眼鏡最終戦争(メガマゲドン)

かわむらけんたろう

その先を目指して(脚本)

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〇プライベートジェットの中
  それは、ある男の夢から始まった
福井頑響「世界一の眼鏡っ子を決めるコンテスト」
福井頑響「眼鏡最終戦争(メガマゲドン)を」
福井頑響「1年後に開催致します」
福井頑響「なお」
福井頑響「優勝賞金は1兆円とします!!」

〇おしゃれな教室
  その日から世界は眼鏡っ子で溢れかえった
女生徒A「このクラスも眼鏡が増えたよねー」
女生徒B「例の大会のせいでしょ?」
女生徒B「そういうアンタも眼鏡にしたじゃん」
女生徒A「1兆円だよ?ワンチャン狙うっしょ」
女生徒B「陰キャなのに眼鏡してる 勘違い女もいるけどさ」
三重杉テルヨ(私──)
三重杉テルヨ(目が悪いだけなのに)

〇テレビスタジオ
  1年後
伊達アナウンサー「本日のゲストは」
伊達アナウンサー「美少女コンテストの開催で話題をさらった」
伊達アナウンサー「福井財閥の福井総帥です」
福井頑響「一つ訂正させて頂きたい」
伊達アナウンサー「はい?」
福井頑響「美少女コンテストではなく 眼鏡っ子コンテストなのです」
伊達アナウンサー「これは失礼しました」
福井頑響「私は眼鏡っ子の良さを 世界に知らしめたいと考えています」

〇テレビスタジオ
福井頑響「アイドルグループに眼鏡っ子がいますか?」
福井頑響「アニメや漫画でも眼鏡っ子といえば 不人気の代名詞です」
福井頑響「それどころか『眼鏡を外すと美少女』 などという表現が定番化してしまっている」
福井頑響「実に嘆かわしい!!」
福井頑響「私はこの現状を打破したかった」
伊達アナウンサー「それで1兆円もの私財を?」
福井頑響「そうです」
福井頑響「財閥の総力をあげて 世界中の眼鏡っ子を調査し」
福井頑響「有望な候補者に招待状を送っています」
伊達アナウンサー「そ、そうですか」
福井頑響「今週末から各地で予選が始まります」
福井頑響「ご注目頂きたい」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
三重杉テルヨ「この招待状」
三重杉テルヨ「本当に私が?」

〇駅のホーム
  予選当日
三重杉テルヨ「やっぱり帰ろうかな」
三重杉テルヨ「いや、この機会に弱気な自分を変えるって」
三重杉テルヨ「そう決めたじゃん」
三重杉テルヨ「キャッ ごめんなさい!」
謎の眼鏡っ子「いいえ」
謎の眼鏡っ子「私も不注意だったから」
謎の眼鏡っ子「・・・・・・」
三重杉テルヨ「わ、私の顔に何か?」
謎の眼鏡っ子「お姉さん 澄んだ眼鏡をしているね」
三重杉テルヨ「え?」
謎の眼鏡っ子「頑張って」
三重杉テルヨ(眼鏡が透明なのは当たり前じゃ?)

〇渋谷駅前
オリバー「お待ちしておりました」
麗伴(れいばん)「貴女が私の対戦相手?」
観衆「あれって女優の麗伴じゃねーの?」
観衆「芸能人が相手とは気の毒だな」
オリバー「これからお二人には 三つの競技で争って頂きます」

〇渋谷駅前
オリバー「最初の競技は」
オリバー「お箸で上手に掴みまSHOW!」
オリバー「手に持った皿から」
オリバー「机の上の皿に」
オリバー「箸でカプセルを早く移した方が勝ちです」
オリバー「途中で眼鏡が外れると失格になります」

〇渋谷駅前
(え、何か思ってたんと違う・・・)

〇渋谷駅前

〇個別オフィス
オー=クリー(マジでこんなので優勝したら1兆円?)

〇渋谷駅前
オリバー「では」
オリバー「初め!!」
三重杉テルヨ「意外と難しい!」
麗伴(れいばん)「もう!下を向くと眼鏡が落ちそうになる!」
麗伴(れいばん)(両手が塞がっているから 押さえることもできない!)
三重杉テルヨ(手間取っている隙に!)
オリバー「そこまで!」

〇渋谷駅前
三重杉テルヨ「か、勝てた?」
謎の眼鏡っ子「女優のお姉さんは通販で眼鏡を買ったね」
三重杉テルヨ「あなたはさっきの?」
謎の眼鏡っ子「眼鏡はフィッティング調整しないと 下を向いた時に落ちちゃうけど」
謎の眼鏡っ子「通販じゃ調整ができないからね」
麗伴(れいばん)「私は忙しいのよ! 店に買いに行く時間なんてないの!」
謎の眼鏡っ子「でもそれが明暗を分けた」
麗伴(れいばん)「次は勝つ!」

〇渋谷駅前
オリバー「次の競技は」
オリバー「遅刻はダメダメ!ラッシュでDASH!!」
オリバー「両手に鞄を持って 交差点を先に渡った方の勝ちです」
オリバー「やはり眼鏡が外れると失格です」

