調査開始!(脚本)
〇ディベート会場(モニター無し)
時刻は午後7時。
今日は金曜日で特に予定がないのをいいことに、強引に演劇部の部室まで連れてこられてしまった。
私たちは演劇部長の美幸さんに少し話を聞いてから、調査に臨むのだった。
瑠菜「一応確認するんですけど、本当に怪奇現象が起こってるんですよね?」
美幸「本当よ 勝手にものが動いたり人影を見たり・・・別に悪さはされてないけど、薄気味悪いわね」
実音「ふふん、そこはわたし達オカルト同好会にお任せを! ばっちり解明してみせますよ」
美幸「ええ、よろしくお願いね それと、調査終わったら、先生に鍵返しておいてね」
実音「はい! 遅くまでありがとうございました!」
瑠菜「お疲れ様でした」
美幸「じゃあね、何かわかったら来週教えてね〜」
美幸さんが帰宅し、部室にいるのは私たち2人だけになった。
実音「じゃあ、調査しよっか」
瑠菜「毎回思うんだけど、幽霊の調査をするには時間早くない?」
実音「わたしだって本当は深夜にやりたいけどぉー!先生が許してくれないの!」
瑠菜「あー、そりゃそうだよね 部活の合宿とかならまだしも、単なる同好会だもんね私たち」
実音「これから立派な部活になるためにも、頑張ろうね瑠菜ちゃん!」
瑠菜「はいはい」
実音「それじゃ、調査始めよっか!」
瑠菜「始めるって言っても、今回は何するの? 幽霊が出る条件とか、何もわからないじゃん」
実音「ふふふん それについてはもうある程度見当はついてるんだよね」
瑠菜「え?そうなの?」
実音「瑠菜ちゃん、なんでこの部室の幽霊が、怪現象を起こしてると思う?」
瑠菜「え?そんな急に幽霊の気持ち当てろって言われても・・・」
実音「ヒントはねー、どんな現象が起こってたかってところかな?」
いきなりのクイズに戸惑ったが、実音がやけに真剣そうな顔なので、真面目に考えてみる。
この幽霊がしてきたことは、セリフの練習に付き合ってあげたり、演出のヒントをぬれたり、何かしら部活に貢献しようとしていた。
もし私が同じような立場にあるとしたら、なぜそんな行動をするだろう。
そう考えれば、少しわかる気がしてきた。
瑠菜「もしかして一緒に劇がやりたいとか、仲間に入れて欲しいとか、そういう感じかな?」
実音「うんうん、瑠菜ちゃんかなりいい線いってるよ! さすがオカルト同好会副会長だね!」
瑠菜「実音に色々聞かされてたせいでなんとなくわかるようになってきちゃった・・・」
実音「ちなみにわたしの推理としてはね、この幽霊は元々この学校の演劇部員だったの ついでに、目立ちたがり屋さんだったんだよ」
実音「それが、きっと自分が主演の劇の直前に不慮の事故に遭い、ずっともう一度舞台に立ちたいという未練からここに縛られているの」
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幽霊さん、本当にフランクに出てくるんですね!思わず笑ってしまいました!