乱痴気に吠えろ

あとら

1話 トイレの花子さん(脚本)

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〇見晴らしのいい公園
神代 志恩(かみしろ しおん)「今のこの世の中。 スマホ一台あれば全てが分かってしまう」
神代 志恩(かみしろ しおん)「それ故『怪異』と呼ばれるモノが最も生き難い時代になったと嘆くモノもいるが・・・・・・」
神代 志恩(かみしろ しおん)「残念ながら俺は寧ろ逆だと考えているよ」
神代 志恩(かみしろ しおん)「ほう、俺の説を疑うのか? それならば賭けてみようか」

〇名門の学校
  怪異の温床として非常に優秀なコミュニティである学校で、な。

〇名門の学校
生徒A「神代先輩、生徒会のお仕事頑張ってくださいね!では、お先に失礼しまーす♪」
神代 ことり(かみしろ ことり)「あいにゃいさー♪ 気を付けて帰ってね♪」
神代 ことり(かみしろ ことり)「これで校内に残ったのは生徒会のメンバーだけだね」
神代 ことり(かみしろ ことり)「あんまり気は乗らないけど、皆が困っているのを見過ごすなんて私には出来ない!!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「にょし!!覚悟を決めろ、私!! 生徒会室にGOだ!!」

〇生徒会室
神代 ことり(かみしろ ことり)「失礼しまーす。 会長、生徒を全員見送りましたー」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「やぁ、ことりちゃんお疲れ様」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「これでやっと二人っきりになれたね?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「またそんなテキトーな事言って! 心にも無いことばっかり言ってると、いつか絶対女の人に刺されますよ!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「アハハ、大丈夫だよ。 加減はしてるから」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「それにイザとなれば君が助けてくれるんだろう?期待しているよ【神童・志恩の妹さん】」
神代 ことり(かみしろ ことり)「全く・・・・・・。 調子が良いんだから・・・・・・」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「アハハ♪それじゃあそろそろ、 放課後デートと洒落込もうか?」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「お化け屋敷と化した校内で、 『トイレの花子さん』退治といこう」

〇学校の廊下
和泉 輝夜(いずみ てるや)「それにしても今のこの令和の時代に、 『トイレの花子さん』を信じる高校生がいるなんて・・・・・・驚きだなぁ〜?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「何人もの生徒が花子さんを目撃しただけでは無く、生徒を含めて先生も被害に遭いましたからね。信じざる得ないんだと思います」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「生徒がやられた時には何もしなかったクセに、先生に被害が出た瞬間にコレかよ。やっぱ学校って腐ってんな」
神代 ことり(かみしろ ことり)「なんて事言うんですか!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「事実じゃん。 それにやられたのは、校長お気に入りの一尾 学(かずお まなぶ)先生じゃん?」

〇散らかった職員室
  一尾 学 先生。八ツ森高校の教師。
  担当は数学。
  生徒や歴の浅い教師には高圧的だが、
  自分より上の人間には媚びへつらう、
  絵に描いたような卑怯者だ。
  この間の数学小テストで、
  一尾先生が作った数式に間違いがあると、
  女子生徒が指摘したが、
  一尾先生が校長達に泣き寝入りしたせいで、
  先生のミスは見逃されて、
  ミスを指摘した女子生徒は、
  教師に反抗したという事で、
  有名大学の推薦が白紙となってしまった。

