ウワサの幽霊と取り憑かれた私のJKライフ

夢見夜

ウワサの幽霊(脚本)

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〇ディベート会場(モニター無し)
「・・・ちゃん・・・なちゃん!」
実音「瑠菜ちゃん!!!」
  女の子の声が聞こえて、僕は目を覚ました。
実音「瑠菜ちゃぁん・・・よかった・・・気がついたんだね・・・」
「瑠菜ちゃん?」
  僕は体を起こした。
  なぜか、いつもより体が重い。
瑠菜(日向)「僕は日向だけど・・・」
  特におかしなことは言ってないはずだが、拭いきれない違和感があった。
  自分の声がいつもより高い気がする。
  それだけではない。地に足をつけて立っている感覚や、体が服に触れる感覚。
  その全てが、幽霊になってからは初めて味わうモノだった。
実音「え・・・? まさか・・・」
実音「こ、これ、見てください」
  確か実音と呼ばれていた子が咄嗟に化粧ポーチからコンパクトを取り出し、僕に見せてくれた。
瑠菜(日向)「瑠菜ちゃんが映ってる・・・あれ、動いてる?」
実音「これ、鏡です・・・ 瑠菜ちゃん・・・いや、日向さん」
瑠菜(日向)「え・・・えええええ!!!!」
  咄嗟に立ち上がり、下を見ると、結ばれたリボン。ブラウスを押し上げる2つの膨らみ。
  それに、太ももを撫でるスカートの感覚。
瑠菜(日向)「ぼ、僕、瑠菜ちゃんになったのか・・・?」
実音「日向さん!できちゃいましたね!憑依!」
瑠菜(日向)「せ、成功したのか」
実音「みたいですね! これで聞きたいこといっぱい聞けるぞー!」
  この子、切り替えが早すぎる。
瑠菜(日向)「う、うん。 でも、まず、先に君達のことを教えてくれないかな?」
実音「あっ!そういえば聞いてばっかりでしたもんね。失礼しました」
実音「わたし、桜実音って言います 1年生で、オカルト同好会会長です! 好きなことは読書とオカルトです! よろしくお願いします!」
実音「なんか、瑠菜ちゃんに向かって自己紹介するの、変な気分ですね。えへへ」
瑠菜(日向)「実音ちゃんだね。あと、この子のことも教えてくれないかな?」
  自分を指差しながら「この子」ということに不思議な感覚がしながらも、こう表現する以外に思いつかないためそのまま続けた。
実音「その体の持ち主は、わたしの友達の青葉瑠菜ちゃんです。同い年で、オカルト同好会の仲間です」
実音「面倒くさがりだけど、なんだかんだ言いながらわたしのやることに付き合ってくれる、とってもいい子なんですよ!」
瑠菜(日向)「そうなんだ」
  そうではないと分かりつつも、なんだか自分を褒められているような感じがして、ちょっとくすぐったかった。
実音「さて、自己紹介も済んだことですし、改めて質問させてもらいますね」
瑠菜(日向)「うん、僕にわかることなら答えるよ」
実音「ありがとうございます! ではまず、さっき答えがよくわからなかったので、あなたの未練について教えてください!」
瑠菜(日向)「さっき言った通り、僕は女子高生になりたい もっと言えば、キラキラした青春を送りたい!」
実音「うーん、青春に男女は関係ない気もしますが、なんで女子高生にこだわりが?」
瑠菜(日向)「それが僕にもよくわからないんだよ ただ、ずっとそうなりたかったということだけは覚えてるんだ」
実音「なるほど、やっぱり幽霊になると生きてた頃の記憶は薄くなってしまうんでしょうか?」
瑠菜(日向)「そうだね、生前の記憶は、僕がこの演劇部に所属していたことと、事故で死んだことと、未練のこと以外は曖昧だ」
実音「幽霊になってからの時間も関係してるかもしれないですね、歴はどれくらいですか?」

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