始まるぜ!オレの伝説!(脚本)
〇闘技場
ディサイシブジョーカーズチャンピオンズマッチもいよいよ大詰めだぁー!
金剛力「行け!キラーメタル・バロン! フルメタルバースト!」
キラーメタル・バロン「ギガガガガ!!!」
勝導遊「迎て!オレの切り札! 炎魔帝インフェルノカイザー!」
炎魔帝インフェルノ・カイザー「ハァァァァーーー!!!」
バトルフィールドでぶつかり合う2体のモンスター。しかし、ロボ型のモンスター、キラーメタル・バロンが優勢のようだ。
金剛力「無駄だ!俺様のキラーメタル・バロンの方がHPは上!貴様の負けだ!!」
勝導遊「フッ・・・それはどうかな?」
金剛力「な、何故だ!? キラーメタル・バロンが消滅しただと!?」
勝導遊「オレの炎魔帝インフェルノ・カイザーは火属性、そしてお前のメタルキラー・バロンは金属性だ」
勝導遊「火属性は金属性に有利、よってダメージがアップし、お前のモンスターを倒したのさ!」
金剛力「く、くっそー!」
「決まったぁー!勝者は、前回チャンピオン、勝導遊だぁー!」
〇公園の砂場
赤城キメル「あー!すごかったな昨日の試合!やっぱりチャンピオン遊とインフェルノ・カイザー超絶カッコいいぜ!!」
蒼井マシロ「うん、なんかどがーん!って感じで、迫力あったね!」
赤城キメル「くぅー!オレもあんな熱いバトルがしたいぜ!」
オレは赤城キメル!
小学5年生!
夢は世界一のDJマスターになること!
DJっていうのは今世界一熱いカードゲーム、ディサイシブジョーカーズのことだ!
VRでモンスターが本物みたいに飛び出すぜ!
「おい!さっさとカード寄越せよ」
「ひぃ!!」
蒼井マシロ「キメルくん、なんだかあっちが騒がしいね」
赤城キメル「なんだろうな?行ってみようぜ」
蒼井スグル「敗者は俺に一番強いカードを渡すって約束だよな?」
気弱そうな少年「は、はいぃ! これです!それじゃあ!!」
蒼井スグル「フン・・・フレイム・ウォリアーか いらねえよこんなクズカード」
そこにいたのは、マシロの兄で、オレのライバルである蒼井スグルだった。
しかし、彼はどこか様子がおかしい。
赤城キメル「おいスグル!何やってるんだよ!」
蒼井マシロ「お兄ちゃん、人からカードとったりするような人じゃなかったのに・・・」
蒼井スグル「誰かと思えばキメルにマシロじゃねえか ちょうどいい、お前たちのカードも俺が奪ってやるぜ」
赤城キメル「どうしちまったんだよ、スグル!」
蒼井スグル「このカードが俺に教えてくれたんだ、もっと強くなる方法をな! さあ、構えろキメル!」
赤城キメル「スグルのやつ、様子がおかしい! マシロは下がってろ、オレの熱いバトルでこいつの目を覚まさせてやる!」
蒼井マシロ「う、うん・・・ 気をつけてね?」
「VRフィールド展開! バトルスタンバイ!」
〇海辺
バトルが開始されると同時に、VRシステムにより周囲の景色はバトルフィールドとなった。
蒼井スグル「海フィールド、俺の得意なフィールドだ この勝負もらったぜ!俺の先行!」
蒼井スグル「レベル1モンスター、辺境のマーメイドを召喚!」
辺境のマーメイド
Lv.1
AP100
HP400
蒼井スグル「先攻プレイヤーは攻撃ができない よってオレは、辺境のマーメイドにエネルギーをチャージし、ターンを終了する」
蒼井スグル「言っておくが、辺境のマーメイドには、エネルギーの数×100ポイント、HPを増やす能力を持つ」
HP400→500
ディサイシブジョーカーズは、相手モンスターを倒すことで点数を獲得し、10点獲得したら勝利するゲームだ。
モンスターには攻撃力(AP)と体力(HP)があり、それによりバトルの勝敗は決まる。
赤城キメル「攻撃できない最初のターンにHPが高いモンスターを出す、無駄がないな・・・」
蒼井スグル「フン、これくらい基本中の基本だ お前のターンだ、さっさとカードを引けよ」
