エピソード2(脚本)
〇可愛い部屋
まだ状況がいまいち掴めていないけれど、迎えが来てしまったなら仕方が無い。意を決して出てみることにする。
早乙女 透子「はーい!! いま出まーす!!」
〇シックな玄関
小佐名 ナジム「おはよう!! 久しぶ──」
早乙女 透子「・・・ふぅ」
早乙女 透子「あまりの衝撃に取りあえずドアを閉めちゃった・・・」
──そう、このゲームが炎上した理由は色々あるが、第一にクソゲーに良くある、いわゆる『パッケージ詐欺』というものがある
ソフトのパッケージの絵と実際に出てくるキャラがあまりにも違いすぎたのだ
こちとら全力で乙女ゲームを楽しむテンションになってるっていうのに、この仕打ちである
当然これは許されざる行為としてユーザー
一同、叩きにたたいた
ネットは炎上。私ももちろん炎上まつりに参加し、燃えにもやした
「ちょ、おおーい!? どうした!?何かあったのか!?」
早乙女 透子「あ、やば。とっさに閉めたままだった。 もう一度、開けなきゃ・・・」
小佐名 ナジム「一体どうしたってんだよ!? 大丈夫か!?具合でも悪くなったか?」
こいつは幼馴染の、『小佐名 ナジム』
そのまんまな名前だけど、こうして心配してくれるあたり、良い奴だ
──そう、悪いのはパッケージとの落差で、声はなんと豪華声優陣が担当している為、かなりのイケボである
だからこそ実際、目の当たりにしてみると脳がなんだかバグる感じになる
何か、良く見えるような気がする。そんなことはないけど。というか、実際のパッケージのキャラといえば──
〇カラフル
パッケージの絵はこんなんだった。なんでだよ!!かろうじて髪の毛の長さ位しかあってるとこなくない!?
金の使い方をミスりにミスっている。いや、声は大事だよ!?だけどビジュアルだって大事だろうが!!
〇シックな玄関
早乙女 透子「ほんと、なんでだよ!!」
小佐名 ナジム「いや、なにが!?」
早乙女 透子「あっ、ごめん!!ちょっと色々と理不尽なことを思い出しちゃって・・・」
小佐名 ナジム「そ、そうか・・・。 ところで、今日から同じ高校に通うから迎えに来たんだけど、もう行けそうか?」
早乙女 透子「うーん・・・ あと小一時間ほど時間が欲しいかな」
小佐名 ナジム「いや遅刻するけど!?」
早乙女 透子「なんていうか、頭を整理するのに色々時間が欲しいなって・・・」
小佐名 ナジム「よく分かんないけど、取りあえず歩きながら考えたらいいんじゃないか?」
小佐名 ナジム「俺で良かったら、話、聞くしさ!! 久しぶりの再会なんだから、色々話そうぜ!!」
小佐名 ナジム「ほら、早く行こうぜ!! 新生活のスタートだ!!これから俺たちも高校生!!クラスとかどんなんだろうな。楽しみだよな!!」
早乙女 透子「うぇっ!?ちょっと、引っ張らないでよっ!!」
こうして、序盤の幼馴染との感動?の再会
をはたし、わたしたちは学校へと向かった