フレーズ!

くろべー

⑨第6~8ステージ・推理と空想(脚本)

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〇電脳空間
  第6ステージも、カードの束からフラグ質問が選ばれた。
  ネットで見かけたらショックを受けちゃうフレーズは?
氷川「なんか、これを引いたってこと自体、ショックですー。 私、ネット音痴だし──ヘイトとか誹謗中傷とか、怖くてショックかも」
山里先生「まあまあ、怖いと思ったら、無理にそっち方向を想像しないのが一番だよ。 想像は自由だからね。自分の好きなように考えちゃおう」
  ステージフレーズに選ばれたのは(ア)だった。
  (ア)
  その宝石を見ただけで
  少女は魔女にかわってしまった
氷川「たしかに、魔女に変わってたらショックだよね・・・」
  投票理由は人によって違った。
  どんな状況で(ア)のフレーズに出会うか、それぞれ違うことを想像していたのだ。
山田「行方不明の恋人をネットで探してて、こんなこと知らされたらショックだよな。 もしも実際の事件だったら・・・」
森「そんな怖い想像にいかないで、違うパターンを考えてみようよ。 「ショック」っていってもいろいろだし・・・・・・」
森「宝石の方から出た情報でもショックかもよー。 ショップのレビューとかであるでしょ。「この宝石を買ったらこうなった」みたいな」
山田「あー、「人によって副反応が出ることがあります」「アレルギー症状のある方は使用をお控えください」、みたいな?」
岩原「「魔の宝石」なんて都市伝説もありそうだよね。 やっぱ、(ア)が一番、普通じゃない話だから、「ショック」って言葉と合いそう」
小板橋「「魔女」って言葉自体、ショックだよねー。 崎本ちゃんがファンタジーって言ってたけど、現実でも魔女って言い方ってするし!」
小板橋「「あの娘、高い宝石にハマって性格変わっちゃったんだよ。犯罪に手を出して──」みたいな噂、ネットで見かけたらショックでしょ」

〇keep out
末次「第7ステージは、オリジナル質問いきまーす」
  殺人現場に残された謎のメッセージ!
  名探偵はどのフレーズから謎を解いた?
山里先生「おおー、いきなりミステリーになったなー!」
末次「面白そうでしょー? 俺、好きなんですよ。『コナン』とか『金田一』とか・・・」
  投票結果はばらけた。
  そして同点で、(ウ)と(エ)の2つがステージフレーズとなった。
  (ウ)
  トンカツの丸かじり
  
  (エ)
  昨日に学び
  今日に生き
  明日に期待する
  今日の午後は休もう
  (ウ)については、「事件と関係ないんじゃないか?」という声も上がった。
  しかし、「だから暗号になるんじゃない?」と反論された。
  「殺し屋の通称とか、犯罪組織の名前かもしれないよ」というのだ。
  (エ)に対しても「ダイイング・メッセージには長すぎる」と声が上がった。
  死ぬ直前に長々と書いてはいられないというのだ。
  それも、「もともと3行目まで書いてあって、4行目が足されたのかも」と反論された。
  いかにもミステリーめいた展開である。
山田「「休もう」って読めるけど、実は被害者は「イ木毛ラ」って書いたんだ、ってのは? ミステリーって、そういうのよくあるじゃん!」
島津「でも、「イ木毛ラ」って何? イキケラ・・・」
山田「そこまでは俺も分かんないけど・・・そこは名探偵が考えてくれるだろー。名探偵なんだから!」
末次「いやー、こういうの、いいねー。 推理っていうか、空想? 俺らは名探偵じゃないんだし、好き勝手考えちゃえばいいじゃん!」
小板橋「空想っていうか、妄想かもね。 きっと名探偵スエツグは、「イキケラ」って言葉を手掛かりに謎を解いてくれるんだよー」

〇戦地の陣営
辻村「じゃあミステリーに続いて、第8ステージは時代物にいっていいですか?」
  戦地で、武将が決断して言うフレーズは?
辻村「日本の戦国時代でもいいし、中国とかヨーロッパとかの武将でもいいでーす。 古代とか、ファンタジーでも武将っていうよね」
  辻村さんは歴女である。
  部活は茶道部で和服を着こなせるし、時代物・歴史物の本ならめぐるよりはるかに読んでいる。
  きっと、第7ステージの末次くんのミステリー系のフラグ質問を聞いて触発されたのだろう。
  投票の結果、ステージフレーズに選ばれたのは(イ)のフレーズだった。
  (イ)
  やってもいないのに、無理って言うな
仙石「これは、(イ)しかないっしょ! 武将が部下を叱咤激励するセリフだよ。 少ない人数で奇襲をかける前とかさ」
仙石「(ア)の宝石とか少女とか、(ウ)のトンカツとか、戦場でする話題じゃないって。 (エ)は、午後に休んでたらやられちゃうぞ!」
山田「でもさ、(ウ)はたとえ話かもよ? 敵国をトンカツにたとえて、丸ごといただいちゃおうぜって言ってんだよ」
辻村「そうだね! 『三国志』とか、武将も結構たとえ話しますよー。 「水魚の交わり」とか「七縦七檎」とか!」
山田「それにほら、地図でみると、トンカツっぽい形の国ってあるじゃん。 四国とか、埼玉県とかさ。 それを丸ごと取るぞって宣言だよ」
仙石「いや、埼玉県を攻める武将もいないだろ・・・」
山田「そこは近未来SFファンタジーだよ! 『翔んで埼玉』みたいな、『かじって埼玉!』」
山里先生「はい、盛り上がってますが。 『戦地で、武将が決断して言うフレーズは?』ってフラグ質問へのステージフレーズは(イ)だよね!」
山里先生「そろそろ時間もなくなってきたから、最終ステージに入るぞー。 紹介役から、各フレーズの出典を明かしてもらうステージだ!」
  誰からともなく拍手が涌いた。
  様々な角度から4つのフレーズを眺めた後で、それが載っている本への興味も高まっていたのだ。

次のエピソード:⑩最終ステージ・出典紹介(ア)

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