APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

14.真実の話を聞きました。①(脚本)

APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

今すぐ読む

APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇個別オフィス
須佐川「だから、そろそろお前達にも話しておこうと思う」
須佐川「──プロジェクトTの真実を」

〇個別オフィス
玲奈「プロジェクトTの真実? どういうことですか」
酒巻「あれは人員不足対策のためのプロジェクトじゃなかったんです?」
茨木「それが嘘だった、ということでしょう。須佐川様のやりそうなことです」
時雨「はー、もう慣れたとはいえ、 ほんっとうざぁい」
須佐川「はは、返す言葉もないな・・・」
須佐川「だが、確かに茨木や時雨の言う通り、俺はプロジェクトTに関してずっと嘘をついていた。申し訳無い」
須佐川「俺としては、お前達バディの関係がこのプロジェクトの最重要事項になると考えていたんだ」
須佐川「今でこそお前達は怪異に対しての印象を改めているが、始めは討伐対象としてしか見ていなかっただろう」
須佐川「その状態で下手に本当の事を話せば、お前達はきっと躍起になって失敗すると思ってたんだ」
須佐川「それで、嘘をつくしかなかったんだよ」
玲奈「・・・言い訳はもう良いです。早く話を先に進めてください」
須佐川「了解。 ──お前たち、玉藻の前は知っているな?」
玲奈「はい。平安時代中期、鳥羽上皇の寵姫とされていた怪異で、その後討伐されて石になった──」
時雨「怪異至上主義のイカれた女狐」
須佐川「・・・うん。合っている──が。 八田島、お前の中で玉藻の前の評価はどうなってるんだ」
時雨「最低だよ。あんなのがいるから僕らが余計に誤解されるんだ。早く老衰で死んじゃえばいい」
須佐川「年齢で言ったら八田島も大概だと思うが・・・まあ、それは置いておいて」
須佐川「玉藻の前は討伐されて、殺生石と呼ばれる石になった。だが、あいつは完全に死んだわけじゃなくてな」
須佐川「石の中に籠もり、戦いで削がれた力を溜めながら、ずっと復活の時を待っている」
須佐川「だからAPASは、ずっと殺生石を監視してきた。そしてここ数年、ついに復活の兆候が現れ始めたんだ」
「──!!」
須佐川「玉藻の前は危険度特級SSSSを越えるとされる強力な怪異。そんなやつが現代に現れたら大被害が出る」
須佐川「故に俺は、万が一玉藻の前が復活したときに対抗できる体制を整える事にしたのさ」
須佐川「それがプロジェクトT──正式名称「プロジェクトTAMAMO」だ」

〇個別オフィス
玲奈「私達が・・・」
酒巻「玉藻の前を倒すために集められたメンバー・・・」
須佐川「どうした、不安か?」
玲奈「いえ、不安というより驚きの方が強くて」
酒巻「まだなにも実感できないというか」
時雨「はぁ。不安だって言っても、どうせ拒否権はないんでしょ。昔っからキミはそういうやつだよ」
時雨「それより、さっさと本題に入ったら? このタイミングでプロジェクトの話をするってことは、何か起こったからでしょ?」
須佐川「八田島は鋭いな。 正解なんだが、その前に・・・」
須佐川「入ってこい」
観崎「じゃじゃじゃーん★」
時雨「うげ」
茨木「・・・」
「観崎さん!」
観崎「どーもどーも、天才科学者観崎ちゃんの 登場だよ★ お久しぶりだね、 キツネちゃんに酒巻ちゃん!」
時雨「天才? 変態科学者の間違いじゃないの」
観崎「オロチちゃん聞こえてるよ~★ この前キミが転位陣数枚取ってったこと、見逃してあげたの忘れちゃったー?」
玲奈「あれ、時雨たちも観崎さんのこと知ってるの?」
時雨「施設にいる怪異は全員知ってるよ」
時雨「みーんなあの変態に身体をいじくり回されてさあ」
時雨「特に僕なんか朝から晩まで毎日実験台にされて・・・あー、話してたら嫌なこと思い出してきた」
須佐川「観崎は今回の件を説明する為に来て貰ったんだ。殺生石の監視は主に研究部が行っていたからな」
須佐川「それじゃ観崎、頼んだぞ」
観崎「りょーかいっと。早速説明を始めまーす」

次のエピソード:15.真実の話を聞きました。②

ページTOPへ