〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
公園の子供「ママー、また怪人が回ってるよ〜」
公園の子供のママ「しっ、みちゃいけません!!」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
警察官A「あー、きみ」
警察官A「こんな時間に公園で何してるの？」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
警察官A「ちょっと、聞こえてる？」
警察官B「先輩、言葉が解らないタイプの怪人では？」
警察官A「あー、そうか怪人というやつはイマイチ解らん」
警察官B「怪人法で怪人にも人権が生まれましたが怪人と言っても千差万別ですからね」
警察官B「人の言葉が解らない、動物に近しい者もいますし」
警察官A「いやはや、どうしたものかな・・・」
警察官B「見たところ、同じところで回ってるだけで特に危険なことはしてないみたいですし」
警察官B「上に報告だけでいいんじゃないですか？」
警察官A「まぁ、そうだな」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
女学生A「ねぇ、あいつ　ずっと廻ってくない？」
女学生B「まじそれな」
女学生A「ウケんだけど、インスタあげるわ」
女学生B「まじそれな」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
女学生A「え、やば！めっちゃバズってんだけど」
女学生B「まじそれな」
女学生A「やっば、うちら有名人じゃね??」
女学生B「まじそれな」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
リポーター「皆さんこんにちは、ヒルナンダヨ みんなの街に突撃リポートの時間です」
リポーター「今日も私、大日本テレビアナウンサー 花野が現場からリポートをお届けします♪」
リポーター「今日お伺いした公園ですが・・・　 これまでにない名物ができたということで早速レポートしていきたいと思います」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
リポーター「この怪人は一ヶ月以上同じ場所で廻り続けているということで、新たな街の名物になっています」
リポーター「近隣の人のお話も聞いてみましょう」
公園の子供のママ「はじめは子供達に何かあるんじゃないかと思って心配だったんですけど、ずっと廻ってるだけなの」
公園の子供のママ「最近は、ママ友との待ち合わせ場所にしたりしています」
リポーター「そうなんですね、怪人はいつからここでまわっているんですか？」
公園の子供のママ「正直にいうと解らないんですよね 気がつけば廻っていたので、私たちがこの辺に住み出してからはずっといる気がするわ」
リポーター「そうなんですね・・・」
リポーター「それでは、SNSに投稿した女性にもお話聞いてみます！」
女学生A「なんか、うちがインスタあげたらミンナのってきて、マジわたしが文化作ったみたいな」
リポーター「SNSに投稿されたムービーが注目されて人気になったんですよね」
女学生A「そう、それ！マジうちに感謝しろだし」
リポーター「実際に怪人さんからもお話を聞きたいところですが、言葉が解らないタイプの怪人さんということで」
リポーター「スタジオにお戻ししまーす！」

〇テレビスタジオ
アシスタント「花野アナありがとうございました！」
司会者「うーん、怪人にも色々な人がいますね」
アシスタント「そうですね、回転してる近くに洗濯物干したら早く乾きそう」
司会者「いやいや、そりゃないでしょ（笑）」
アシスタント「えー（笑）」
司会者「それでは、今日のヒルナンダヨはこちらでお別れです。また明日！」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
l公園の男「くそ、なんも考えないでぐるぐる廻りやがって!!」
l公園の男「お前みたいになんも考えてない奴がいるから俺みたいに考えて考えて動いてる人間が割を食うんだ!!」
l公園の男「俺が何したってんだ!!」
l公園の男「みんなのために俺は・・・」
l公園の男「おい、なんとか言えよっ!!」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
l公園の男「くそっ!!舐めやがって!!!」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
l公園の男「くそ〜、俺は何やってんだよ・・・」
l公園の男「会社のために汚い仕事をして、切られて」
l公園の男「果ては、こんなモノに八つ当たり・・・」
l公園の男「情けねぇ・・・」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
l公園の男「はっ、はは」
l公園の男「周りのことばかり気にして」
l公園の男「はっ！そうか、そうだよな!!」
l公園の男「自分がいるから周りがある」
l公園の男「自分中心でいいんだよなっ!!」
l公園の男「お前はそれを表してるのかっ!?」
l公園の男「わかった！わかったよ、俺!! ありがとう!!ありがとうな!!!」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」

〇住宅街の公園
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
　　雨の日も風の日も
　　昼夜を問わずMR.スクリューは廻り続けた

〇住宅街の公園
信者A「彼こそ、神が使した伝令係なのです」
信者B「我々、螺旋の会はその教えを世に広げるためのインフルエンサーとして活動します」
信者C「さぁ、我々と共に廻りましょう 回転こそ神の真理に近づく術なのです」
信者A「ぐるぐるぐる〜」
信者B「ぐるぐるぐる〜」
信者C「ぐるぐるぐる〜」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
　　MR.スクリューを中心とした世の中の回転
　　そして、時代は廻る・・・
信者A「ぐるぐるぐる〜」
信者B「ぐるぐるぐる〜」
信者C「ぐるぐるぐる〜」
信者A「あー、神よ!!」
信者B「私は幸せです!!」
信者C「どうか、これからも私たちを見守りください！」
信者A「ぐるぐるぐる〜」
信者B「ぐるぐるぐる〜」
信者C「ぐるぐるぐる〜」

〇神殿の広間
　　300　years later
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜 ぐるぐるぐる〜」
「おぉ、今日も御神体は回転されておる」
「なんて神々しいんだ・・・」
MR.スクリュー「ぐるぐるぐる〜」
MR.スクリュー「ぐるぐる〜」
MR.スクリュー「ぐる〜」
MR.スクリュー「ぐ〜」
　　ピタッ！
「ご、御神体が!!!」
「と、止まってしまった!!!」
MR.スクリュー「ハー、ソロソロ」
MR.スクリュー「マワルノ」
MR.スクリュー「アキタナ」
MR.スクリュー「ソレニシテモ」
MR.スクリュー「コンナニ　カワッテ」
MR.スクリュー「ジダイ　ハ　マワルノガ　ハヤイナー」
MR.スクリュー「ツギハ　ナニシテ　ヒマツブシ」
　　その日、世界一の信者数を誇る教団の歴史に幕が閉じた
　　怪人にとっての暇つぶしに意味を求めて振り回された人々
　　MR.スクリューの行方は誰も知らない
　　ただ、時代が廻ることは確かだ
　　END