〇渋谷駅前
オリバー「位置について」
オリバー「スタート!」
三重杉テルヨ「この人混み、想像以上に走りにくい」
麗伴(れいばん)「眼鏡がズレる・・・」
麗伴(れいばん)「けど!」
三重杉テルヨ「顔の動きだけで眼鏡を戻してる!?」
三重杉テルヨ「駄目、追いつけない」
オリバー「勝負アリ!!」

〇渋谷駅前
三重杉テルヨ「負けちゃった」
麗伴(れいばん)「芸能人は体力勝負 そこらの子には負けないわ」
謎の眼鏡っ子「まさか『顔面眼鏡戻し』を使うとは」
麗伴(れいばん)「眼鏡歴15年は」
麗伴(れいばん)「伊達じゃないわ!」
謎の眼鏡っ子「いや・・・女優的にありなのかなって」
観衆「さっきの顔、ヤバかったよな」
麗伴(れいばん)「・・・」
麗伴(れいばん)「と、とにかく次の勝負も貰うわ」
三重杉テルヨ「やっぱり私なんかが 勝てる相手じゃないのかな」
謎の眼鏡っ子「大丈夫」
謎の眼鏡っ子「自分を、眼鏡を信じて!!」

〇モヤイ像
オリバー「最終競技は」
オリバー「お口の中がインフェルノ! 激辛ラーメン早食い競争です!!」
オリバー「ルールは簡単」
オリバー「先にラーメンを完食した方の勝ちです」
オリバー「この競技は 眼鏡の着用が義務付けられません」

〇モヤイ像
オリバー「では」
オリバー「始めッ!」
麗伴(れいばん)「チッ、曇るわね」
観衆「眼鏡を外しちまったぞ?」
麗伴(れいばん)「眼鏡が汚れないよう気遣うのも 眼鏡っ子の嗜みよ」
三重杉テルヨ(少しずつ引き離されてる?)
三重杉テルヨ「でも最後まで諦めない!!」
麗伴(れいばん)「しまった 跳ねたスープが目に!」
麗伴(れいばん)「目が、目があぁ!!」
三重杉テルヨ「しめた 今のうちに!!」
オリバー「勝負アリ!!」

〇モヤイ像
三重杉テルヨ「勝っちゃった」
麗伴(れいばん)「スープさえ目に入らなければ・・・」
謎の眼鏡っ子「眼鏡をしてれば勝てたのにね」
麗伴(れいばん)「曇って邪魔だったのよ!」
謎の眼鏡っ子「こっちのお姉さんは しっかり曇り止めをしていた」
謎の眼鏡っ子「レンズも流水で洗ってるよね 傷ひとつない」
謎の眼鏡っ子「それに引き換え女優のお姉さんは 汚れたレンズをティッシュで拭いてるね?」
麗伴(れいばん)「うっ」
謎の眼鏡っ子「それじゃレンズが傷だらけになって」
謎の眼鏡っ子「少し曇っただけで見辛くなる」
謎の眼鏡っ子「見たところ女優のお姉さんのレンズ CYLが3、SPHも-5はあるよね」

〇モヤイ像
(何て?)

〇モヤイ像
謎の眼鏡っ子「外してたらまともに見えないでしょ」
謎の眼鏡っ子「外すと見えない 掛けてても見えない」
謎の眼鏡っ子「それで手元が狂ってスープが跳ねた」
謎の眼鏡っ子「眼鏡愛が勝敗を分けたね」

〇個別オフィス
オー=クリー「あの若さであの知識量」
オー=クリー「あの少女は一体?」
福井頑響「優勝者には彼女を超えてもらわなねば」
オー=クリー「あの少女が優勝者でもよろしいのでは?」
福井頑響「あれは私の孫娘」
福井頑響「眼鏡に関する全てを叩き込んだ 私の知る限り最強の眼鏡っ子なのだ」
福井頑響「私は私の理想すら超える そんな眼鏡っ子を見たかった」
福井頑響「だからこのコンテストを始めたのだよ」
オー=クリー(まさに眼鏡の修羅か・・・)

〇ハチ公前
三重杉テルヨ「今日はありがとう」
三重杉テルヨ「あなたの応援のお陰で勝てた」
福井サバエ「私は眼鏡を愛する人が好きなだけ」
福井サバエ「勝てたのはお姉さんの眼鏡愛の賜物だよ」
三重杉テルヨ「私、ちょっとだけ自分に自信が持てたよ」
三重杉テルヨ「また、あなたに会えるかな?」
福井サバエ「お姉さんが勝ち進んでくれば いつかはね」
三重杉テルヨ「あなたにも?」
福井サバエ「私も自分の眼鏡で見てみたいんだ」
福井サバエ「この先にある景色を、ね」
  See you next grasses!!

コメント

  • 眼鏡愛が強い。
    ネーミングも眼鏡に関する物でツボです🤣
    総帥もほのかに漂う変態味が良いですね👓
    タグメガネマークはこんなのがあったのかと驚きです。

  • 設定の独自性とキャラクターの可愛さが相まって、始終ワクワクしながら読めました😆
    『眼鏡の修羅』で爆笑🤣

  • 流水で!?知りませんでした…😅
    ティッシュで拭いてました💦
    勉強になりました。
    面白かったです!✨

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