入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード6(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

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〇廃ビルのフロア
木下誠美(きのした なるみ)「うーん・・・ん?」
木下誠美(きのした なるみ)「あれ、私いつの間にか眠って起きたら、知らない場所に居る!?」
裏家業の人間「オラ―!! 死に晒せや!」
裏家業の人間2「それはコッチのセリフじゃい! 死ねやぁ!!」
木下誠美(きのした なるみ)「きゃああああ!!」
来栖武司(くるす たけし)「ひぃいいいい!!」
木下誠美(きのした なるみ)「え・・・武ちゃん!?」
来栖武司(くるす たけし)「な、誠美!? どうしてここに居るんじゃ!?」
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃんこそ、どうしてここに!?」
  あれ?なんだか武ちゃんが大人に見える。
  気のせい?
来栖武司(くるす たけし)「くそ、誠美こっちに来い! 流れ弾に当たるぞ!」
木下誠美(きのした なるみ)「う、うん。 今そっちに行く!」
  なんだか知らないけど、怖い事に巻き込まれてる。けど・・・
来栖武司(くるす たけし)「誠美、俺が絶対に守るけえ心配すんな!」
  こうして武ちゃんが守ってくれてるから、なんだか安心できる

〇廃ビルのフロア
  ぎゃああ!!
  ・・・終わったみたい
木下誠美(きのした なるみ)「ひっ・・・死んでる!」
  さっきまで撃ちあいをしていた怖い人達は全員その場で苦しそうな表情で息絶えていた。
木下誠美(きのした なるみ)「武ちゃん、こんな怖い場所早く移動しようよ、それで警察に通報──」
来栖武司(くるす たけし)「──おい、見ろや誠美!」
来栖武司(くるす たけし)「はは、あいつらマヌケじゃのぉ。 お互い殺し合って、金だけ残して逝ってしもうとる」
木下誠美(きのした なるみ)「そんなのどうでもいいよ! 早くここから離れよう!」
来栖武司(くるす たけし)「くくく、こんだけ金があれば──」
  ──俺は『やり直せる』

〇保健室
木下誠美(きのした なるみ)「ダメえええええ!!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「うわっ、びっくりした」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それで・・・何がダメなの?(にやにや)」
木下誠美(きのした なるみ)「千陰ちゃん!? え・・・どうしてここにいるの?」
木下誠美(きのした なるみ)(あれ? さっきの光景は・・・夢?)
木下誠美(きのした なるみ)「そうだわ! 確か武ちゃんがカッターナイフで切られて。それからどうなったの!?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「クラス全員に今朝あった出来事を言いふらすなって脅してから、普通に怪我したまま学校を出ていったきりよ」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「まぁ、あの様子だと多分大丈夫でしょ」
木下誠美(きのした なるみ)「多分ってなによ!! あなた武ちゃんの彼女なんでしょ? 心配じゃないの!?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(うーん・・・一応これでも心配してるんだけどなぁ)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それよりさぁ・・・。 木下さんはなんで武司の事が好きなの? 正直別の男子でもよくない?」
木下誠美(きのした なるみ)「なんであなたにそんな事聞かれなきゃいけないの、それに全く答える気はないわ!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「はぁ(呆れ)・・・あのさぁ──」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ちょっとした”手違い”があってこういう関係にあるけど」
木下誠美(きのした なるみ)(ちょっとした手違いって何?)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「武司は私の彼氏なんですけど!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それで、その彼氏の事を好きな幼馴染の存在って、彼女からしたら超迷惑だし邪魔なのよ!」
木下誠美(きのした なるみ)「そんな・・・いや、 うっ・・・ううっ・・・(泣き)」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「まっ、そういう訳だからさ、気持ちを入れ替えて別の男子を好きになりなって!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「──ほら、いっつも木下さんの事を助けてくれる男子がもう一人いるでしょ?」
木下誠美(きのした なるみ)「えっ・・・それって・・・藤堂君の事?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(ほっ、良かった。一応お兄ちゃんの認識はあるみたい)
木下誠美(きのした なるみ)「なんで千陰ちゃんが私と藤堂君の事知ってるの?」
木下誠美(きのした なるみ)「そもそも千陰ちゃんって他のクラスに居るの?見た覚えが無いんだけど」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「あっ、その・・・実は私も学校サボってたから木下さんと普段会ったことが無いんじゃない?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それと二人の関係は偶然学校に来た時に見かけて仲が良さそうって思っただけだし(早口)」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「とにかく! 武司は私にベタ惚れなんだから、さっさと諦めて!いいわね!?」
木下誠美(きのした なるみ)「くっ・・・ううっ・・・」