〇まっすぐの廊下
神代 ことり(かみしろ ことり)「そんな、ひどい!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「・・・・・・酷いとは思うけど、 これが現実だ」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「残酷な事実を受け入れながら、 人は成長していくんだ」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「たまに受け入れきれなくて、 暴走してしまう奴もいるけどな・・・・・・俺みたいに」
神代 ことり(かみしろ ことり)「・・・・・・会長」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「シッ!止まれ!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「こ、この妖気は!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「ウチの学校の女子トイレは禍々しいな。 神代、中に入って確認するぞ」
神代 ことり(かみしろ ことり)「だめです!! いくら非常事態でも、会長だけはぜぇったいに、女子トイレに入らないでください!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「こんな非常事態に何考えてんだよ!! 俺は中身にしか興味が無いから安心しろ!!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「その発言は火に油です!! 尚更会長は女子トイレに入らないでください!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「きゅううんさん・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「はぁ、はぁ、はぁ。 これでヨシと」
神代 ことり(かみしろ ことり)「さて、廊下の様子を確認しなきゃ!」

〇女子トイレ
鳥居 憲人(とりい けんと)「・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「あれ、同じクラスの鳥居君!? 今日は欠席してた筈なのに、 どうして学校にいるの!?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「てか、なんで女子トイレにいるの!? まさか鳥居君も会長病を罹っているの!?」
???「・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「それに、あの女の子・・・・・・。 この学校の子じゃないわよね? 一体なんなのかしら?」
???「・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「わひゃっ!? 鳥居君が便器の中に引き摺り込まれそうになってる!?」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「うぅん・・・・・・。 美少女の香り・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「丁度良い所に起きましたね!! 会長、鳥居君をお願いします!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「はぁ!?お前さっき女子トイレには入るなって、言ってたじゃん!!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「会長と女の子を絡ませるリスクを考えた上での答えです!!私はトイレの中から妖気を感じるので、花子さん探しに専念しますね!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「えーん。ことりちゃんの悪魔ぁ〜」
神代 ことり(かみしろ ことり)「とは言ったものの、花子さんって一体どこにいるのかしら?トイレの中にいるって事だけは、分かっているんだけど・・・・・・」

〇書斎
神代 志恩(かみしろ しおん)「我が妹よ。 今日は貴様に花子さんと言う怪異の話をしてやろう」

〇女子トイレ
神代 ことり(かみしろ ことり)「そういえば・・・ お兄ちゃんから花子さんの事を聞いた事があったんだった」
神代 ことり(かみしろ ことり)「確か花子さんの呼び出し方は・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「トイレの個室の前で3回回り ドアを軽く叩いて「花子さん遊びましょう」と誘う」
神代 ことり(かみしろ ことり)「これを手前のトイレから順番にやっていく」
神代 ことり(かみしろ ことり)「ブレイクダンスの方が成功率上がるって聞いたけど、怪異の世界もパリピになっているのね」
神代 ことり(かみしろ ことり)「そして、ここが3番目のトイレ。 ここに花子さんがいるのね」
  コン、コソ、コン
神代 ことり(かみしろ ことり)「花子さん、遊びましょう!!」

〇清潔なトイレ
???「キャハハ♪見つかっちゃった♪ それなら次は・・・・・・」
???「このお姉ちゃんと鬼になるから、しっかり逃げてね♪じゃないと、次はお姉ちゃんが鬼になるからね♪」
花子さん「キャハハ♪ ぶち殺してあげるよ♪」

〇女子トイレ
神代 ことり(かみしろ ことり)「怪異と人間が合体した!? ウソ、そんなのアリ!?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「はわあわわ!?」
花子さん「キャハハ♪ ボーッとしてると殺しちゃうよ?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「ここじゃ場が悪すぎる! 一旦逃げなきゃ!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「くそっ!!俺だって美少女達と鬼ごっこがしたい人生だった!!」

〇学校の廊下
花子さん「キャハハ♪ 待て待て待て〜♪」
神代 ことり(かみしろ ことり)「どうしよう・・・・・・。 逃げた後の事までは考えてなかったよ〜」
神代 ことり(かみしろ ことり)「人間と合体した怪異にこの剣を使ったら、 怪異を倒す事は出来ても、人が助かる根拠が無い」
神代 ことり(かみしろ ことり)「そうなったら怪異本体の弱点を突いて、 退治した方が良さそうね」
神代 ことり(かみしろ ことり)「でも、花子さんに弱点なんてあったかしら?」

