竜と夜明けの彼方まで

白星ナガレ

ep.4 刃の先(脚本)

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〇木の上
ラノ「クレム!」
クレム「ごめんなさい、ラノさん・・・ 逃げてください・・・」
ラノ「クレム──しっかりして!」
「噂の側近もその程度か・・・」
ラノ「ど、どこにいるんだ」
「なんだ──今のを防ぐくらいはできるのか」
ラノ(短剣を持った手が勝手に動いた?)
ラノ(やっぱり、短剣が勝手に・・・!)
「貴様は何者だ?」
ラノ「え、えっと、僕は──」
クレム「ラノさん・・・話さないで」
「なかなかしぶとい」
クレム「そこですね」
「くっ──」
刺客「貴様の噂は聞いている・・・ 妙な武器を使うとな」
クレム「それは光栄です・・・ あなた、帝国の隠密隊の方ですね?」
刺客「答える義理はない どうせ貴様はここで死ぬ」
クレム「それは困りますね・・・ 俺はまだ死ねないんですよ」
ラノ(クレム・・・ 強がってるけど出血がひどい・・・!)
刺客「貴様の首は持ち帰ってやる・・・ そちらの女は捨て置くか」
クレム「そんなことはさせな──」
ラノ「クレム!」
刺客「血を流しすぎだ」
ラノ「ち、近付くな!」
刺客「それは懇願か? 自分で退けてみろ」
刺客「・・・守るばかりでは私は退かぬぞ」
刺客「戦う気がないなら失せろ 先に男の首をいただこうか」
ラノ「や、やめろ──!」

〇黒

〇木の上
ラノ「も、もう、やめて!」
刺客「立ち塞ぐことで何かしたつもりか?」
ラノ(手が、震えて・・・ 僕には人に武器を向けるなんてできない)
ラノ「僕には、これしか・・・」
クレム「・・・ラノさん・・・!」
刺客「振るわぬ刃に何の意味がある? 失せろ」
クレム「避けて── 目をつぶってください!」

〇黒
「くっ・・・貴様──!」

〇西洋の城
ラノ「クレム、一体、何を・・・?」
ラノ「さっきの人は?」
クレム「・・・ラノさん、ごめんなさい ちょっと──立ってられな・・・」
ラノ「クレム!」
ラノ(どうしよう・・・ とにかく血を止めないと!)
「外に出られるぞ!」
「おい、あれ──クレム様だ!」
ラノ「し、城の人! クレムがひどい怪我で──!」
王国兵「な、何者だ貴様!」
王国兵「よくもクレム様を──!」
ラノ「ち、ちが── やったのは僕じゃないんだ!」
「捕らえろ!」

〇黒
ラノ(・・・大変なことになった)