〇まっすぐの廊下
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ふぅ・・・ちょっと強引だったけど、これぐらいハッキリ言った方が良いわね」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「これで木下さんも気持ちに諦めがついて、お兄ちゃんの方に気持ちが傾くでしょ。 遠くの人より近くで支えてくれる人ってね」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「それにしてもなぁ、こんな面倒な事になる予定じゃなかったのに・・・」

〇まっすぐの廊下
  あの時、入れ替わったお兄ちゃんが、武司の告白をよく聞かずに適当にOKしちゃうんだから・・・
  私(千陰)のままだったら、武司をからかって遊んだ後、バイバイして終わる予定だったのに・・・

〇まっすぐの廊下
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「けどまぁ・・・一回くらいならデートしてあげてもいいかな。なんか退屈せずに楽しそうだし」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ハッ!! ダメダメ! 私は『罪を償う』為に入れ替わって、お兄ちゃんを幸せにしないと!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「そうすると、木下さんと武司がくっつかないようにこの関係を維持しなきゃいけないのよね・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「すると今度は、お兄ちゃんは武司と男同士で付き合う関係になって嫌がってストレスが溜まっちゃうし・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「あーもう! ほんとめんどくさい!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「・・・めんどくさい、けど ・・・仕方ない」
  これが私の背負った罪を償う方法だから・・・
  全てを受け入れてお兄ちゃんを『存在』させないと・・・
  そしてこれが、私の身の回りにいる全員の幸せを維持できる方法でもあるんだから・・・
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(あっ、そういえば今朝のあの子(可憐)もお兄ちゃん思いの子で復讐の為にあんな事したようね)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(もし仮に私だったらこの後どうするかな?)

〇可愛い部屋
可憐(かれん)「来栖武司・・・絶対に許さない。 お兄ちゃんをあんな目に合わした報いを絶対に受けさせてやるんだから・・・」
可憐(かれん)「くくく、今朝は見逃してくれたみたいだけど、これで終わりじゃないんだから!」
可憐(かれん)「今度こそ、怖気づかずにやってやる! 今夜待ってなさい!」

〇まっすぐの廊下
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(・・・てな感じになってるんだろうなきっと)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(しかも武司は今重症を負って力を発揮できないから、うまくいけば女子でも本気で襲えば勝てる可能性もある)
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「あちゃ~、そう考えるとマズいわ」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「よし! ごめんお兄ちゃん。今晩出してあげられない、許してね」

〇保健室
木下誠美(きのした なるみ)「ひっく、ひっく・・・グス(泣)」
木下誠美(きのした なるみ)「悔しい・・・。 ・・・なんで急に出て来たあの子に武ちゃんを取られなきゃいけないの?」
木下誠美(きのした なるみ)「私が・・・最初に武ちゃんを好きだったのに!」
  武ちゃんはずっと私の側にいてくれると思っていた。
  だけど千陰ちゃんが武ちゃんを奪って、私から遠くへやった
  武ちゃんはあんな子のどこが良いんだろう。あんな子と付き合っても、きっといい事ないよ
木下誠美(きのした なるみ)「あっ! もしかしてさっき見た夢って・・・」
木下誠美(きのした なるみ)「未来からの警告かも!」
木下誠美(きのした なるみ)「うん、きっとそうよ! このまま武ちゃんと千陰ちゃんが付き合い続けたら起こる未来の事なんだわ!」
  多分今の私は嫉妬で思考がおかしくなってるのかもしれない。だけど・・・
木下誠美(きのした なるみ)「あの夢あリアルで本当に起こりそうな気がする」
木下誠美(きのした なるみ)「決めた・・・」
木下誠美(きのした なるみ)「あんあ不幸な未来を起こさせないために、絶対に私は武ちゃんの事を諦めない!」
  続く

次のエピソード:エピソード7

コメント

  • 少しずつ謎だった千陰の行動が明かされて来て、体の支配権もどうやら強そうですね。周りの人間関係もかなりこんがらがっていて、もつれた糸が1つになるのかという展開に、ハラハラします。
    まだまだかれんちゃんも、一波乱起こしそうですね!

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