
熊井総理大臣「ははは・・・恐ろしいことを仰る」
熊井総理大臣「ちゃんと人肉も用意しております」
熊井総理大臣「お持ちしろ」
女王 擬態「なかなか気がきくではないか!!」
女王 擬態「だが、少し火の入れ具合が甘いのう」
女王 擬態「どれ」
女王 擬態「うむ、こっちの方が美味いぞ!!」
熊井総理大臣「なんと鮮やかな能力だ!!素晴らしい!! 『バーンザダスト』、便利ですなぁ」
女王 擬態「本気を出せば、お主も含め、ここら一帯を焦土に出来るからのう」
女王 擬態「ワシに感謝するんじゃぞ」
熊井総理大臣「いやはや、敵いませんな」
熊井総理大臣「ところで、食事が終われば別室で例の件お話ししませんか!?」
女王 擬態「おお、そうだな!!」
〇城の会議室
熊井総理大臣「さて、この前お話のあった例の件・・・」
ヒュメリ女王「ふむ、無期異世界転生者人数増の件じゃな」
熊井総理大臣「何とか達成の見込みで調整をしております」
熊井総理大臣「1週間で20人、何とか世論も作っております。いけるかと・・・」
ヒュメリ女王「あーーー、その件なんじゃが・・・」
ヒュメリ女王「やっぱり100で再調整してくれ」
熊井総理大臣「ひ、100ですか!?」
ヒュメリ女王「そうじゃ」
ヒュメリ女王「最近うちの連中もより転生者食いが活発でのぅ」
ヒュメリ女王「それくらいはやっぱり欲しいのじゃあ」
熊井総理大臣「し、しかし・・・ 20でも検事総長含め多大なる調整を・・・」
ヒュメリ女王「断るのであれば──」
ヒュメリ女王「例の約束の件は”なし”じゃな」
熊井総理大臣「・・・」
熊井総理大臣「他ならぬ女王の頼みですからな」
熊井総理大臣「全力を尽くしましょう」
ヒュメリ女王「はっはっは、さすがは熊井。話がわかるのう」
熊井総理大臣「ただ、ちょっと準備が必要なので、2週間後の会合の際に正式回答します」
ヒュメリ女王「うむ、わかった」
ヒュメリ女王「だが、達成出来なければ・・・分かっているな・・・」
熊井総理大臣「ははは、恐ろしい!私が約束を破ったことがありますか!?」
ヒュメリ女王「よく言うわ!!飯時にはワシをよく騙すくせにのう!!」
熊井総理大臣「違いないですねぇ」
〇地下室
後藤防衛大臣「総理・・・女王はなんと?」
熊井総理大臣「100・・・だそうだ」
後藤防衛大臣「100!?」
後藤防衛大臣「そんな・・・」
熊井総理大臣「後藤・・・例の施設の完成を急げ」
後藤防衛大臣「わかりました・・・何とか間に合うかと」
熊井総理大臣「・・・」
熊井総理大臣「調子に乗るなよ」
〇美しい草原
幹部 ジャド「あいつら、約束守りますかね?」
ヒュメリ女王「うむ、まぁ例の件もある。まず、守るじゃろう」
ヒュメリ女王「それに、出来ないなら出来ないでその時は・・・」
ヒュメリ女王「大暴れするだけじゃしのう」
幹部 ジャド「フフ、恐ろしいお人だ」
幹部 ラミィ「女王・・・お戯れもほどほどに」
ヒュメリ女王「何を言うか、こんなに面白いことはなかなか味わえん」
ヒュメリ女王「まったく・・・ゲートさまさまじゃよ」
幹部 ラミィ「・・・」
ヒュメリ女王「では、ワシは一足早く居城に帰るぞ。全くこっちのゲートの出口も城にあれば楽なのじゃが」
幹部 ジャド「ラミィどうした!?お前が女王に意見なんて珍しいなぁ」
幹部 ラミィ「あんまり人間達をなめると痛い目みるよ・・・」
幹部 ジャド「お前もそんな冗談が言えたんだな」
幹部 ラミィ「・・・」
幹部 ジャド「能力持ちの人間ですら、我々の足元にも及ばんのだ」
幹部 ジャド「万にひとつもない」
幹部 ジャド「そうだろ?ザブラ?」
幹部 ザブラ「・・・」
幹部 ジャド「前から無口なやつだったが、ここ数年ほとんど話さないなお前は」
幹部 ラミィ「・・・」
幹部 ラミィ「まぁ・・・そうかもね」
幹部 ジャド「さて、私は城の守護に戻る」
幹部 ラミィ「いよいよ、決戦ね・・・」
幹部 ザブラ「・・・」
女王に対して総理も何か動いているみたいですね…
食事に人肉とは…そこまでして総理は何がしたいのでしょうか?
うーむ🤔気になる….
最初、ちょっと可愛いかも?と思えていた女王が、食事の辺りから「こわっ!」っと。
なにやら雲行きが怪しいもよう。続きが気になります!
総理と女王は決して100%の信頼関係ではなさそう…
そこに貞治たちのつけ入る隙があるかも?
女王と同じく貞治たちの敵だと思っていた総理も必死で抵抗していたのかもと思うと複雑な気分です🤔
幹部も一枚岩ではなさそうだし、様子が変…まさか!?