〇牢獄
ラノ「僕はやってないのに・・・」
ラノ(でも、クレムが怪我をしたのは僕のせいだ)
ラノ(クレムは僕を庇って── それなのに僕は・・・)
ラノ(クレムのために 武器を振るえなかった・・・)
ラノ「クレム、大丈夫かな」
「クレムぅ~?」
謎の女「あんた、奴の知り合いかい?」
ラノ(僕の他にも人がいたのか・・・)
ラノ「知り合い・・・といえば、そうだけど」
謎の女「王国のお偉いさんの知り合いが こんなところにぶちこまれるなんて」
謎の女「よっぽどのことを やらかしたんだろうねぇ」
ラノ「いや、僕は城の人に勘違いされて・・・」
謎の女「そりゃ間抜けな兵士がいたもんだ」
ラノ(なんなんだこの人・・・ 捕まってるってことは罪人か?)
謎の女「あんた、出身はどこ?」
ラノ「え、えーと・・・」
ラノ(空から来たこと・・・ 言わない方がいいのかな)
ラノ「実は今、記憶喪失で・・・わからないんだ」
謎の女「へぇ? あんた・・・太陽みたいな匂いだ こんなのは嗅いだことないなぁ」
ラノ「に、匂い?」
謎の女「私、鼻が利いてね・・・わかるんだ わかるのは直接的な匂いじゃないけどね」
謎の女「どこでどう生きてきたか、 人としての程度とでも言えばいいか」
謎の女「でも、あんたのは・・・未知だ どこのどんな奴か──底が知れない」
ラノ「それは──記憶喪失だから?」
謎の女「そうかもね! そんな奴なんてそういないんだよ」
謎の女「奴──クレムもわからないんだ 不気味だよねぇ、あの男」
ラノ「クレムが不気味?」
謎の女「そりゃあ、私ら帝国の人間からしたらね」
ラノ「君、帝国の人だったの!?」
謎の女「匂いがわかるなんて抽象的な話を 王国民がするわけないだろ?」
ラノ「そ、そうなの? よくわからないけど・・・」
謎の女「あぁ、記憶喪失なんだっけ」
謎の女「王国民は現実主義だけど 帝国民は神様なんかを信じてる夢想家だらけ」
謎の女「まぁ帝国民なんて元は色んな人種の 寄せ集めだから一括りにはできないけどね」
謎の女「そんな混迷とした国だからこそ、私は 匂いをかぎ分けるのが得意になったのさ」
ラノ(地上なんて一言で表してたけど・・・ 色んな国があって色んな人がいるんだよね)
ラノ「色んな人たちの国・・・僕は見てみたいな」
謎の女「人なんて見てどうするのさ」
ラノ「見て・・・知って、それからは──」
ラノ(ベスルに教えてあげるんだ・・・ 争わない未来のために)
ラノ「それからは、その時考えるよ」
謎の女「なんだいそれ? あんた面白いね 帝国に来る時は私に頼ったらいいよ」
ラノ「でも今、捕まってるのに?」
謎の女「大丈夫、今に妹分が迎えに来るさ」
謎の女「ところであんた、面白い物持ってるだろ?」
ラノ「え・・・僕は何も──あっ」
ラノ「これのこと?」
謎の女「あぁ、それだ なーんか変な匂いがしたんだよ」
ラノ「クレムの短剣・・・ 確かに不思議だけど・・・」
謎の女「噂をすれば、迎えが来たみたいだね」
謎の女「妹分にあんたが見つかると厄介だ ベッドの下に隠れてな」

〇牢獄
ラノ(迎えの人は帝国から来たのかな・・・?)
「姐さま!」
「心配かけて悪かったね」
「そんなおいたわしい姿で・・・ 私の服と交換しましょう」
「そんなのいいから行くよ あんたのおかげで助かった」
ラノ(聞き覚えのある声だ・・・ 覗いてみようか)
刺客「姐さま、私の傍から離れないでね」
ラノ(さっきの──! 怪我はしてるけど無事だったんだ)
謎の女「ああ・・・もうこんなヘマしないよ」
謎の女「ねぇ、太陽ちゃん」
ラノ(僕のこと?)
謎の女「情報料、いただいてくよ またね」
ラノ(い、いつの間に──!)
ラノ(もういない・・・ クレムの短剣、取られちゃった・・・)
ラノ(でも、これで外に出られる!)

〇地下室
ラノ(牢から出られたのはいいけど 道がわからない・・・)
ラノ(どうしてこんなに入り組んでるんだ?)
  ・・・ノ・・・
ラノ(ん・・・声?)
  ・・・ラノ・・・
ラノ「ル、ルディ・・・?」
  ラノ・・・こっちに来い
ラノ「ルディ!? どこにいるの・・・!」

〇牢屋の扉(鍵無し)
ラノ(この扉の方から聞こえる・・・!)

〇謎の施設の中枢
ラノ「な、何、これ・・・」

次のエピソード:ep.5 救済の道

コメント

  • もう一度捕まったら、余計に立場が危うくなるのではと心配していたら、ルディらしき声と謎の部屋・・・。帝国側だけでなく、王国側にも色々秘密がありそうですね。
    次回も楽しみです^^

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