ep2:王子の求愛は命の危機(脚本)
〇教室
とりあえず、宿題のために朝早く来てみた。
まずは平常心だ。
昨日のは夢だ。
妄想が過ぎて白昼夢を見たんだ。
きっちりと宿題を片付けて、
何事もなかった顔で座っていれば、
現実の日常が戻ってくる。
朝の清涼な空気を吸って、穏やかな心で
須崎秋夜「おはよう」
川波静音「うわあああああーーー!!!」
川波静音「な、早っ・・・」
須崎秋夜「川波さん、荷物忘れて帰ってたから、 早く来るんじゃないかと思って。当たりだ」
嘘でしょ。夢でしょ。
こんな爽や輝かしい現実ってあるの。
直視したら目が潰れる・・・!
須崎秋夜「昨日はごめん・・・ 思い上がって変なこと言っちゃって」
変な所業をやらかしたのは
わたしの方ですが!?
須崎秋夜「恥ずかしい思いもさせてごめん。 俺のことは、ただ名前を借りたとか、 その程度なんだよね」
須崎秋夜「でも俺、川波さんがチョロそうだから声かけたとか、そういうんじゃないから」
なんでなんで。
あの夢、まだ続いちゃってるの?なんで?
川波静音「お、おかしいでしょ? こんな凡人の変態のどこがいいの!?」
須崎秋夜「ぶっ」
須崎秋夜「凡人の変態って・・・! すごい、パワーワード」
川波静音「え、何か変?」
須崎秋夜「変態は凡人じゃないと思うよ」
川波静音「あ・・・」
確かに。
川波静音「じゃあ、見た目がモブで中身が変態の」
須崎秋夜「言い直すんだ」
川波静音「もしかして、わたしバカにされてる?」
須崎秋夜「ううん、そういうことじゃない。 俺は君の持ってる、独特の世界観が好きなんだ」
秋夜くんの『好き』という言葉が
ドリルのようにぶちこまれる。たすけて!
須崎秋夜「初めて意識したのは、 去年の読書感想文なんだ」
須崎秋夜「小難しいことを書きたい高校生の中で、 君は絵本の感想文をものすごい熱量で書いてた」
須崎秋夜「かと思えば、次は政治家の本をフラットに分析してて、それが面白くて、益々気になって」
・・・それは、わたしだ。
秋夜くんが見ていたのは、
確かにわたしだったらしい。
須崎秋夜「それにモブってどういうこと。 個性がないってこと? そんなことないでしょ」
須崎秋夜「こんなこと言ったら、 俺こそ変態かもしれないけど・・・」
須崎秋夜「俺、川波さんの唇の形がかなり好き」
川波静音「・・・!」
川波静音「ギ・・・ギブ、もう、やめて・・・」
須崎秋夜「あ。ダメだった?ごめん」
なんなの。なんなの?
妄想にもいなかった、こんなの。
わたしの妄想は、全然追いついてなかった。
川波静音「わたし、秋夜くんの隣には、美女がいないと 釣り合わないと思ってて、妄想は美女の皮を 被るからこそ楽しめてたところがあって」
須崎秋夜「・・・」
川波静音「だからわたしそのままっていうのは、 カップリングの解釈違いっていうか、 そんなもんときめけないっていうか」
須崎秋夜「・・・」
川波静音「だけどそういうのって、秋夜くんの外側しか 見てなかったってことなのかも・・・」
須崎秋夜「・・・ごめん、ちょっといい?」
川波静音「あ、はい」
須崎秋夜「俺、ニヤケちゃって、なんも入ってこない」
川波静音「え?」
須崎秋夜「やっぱりあれ、名前だけじゃなくて 俺モデルなの」
川波静音「うぐっ・・・」
須崎秋夜「それにさっきから川波さん、『秋夜くん』って 名前で呼んでくれてるんだけど」
川波静音「・・・ぐはっ!」
須崎秋夜「だったら俺も、『静音』って呼ぼうかな」
川波静音「ぎゃーーー!!!」
川波静音「待って待って待って待って」
須崎秋夜「じゃあ、10秒待つね」
10秒!?
須崎秋夜「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」
須崎秋夜「静音。 俺と付き合って」
川波静音「命が危ないから無理ですーーー!!!」
須崎秋夜「えええ!?」
次回へ続く
これは確かに、命が持たなそうwww
そして、宿題があぁぁ~😢
須崎くん、須崎くーーーん!?!?
(唇のとこ)
静音ちゃんはあれですね、ビッグバンになって地球爆発しちゃうあれですね!w
凄まじい連撃に腹筋が持ちませんww 恐ろしい子……!!w