最終話 空聖との未来(脚本)
〇集落の入口
次の日の早朝、白栴は器の花びらが気になって一人で村を訪れていた。
白栴(ど、どうなっているかなぁ・・・?)
白栴が空聖と共に器を置いた場所へ向かうと──
白栴「あっ!」
器は、ひっくり返り・・・中の甘露水も二枚の花びらも地面に無惨に溢れていた。
白栴「そんな・・・!」
〇木の上
白栴は、とぼとぼと器と二枚の花びらを抱えて家路を歩く。
白栴(私には・・・まだ恋は早かったのかな・・・?)
???「白栴──!!」
白栴(あぁ・・・ダメだ・・・。 空聖さんの幻聴まで聴こえる・・・)
〇木の上
悲しみに沈む白栴が空を見上げると・・・白い羽根のような花びらが舞い降りて来て──
目の前に空聖が姿を現す。
空聖「おいっ!白栴!! 大丈夫か?」
白栴「空聖さん・・・」
空聖「なんかあったのかよ?」
白栴「・・・えへへ。 花びらダメでした」
空聖「・・・無理に笑うなよ・・・」
空聖「くよくよすんなって! ホラ、ちょっと付き合えよ!!」
〇雲の上
空聖が白栴の腕を引っ張ると、二人はあっという間に空へと移動した。
空聖「ダメだった分、これから頑張りゃいいんじゃねーか?」
白栴「えっ?」
空聖「それともオマエの恋は まじないに左右されるような決意の恋なのか?」
白栴「・・・!!」
空聖「その顔じゃあ・・・ 違うみてーだな?」
空聖「オレ様も諦めるつもりはねーよ・・・?」
白栴「えっ?」
空聖「コホン!」
空聖「あ──えっと・・・ そうだな・・・」
白栴(ん? 珍しく歯切れが悪い?)
空聖「白栴。 オレは── オマエが好きだ!!」
白栴「・・・!!!!!!」
空聖「冗談じゃねーぞ? オレと本当に恋仲になってくれ・・・!!」
白栴「・・・」
空聖「は、白栴? おいっ! 聴こえてるか──?」
白栴「はっ!!」
空聖「おい・・・オレの話・・・ 聴こえてたか?」
白栴「き、き、聴こえてました! 聴いてました!! もちろん!! ぜひ!!!! ぜひともっ!! よろしくお願いします!!!!」
空聖「お・・・おぅ!! そうか・・・!!!!!! ヘヘッ!! 安心したぜ・・・!!」
空聖「でもよ? そんな簡単に承諾していいのかよ? 他に本命がいるんじゃねーか?」
白栴「い、いいい・・・いません! 私が好きなのは・・・ 空聖さんです!!」
空聖「本当かっ!?」
白栴「本当ですっ!!」
白栴「空聖さんは・・・ 私の縮こまった世界に いつも手を差し伸べてくれる・・・!」
白栴「私の世界を広げてくれる・・・。 空聖さんの側でなら 私も私らしくいられるし・・・ 安心できるから・・・!!」
空聖「・・・白栴・・・!!」
空聖「白栴! ちょっと手、出してみ?」
白栴「⁇」
空聖が自分の首に下げていた首飾りに息を吹きかけると──
そっくりそのままの首飾りがもう一つ現れた。
空聖「・・・前にも言ったよな? オレはオマエを失うのが嫌だって」
空聖「九魔羅にやられた時、少しの間・・・ 人になってわかったんだ・・・」
空聖「人になったら・・・オマエと今世の時間を同じ速度で共に生きられる。 でも・・・来世も その先も・・・」
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二人が結ばれて何かホッとしましたし、最後のスチルにドキッとしました😆
いいお話でした🥺空さんと白さんの物語は読んだ人の中できっと続いていく事だと思います😇