何かの運命

どんぐり

先輩との再会(脚本)

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〇オフィスのフロア
上司「今日からここに配属になった、森君だ」
森薫「よろしくお願いします」
  私の名前は、森薫。今日からこのバス会社で働くことになった。きっかけは、父の仕事柄を見て育ったからだろうか。
森薫「えっと、私はどこに座ればいいのでしょうか?」
上司「あの奥だよ」
  そこには、ある人がいた。
山本珠璃「あれ?あなたどこかで....?」
森薫「先輩!私は学生時代一緒の部活にいた森ですよ!」
山本珠璃「ああ、あなたね。違う大学に行ったけど、まさかここで再会しちゃうなんてこれも運命だわ」
上司「不思議なもんだねぇ。ま、山本君、ちゃんとフォローしてやっておくれよ」
山本珠璃「わかりました」
  山本先輩は、学生時代同じ高校で、部活も一緒だった。

〇大きな木のある校舎
  回想。
森薫「そういえば、先輩って高校卒業後は何をする予定なんでしょうか?」
山本珠璃「普通の大学に行く予定よ」
森薫「私は、まだ決めてないですが、父がバスの運転手なので、バス会社での勤務をしてみたいなと思いますね」
山本珠璃「高卒後の就職を検討してるわけね」
森薫「違います!高校を卒業して大学を出たらの話です!」

〇大衆食堂
  昼休みになった。外に出た私と先輩。
森薫「先輩って、大学時代は何をしてたんですか?」
山本珠璃「普通の学生よ」
  この時私は、思ってもみなかった。まさか先輩にあんな秘密があったなんて....

〇ラーメン屋
  しばらくして、私と先輩はラーメン屋へとやってきた。
山本珠璃「ここで昼食にするけど、どうする?」
森薫「もちろん、行きます!」

〇ラーメン屋のカウンター
店員「いらっしゃいませ!」
森薫「すみません、私はラーメンと餃子のセットをお願いします」
山本珠璃「私は、中華丼のセットをお願いします」
  やがて、料理が運ばれてきた。
森薫「そういえば先輩はここを利用して何年ですか?」
山本珠璃「もう数年かしらね」
  私たちは、食事をしながら話をした。

〇オフィスのフロア
  昼食後、オフィスに戻り、仕事に励んだ。
山本珠璃(私がこのバス会社を選んだ理由は仕事内容だけじゃないの。ある理由があってのことよ.....)
森薫「先輩、聞いてますか?アイデアを持ってきたんですけど....」
山本珠璃「あ、ごめん。ちょっとね」
森薫「この案を部長さんに見せるんですよ」
山本珠璃「ま、やってみれば?」
  私は、アイデアを倉田部長に見せた。
倉田俊成「森君、なかなかいいアイデアじゃないの。バスの車両を使った迷路だなんて」
森薫「路線バスの車両や、ミニバスを使うんですよ。はとバスさんにあやかったアイデアです!」
倉田俊成「なるほど!」

〇オフィスのフロア
  夕方になった。
倉田俊成「それでは、今日の仕事はここまで。皆ご苦労様!」
  お疲れさまでした!
氷川純也「今日からこの職場に配属になったけど、仕事どうだった?」
森薫「氷川先輩!だいぶ慣れました!」
氷川純也「それは何よりだ。ところで、山本先輩の秘密、知ってるか?」
森薫「秘密ですか?」
氷川純也「後でこっそり話す。連絡先、交換しよう」
森薫「わかりました」
  氷川先輩と私は、連絡先を交換した。

〇アパートの前
  私は、駅近くのアパートに住んでいる。上京してきたばかりなのだ。
森薫「ただいまですー!」
アパートの管理人「おかえりなさい。新しい職場や生活、慣れた?」
森薫「ええ!親が仕送りしてくれるのでうれしいです!」

〇アパートの台所
  私は、部屋に入って、着替えた後、夕食を摂ることにした。
森薫「ふぅ、今日は大変だったけど、まさか先輩と再会するなんてびっくりしたわ!」
  やがて、電話が鳴った。
森薫「はい、森です」
氷川純也「森、お疲れ。僕だよ、氷川」
森薫「あ、氷川先輩こんばんは!」
氷川純也「さっきのこと、今だからこそ話せるからお前にだけ話す」
森薫「何ですか?」
氷川純也「実は、山本先輩は昔両親を事故で亡くしたらしい」
森薫「そうなんですか!?」
氷川純也「ああ。だから彼女は親戚に育てられたらしい」
森薫「そんな過去があるとは知りませんでした」
氷川純也「ああ。最初これを知ったときはたまげたなぁ」
森薫「その事故というのは?」
氷川純也「僕らが務めてるバス会社が起こした事故だ。今ではイメージを回復することに成功したが、当時は結構たたかれた」
森薫「私が子供時代に起きた事故じゃないですか!」
氷川純也「僕が小学生の時だったよ」
森薫「まさか先輩は、そこのバス会社に就職したのって、」
氷川純也「そこの会社の社長へ報復の可能性はあるな」
森薫「先輩、どうしましょう!」
氷川純也「安心しろ。僕が守ってやる!」
  私はびっくりした。まさか先輩にあんな過去があったなんて.....

〇一人部屋(車いす無し)
  ここは、マンションの一室。
山本珠璃「ただいま」
  珠璃は両親の写真に手を合わせる。
山本珠璃「あのバス会社に新人が来たけど、父さんと母さんを殺したバス会社の社員の親戚の娘さんらしい。高校の後輩だったんだけどね」
  そして、彼女は、こう心に誓ったという。
山本珠璃(いつか、あの子を殺してやる!)
  薫は、珠璃の野望を阻止できるのか?

次のエピソード:先輩の秘密

コメント

  • 私も父親を幼い時に交通事故で亡くしたんですが、相手のトラック運転手の方はその後30年間命日にお参りにきてくださいました。それでもやはり、父がその事故でなくなったことはかわらない、そんな想いは今でもあります。先輩のご両親はどんな事情があったのか、とても興味深いです。

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