赤城キメル「言われなくても!オレのターン、ドロー!」
赤城キメル「よし来たぜ、オレのデッキのエース! こい!見習い勇者「あああ」!」
見習い勇者「あああ」「ハァ!」
見習い勇者「あああ」
レベル1
AP300
HP300
赤城キメル「オレは、火エネルギー1を消費し、装備カード勇者の剣を「あああ」に装備!これにより攻撃力が100ポイントアップ!」
赤城キメル「さらに速攻能力を得るぜ!」
見習い勇者「あああ」
AP300→400
速攻(召喚したターンに攻撃できる)
赤城キメル「さらに、火のドラゴン・エッグを場に出すぜ!」
火のドラゴン・エッグ
レベル0
何が生まれているのかわからない、不思議な卵のようなもの。
赤城キメル「こいつは永続的にオレの場に残り続けるカードだ、なにが起こるかはお楽しみだ!」
蒼井スグル「フン、何も起こる前にお前をぶっ倒してやるぜ」
赤城キメル「やれるもんならやってみろ! バトルだ!見習い勇者「あああ」で辺境のマーメイドを攻撃!」
見習い勇者「あああ」
HP300→100
辺境のマーメイド
HP500→100
蒼井スグル「フン、速攻を仕掛けてきたのはいいが、辺境のマーメイドは水属性のモンスターだぜ」
蒼井スグル「火属性の勇者には倍のダメージを受けてもらった」
赤城キメル「やっぱりオレのデッキじゃスグルには不利か でもこれくらいどうってことねえ!オレはターンエンドだ!」
蒼井スグル「俺のターン、ドロー! クク、フハハ!! きたぜ!俺の新たなる力が!」
赤城キメル「新たなる力?」
蒼井スグル「手始めにマーメイドにエネルギーをチャージし、こいつを破壊する。さらに俺のライフ2点を支払うぜ!」
辺境のマーメイド「ギェェェ」
スグル
ライフ10→8
蒼井スグル「ぐっ・・・これにより召喚条件は満たされた・・・降臨せよ、レベルXモンスター、アシッド・スペクター!」
アシッド・スペクター
レベルX
AP0
HP2000
赤城キメル「何だこのモンスター!? HP2000?それにレベルXってなんだよ!」
蒼井スグル「こいつは天が俺に与えてくれた力さ! 攻撃力は0だが、恐ろしい効果を持つ!」
見習い勇者「あああ」「ぐあああ!」
見習い勇者「あああ」
HP100→0
赤城キメル「「あああ」!」
キメル
ライフ10→9
赤城キメル「いてっ! なんだ今のは・・・」
蒼井スグル「こいつの能力、それは毎ターン、相手モンスター全てを闇の瘴気で侵し、HPを100ずつ減少させる!」
蒼井スグル「さらに、これよりこのゲームは闇のゲームとなり、プレイヤーが受けたダメージは現実のものとなる!」
蒼井スグル「さっきの雑魚は途中で降参して逃げたから助かったが、ライフが本当にゼロになったらどうなるかな? クク・・・」
蒼井スグル「俺はターンエンドだ お前にHP2000のモンスターが倒せるかな?」
赤城キメル「くっ、だが、まだバトルは始まったばかりだぜ! こんなところで諦めてたまるかよ!」
〇幻想
蒼井マシロ「お兄ちゃんの召喚したレベルXモンスターの強さに、追い詰められるスグルくん」
蒼井マシロ「しかし、ドラゴンの魂は、彼の諦めない心に応えようとしていた!」
蒼井マシロ「次回、新世界カード戦記ディサイシブジョーカーズ第2話 レベルXを倒せ!熱きドラゴン!」
蒼井マシロ「キミだけの切り札で、運命を決めろ!」
スグルがゲームに取り憑かれているみたいで狂気を感じましたが、現実のキメルにもダメージを与えるのはちょっとやりすぎかもですね。最後のマシロちゃんの予告編が可愛くてちょっとほっとしました。
カードゲームとか縁遠い私が、なんとなく彼らの戦う世界に引きこまれました!(笑)私の世代では、というか地元では、牛乳キャップを使ったゲームで勝負してたなあ、時代は変わった。
「見習い勇者あああ」っていうのが、子どもがつけがちな名前でおもしろかったです。笑
実はカードバトルはあまり知らないんですが、楽しく読めました。