〇書斎
神代 志恩(かみしろ しおん)「フフッ、弱点の無いモノなぞ現世には存在しない。それは怪異とて同様・・・・・・」
神代 志恩(かみしろ しおん)「私が思う花子さんという怪異の正体は、 『学校というヒエラルキーに耐えられなかった女子生徒の成れの果て』だと解いている」
神代 志恩(かみしろ しおん)「万が一花子さんに出くわした場合、学校で起こった嫌な事を花子さんに突き付けてやれば良い」

〇階段の踊り場
神代 ことり(かみしろ ことり)「学校で起こった嫌な事・・・・・・」

〇清潔なトイレ
  花子さんと合体しているあの子。
  もしかしたら・・・・・・!!

〇まっすぐの廊下
神代 ことり(かみしろ ことり)「鍵は教室の中にある!!」

〇教室
花子さん「キャハハ♪ もう逃さないよ〜?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「それはこっちの台詞よ」
花子さん「はぁ? 何言ってんのよ?」

〇教室
  会長の話を聞いて思い出したけど、
  先生にミスを指摘した女子生徒はね、
  ミスを指摘した日から学校に来ていないの。

〇教室
花子さん「つまり、何が言いたいわけ?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「花子さん。 貴女が今合体しているその女の子はね」
神代 ことり(かみしろ ことり)「教師に真実を揉み消された女の子なの!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「そして、貴女の弱点は・・・・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「この0点の答案用紙よ!!」
花子さん「ひっ!? いや、そんな物、こっちに向けないでぇ!!」
女子生徒B「いやぁ!! 誰か、助けてぇ!!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「合体が解けかかっている!! これならいける!!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「行けー!! 神具・絶!!」
花子さん「ふぇえん、バタンキュ〜」
女子生徒B「うぅん・・・」
神代 ことり(かみしろ ことり)「辛かったよね。悔しかったよね。 今はゆっくり休んでいってね」

〇名門の学校
  翌日
和泉 輝夜(いずみ てるや)「いやぁ、怪異も倒せて女の子も救えて 一件落着・・・・・・」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「とでも言うと思ったか!? 可愛い女の子と鬼ごっこなんて羨まけしからん!」
神代 ことり(かみしろ ことり)「捕まってたら殺されてたかもしれない鬼ごっこですよ!!どこが羨ましいんですか!?」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「何を言う。 俺達は殺しても死なないじゃないか」
神代 ことり(かみしろ ことり)「それもそうですが、そもそも会長が手を下したら、花子さんも女の子も無事じゃすみません!!」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「大丈夫だよ。 ストックはまだあるから」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「あ、そうそう。 それで思い出したけど、女の子の方はどうなったの?」
神代 ことり(かみしろ ことり)「衰弱が激しいそうなので、体力が回復するまで暫くの間休学するそうです」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「まぁ、怪異と関わっただけでは無く融合して衰弱程度で済んでいるなら、まだマシな方か」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「花子さん事件は無事に解決したと見て良さそうだね」
神代 ことり(かみしろ ことり)「それにしても一体どうして、 こんな事が起こったんでしょうか?」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「それは俺にも分からないけれど・・・・・・」
和泉 輝夜(いずみ てるや)「二度とこんな事が起こらない様祈りたいね」

  だけど、私達は侮っていた。

〇渋谷駅前
  これで終わりなんかじゃない。

〇見晴らしのいい公園
  これが始まりなんだと

次のエピソード:2話 呪いの剣

コメント

  • 花子さんを撃退!
    しかしまだまだ何かが起こる予感……。

  • ホラーなのに、会長のおかげでいい具合にコメディにw このさじ加減、好きですw

  • 面白かったです!会長の変態っぷりが個人的に好みでした!続編も書かれるのでしょうか?楽しみです!

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