APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

10.未来と過去の話をしましょう。①(脚本)

APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

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〇オフィスのフロア
観崎「さっすが天界所属、地上の監視者・スサノオ様だ!」

〇オフィスのフロア
須佐川「・・・」
スサノオ「くくく、褒めても何もでないぞ」
観崎「褒めてませーん」
観崎「でもでも2人に研究部特製の拘束具を何個も使いまくるのはさすがにえげつないよ。アレ、1個でも結構辛いはずなのに」
観崎「管野少年の件でちょっとは丸くなったと思ったけど、アタシの見当違いかな?」
スサノオ「俺の根本が変わることはないさ。 人間が無事なら、「あとはどうでもいい」」
スサノオ「ただまあ、基本は人間のやりたいようにやらせるって言うのがルールだからな」
スサノオ「あいつらが怪異と仲良くしたいと言うなら、俺はそれを応援するだけだ」
観崎「うん、相変わらずぶっ飛んだ考えだね★ やっぱ天上の方は違うなぁ」
スサノオ「そのぶっ飛んだ奴の協力者に見込まれたお前も大概だぞ」
スサノオ「で、今日は何の用だ? まさか雑談しに来ただけじゃないだろう?」
観崎「もっちろん。 はいこれ、今日の酒巻ちゃんとキツネちゃんの検査結果」
スサノオ「おっ、早いじゃないか」
観崎「須佐川ちゃんに文句言うために頑張ったからね~」
観崎「それでさ、須佐川ちゃん。キツネちゃんって、あのキツネちゃんでしょ?」
スサノオ「はは、さすがに気付かれたよな」
観崎「笑い事じゃなーい!」
観崎「なんであの子がプロジェクト参加者になってるのさ! 「アイツ」が復活したら真っ先に狙うだろうに!」
スサノオ「そっちの方が都合が良いからさ」
スサノオ「1人で閉じ込めるより、ヤマタノオロチを護衛に付けた方が狐守に変な疑いをかけられず守れるだろ」
スサノオ「始めは少し心配だったが、今は仲良くやってるみたいだしな。この調子なら、大丈夫なはずだ」
スサノオ「何より討伐部は人手不足だし。戦闘要員が大いに越したことはない」
観崎「・・・まあー、須佐川ちゃんがそう言うならいいけどさ」
観崎「キツネちゃんが本当の事を知った時、どうなることやら。あの調子だと、一切何も知らないんだろうし」
観崎「人間って須佐川ちゃんが考えてるほど強くないからなぁ」
スサノオ「ん、何か言ったか?」
観崎「須佐川ちゃんすごーいって★」
観崎「んじゃ、アタシは研究部に戻るよ。例の石の定時観測と、管野少年の事件で検出された妖力解析の続きをしないと」
スサノオ「ああ、ご苦労」
スサノオ「さてと、検査結果は・・・ 酒巻の方は伸ばす余地あり、か。 茨木と修行旅行でもさせるかな」
スサノオ「狐守の方は力に問題なしだが── まあ、ネックは過去のことだよな」
スサノオ「・・・今回は管野の事件と観崎のアイデアに助けられた。あの2人にも、足りないものがあると分かった訳だから」
スサノオ「早めに調整しておかなければな」
スサノオ「戦いの日は──いずれ必ず来るのだから」

〇大衆居酒屋
玲奈「はぁ・・・」
時雨「あははははは!」
時雨「ねえねえ玲奈ちゃん、この「あいすしゅー」ってやつ、シュークリームなのになんだか固い! あははははは!」
玲奈(時雨、笑い上戸で絡み酒だったのね。 いつも私が寝た後に飲んでるみたいだったから、知らなかったわ)
玲奈(でも、それ以上に・・・)
酒巻「ったく茨木はいつもいつも余計な心配しやがって・・・」
酒巻「俺が相棒のてめぇを捨てるはずねぇだろうが!」
茨木「はい・・・! ありがたき幸せにございます・・・!」
玲奈(まさか酒巻くんが酔うと性格変わるタイプだったなんて。今後はあんまり飲ませないようにしよう・・・)
玲奈(というか、茨木さんもなんでやたらと嬉しそうなのよ)
玲奈「なんだかもう、カオスだわ・・・」
時雨「そういえば、玲奈ちゃん。ずっと気になってたんだけど」
時雨「玲奈ちゃんはさ、どうして怪異が嫌いだったの?」
玲奈「──!?」
玲奈「えっと・・・それは・・・」
玲奈(どうしよう、時雨は純粋に気になっただけよね)
玲奈(でも、私にとってはあんまり思い出したくない過去だし、何より居酒屋で話せる事じゃない・・・)
時雨「どうしたの、玲奈ちゃ──」
酒巻「ストップ、八田島。そこまでだ」
時雨「・・・なんでキミが止めるのさ」
酒巻「狐守の事情を知ってるからだ」
酒巻「人には話しにくいこともあんだよ。とくにこういう、賑やかな場ではな」
酒巻「どうしても聞きたいってんなら、家に帰ってからにしろ」
時雨「む・・・」
酒巻「あーあ、空気が沈んじまったじゃねえか」
酒巻「酒だ、酒を追加しろ、茨木!」
茨木「承知しました!」
玲奈(ふぅ、助かった)
時雨「・・・」

〇空

〇通学路

〇玄関内
玲奈「ただいま──って、もう12時過ぎてるのね」
玲奈(いろいろあったけど、楽しい飲み会だったわ。久々にああいうのもいいわね)
時雨「・・・玲奈ちゃん」
玲奈「ん?」
時雨「さっきの話、だけど」
玲奈(ああ。私が怪異を嫌いだった理由、ね)
玲奈「どうしても聞きたいの? 怪異のあなたにとっては、あまり気分のいい話じゃないと思うけど」
時雨「それでもいい。僕もちょっとずつ、キミの事を分かりたいから」
玲奈「──!」
玲奈「そう、ね。あなたとはバディだから、知ってもらってた方が良いかも」

〇明るいリビング
玲奈「それじゃあ改めて。 私が怪異を嫌ってたのは・・・」
玲奈「──怪異に、家族を皆殺しにされたからよ」

次のエピソード:11.未来と過去の話をしましょう。②

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