APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

7.変化にもいろいろあるようです。①(脚本)

APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

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〇見晴らしのいい公園
玲奈「こらー! 待ちなさい!」
鳥の怪異「やだよー! 僕を消すつもりでしょ!」
玲奈「違うわ! あなたが人間から取った宝石を返して欲しいの!」
鳥の怪異「それもや──わ!」
時雨「ふふっ、捕まえた」
鳥の怪異「ひぃ、消され──」
鳥の怪異「あれ、あなたも怪異?」
時雨「そうだよ。だから同じ怪異としてアドバイス」
時雨「キミは綺麗なものを集める質の怪異だろうけど、人間のものは取らないほうがいい。面倒なことになっちゃうからね」
鳥の怪異「・・・」
鳥の怪異「そっか・・・ なら、人間のもの以外で探すことにするよ」

〇工事現場
座敷童「どうして? どうしてわたしのお家を壊すの・・・?」
座敷童「何度脅かしてもやめてくれない。 ならいっそ──」

〇工事現場
座敷童「みんな殺してやる──!!」
玲奈「ストーップ!!」
時雨「それはやめといた方がいいよー」
座敷童「・・・人間に、怪異?」
玲奈「私達はAPASの者よ。工事現場で怪奇現象が起こるって話を聞いてきたの」
玲奈「家が壊されたのが辛いのは分かるわ。 でも、人間を殺しちゃったりしたら私はあなたを討伐しないといけなくなる」
玲奈「だからその前に──」
玲奈「あなたの新しい家を一緒に探そうと思って!」
座敷童「ぶっけんじょうほう・・・?」
時雨「そう。古民家もたくさん調べてきたよ。きっと気に入る家が見つかるさ」
座敷童「──!!」

〇工事現場
座敷童「・・・分かった、一緒に探す ここを離れるのは嫌だけど、消えるのはもっと嫌だもの」

〇大企業のオフィスビル

〇個別オフィス
須佐川「泥棒怪異の教育に、座敷童の家探し・・・」
須佐川「なんというか、討伐部っていうより怪異専門のお助け屋みたいになってるな」
玲奈「あはは・・・否定はしません」
玲奈「でも、思ったんです」
玲奈「こんな風に人と怪異の間を仲介する誰かがいれば、怪異も人を傷つけたりしないのかなと思って・・・」
玲奈「そしたら、怪異を討伐することなく平和的に問題を解決できるでしょう?」
玲奈「あ、勿論人間に危害を加えた怪異は判断次第でちゃんと討伐してますよ!」
須佐川「分かってるって。別に否定してる訳じゃないからそう萎縮するな」
須佐川「単純に驚いてるんだよ。これまで怪異の言葉を聞いて行動しようとしたやつがこの組織にいなかったからな」
須佐川「しかもその発端が、特に怪異への討伐意欲が高かった狐守なんだし」
須佐川「──まだ復讐心は捨てきれてないんだろう?」
玲奈「それはそうなんですけど・・・ 管野くんの件や八田島さんの言葉で色々思い直しまして」
須佐川「八田島、ね」
須佐川「そういえばお前達、最近ちょっとバディっぽくなったよな」
玲奈「そうですか? でも、真面目に仕事してくれるようになって助かってます」
玲奈「相変わらず生活能力は皆無なんですけど。卵は食べるし朝は起きないし家事はしないし・・・」
須佐川「ははは。天下の怪異・ヤマタノオロチに文句なんて言える人間はお前くらいだろうな」
須佐川「──とにかく言っておきたいのは、お前が正しいと思ったならそれを貫いていいってことだ」
須佐川「正直狐守のやり方はこの組織のやり方から外れるが、気にしなくていい。何かあったら俺が責任をとろう」
玲奈「ありがとうございます」
玲奈「でも、どうしてそんなに・・・?」
須佐川「なに、大した理由はない。お前達バディを見てて、そういうありかたもいいなと思ったんだ」
須佐川「それに、今を生きる人間はお前達だ。そのお前達から出てきた意見なら俺は全力でサポートするだけさ」
須佐川「だからまあ、お前の行動が良い方向に向かうことを願ってるよ」
玲奈「はい、ありがとうございます」
須佐川「じゃ、報告については以上だ」
須佐川「それと別件で、今後の戦力の参考にするために、お前と酒巻に一度研究部の身体検査を受けてもらいたいと思ってる」
須佐川「酒巻に声をかけて、今から一緒に行ってきてくれ」

〇オフィスのフロア
玲奈(研究部の身体検査なんて初めてだわ。一体何を調べるのかしら)
玲奈(まあ、行けば分かるわよね。ええっと、酒巻くんは・・・)
玲奈(──いた)
玲奈「酒巻く──」
酒巻「はあぁぁああ・・・」
玲奈「えっ、ため息なんて珍しい」
酒巻「ああ、狐守さん。いや、大した事じゃないから大丈夫だよ・・・」
玲奈(そんな顔じゃないけど・・・)
酒巻「それより狐守さんはどうしたの? 何か俺に用事?」
玲奈「え、ええ。須佐川さんが、今から2人で研究部の身体検査を受けてこいって」
玲奈「今後の戦力の参考にするためとかなんとかで」
酒巻「そうなんだ。どうして今更・・・」
酒巻「ま、いっか。早めにいって終わらせよう」

〇魔法陣のある研究室
玲奈「ここが研究部・・・」
酒巻「研究部の人が討伐部に来る事は何度かあったけど、俺達がこっちに来るのは初めてだね」
「すみませーん、誰か・・・」
???「おおっ、いらっしゃーい! 待ってたよ、討伐部の諸君★」

次のエピソード:8.変化にもいろいろあるようです。②

コメント

  • 須佐川がイケメン上司〜好きです♡(スミマセン笑)
    なんか濃い新キャラ出てきましたね! 続きものんびり読ませていただきます!
    (遅くなりましたが完結おめでとうございます💐)

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