APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

15.真実の話を聞きました。②(脚本)

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〇個別オフィス
観崎「早速、説明を始めまーす」

〇電脳空間
  つい昨日のことなんだけど、殺生石の妖力充足値が急上昇したんだ
  あ、妖力充足値っていうのは、殺生石の中にどれだけ玉藻の前復活に必要な妖力が溜まってるかっていう数値ね
  で、その値、一昨日までは80%だったんだけど、昨日だけで一気に95%まで到達したんだ
  復活の兆候が見えた最近でも、月単位で1%上昇するかしないかだったのに、この変化はおかしすぎる
  そう思って詳しく調べてみたら、外部から妖力が注がれた痕跡があってね
  しかもその妖力は、先日の管野少年の事件、それから昨日キツネちゃんが遭遇した事件で検出されたものと同じであり──
  14年前、殺生石を監視し玉藻の前復活を防ぐ任を負った一族が惨殺された現場で検出されたものとも一致したんだ

〇個別オフィス
玲奈「それって──!」
観崎「そう、キツネちゃん。キミの実家、狐守家の一族が殺されたあの事件だよ」
観崎「それから、アタシのおじいちゃんも・・・」
玲奈(あの怪異が現れた・・・?)

〇広い和室

〇個別オフィス
観崎「一応、関東一帯の妖力探知は行ってみた。けど、どこにも反応が見当たらない」
観崎「行動からして、現在も関東に潜伏してるのは間違い無いと思うんだけど・・・」
玲奈(家族を殺した怪異が怪異を傷つけ、 さらに今度はもっと多くの人間を 混乱に陥れようとしている・・・)
玲奈(何としても──何としても止めないと)
玲奈「みんなを殺した怪異を、 この手で必ず──!」
須佐川「狐守、落ち着け」
玲奈「ですが・・・」
須佐川「気持ちは分かる。だが復讐で周りが見えなくなってもらっては困るぞ」
須佐川「少し冷静になれ。お前には「人間を守る」という責務があるという事を忘れるな」
玲奈「はい・・・すみません」
須佐川「さて── 観崎の話から分かることは2つある」
須佐川「1つ目、何者かが玉藻の前を復活させようとしていること」
須佐川「2つ目、そいつは最近発生していた怪異が人間に襲われる事件の犯人ということ」
須佐川「そこに昨日狐守が怪異から聞き取った「怪異の人間に対する不満が高まっている」という情報を合わせると、敵の狙いは・・・」
「怪異をまとめて人間を打倒し、 玉藻の前を中心とした支配体制を作る事 だろうね/でしょうね」
時雨「あはは、人間もついに今までのツケを払うときが来たみたいだねえ」
茨木「ええ、この組織が怪異討伐を繰り返してきたお陰で、ただでさえ怪異側の人間に対する不満は高い状態です」
茨木「そういう動きができたとすれば、怪異達は間違い無く玉藻の前側につくでしょう」
酒巻「そ、そんなことになったら、これまでの事件の比じゃない騒ぎに・・・」
須佐川「ああ。だからそうならないよう、今から最善を尽くすしかないんだ」
須佐川「八田島、茨木。手伝ってくれるな?」
「・・・」
「正直人間を助ける気なんて 毛頭ないけど/ありませんけど」
時雨「玲奈ちゃんのためなら」
茨木「酒巻様のためなら」
須佐川「よし、よく言った」
須佐川「それじゃあお前達にこれを」
玲奈「封筒? なんですか、これ」
酒巻「僕と狐守さんのとで中身が違うみたいですが」
須佐川「玉藻の前討伐の準備のために、明日からお前達には出張に行って貰う。封筒の中身はその指示書だ」
須佐川「中身を読んで、指示通りに現地に向かえよ。それじゃあ、今日は解散」

〇オフィスのフロア
玲奈「・・・」
時雨「玲奈ちゃん、大丈夫?」
玲奈「はっ──!! え、ええ。大丈夫よ」
玲奈「あ、そうだわ! さっき貰った指示書を確認しないと!」
玲奈「どれどれ・・・」
玲奈「「狐守家跡地、及び殺生石を現地調査。 八田島の妖力探知能力も使い、 できる限りのことを調べてこい」・・・」
玲奈(そうよね。これは私がいくべきだもの)
玲奈(・・・本当は今すぐあの怪異を 探しに行きたい。見つけ出して、 調伏してやりたい)
玲奈(でも、相手はどんな姿なのかも分からないもの。闇雲に走り回るなんて無謀だわ)
玲奈(落ち着いて。今は自分にできることをやらないと)
時雨「玲奈ちゃん、やっぱり・・・」
須佐川「おっ、よかった! まだ帰ってなかったか!」
玲奈「あれ、どうしたんですか?」
須佐川「八田島に用事があったのを忘れててな」
須佐川「という訳で狐守、ちょっとそいつを貸してくれないか?」
玲奈「ええ、いいですけど・・・」
時雨「はぁ? 僕は用事なんてな──」
時雨「うわっ!?」
須佐川「ありがとな。ちょっと時間がかかるかもしれないから、適当に暇を潰しててくれ!」
時雨「やめてよ、引っ張らないで! 今はキミのところに行ってる場合じゃ──」
時雨「はーなーしーてーよーーー!!!」
玲奈「・・・?」

〇魔法陣のある研究室
時雨「はぁ、はぁ・・・さいっあく」
観崎「あはは★ オロチちゃん髪ボサボサだねえ~」
須佐川「お前、いい加減抵抗するのやめたらどうだ。俺に逆らったら姉貴に即消滅させられるの忘れたか?」
時雨「・・・そうだった。 あーあ、ほんとに面倒くさいなぁ」
時雨「で、何の用? 僕だけ呼び出して、 部屋には今代の協力者である 変態観崎しかいないってことは・・・」
時雨「須佐川命としてじゃなく、スサノオとしての話ってところかな?」
スサノオ「その通り」
スサノオ「単刀直入に問おう──」
スサノオ「ヤマタノオロチ、神に戻る気はないか?」

次のエピソード:16.キミの知らない僕の話。

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