APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

4.4人での初任務のようです。①(脚本)

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菜鳥オウル

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〇オフィスのフロア
須佐川(電話)「××町で怪異関連の事件が発生した。犯人は恐らく野狐、推定危険度はAだ」
須佐川(電話)「急ぎ現場に向かい、怪異を「処理」してこい」

〇開けた交差点
玲奈「よし、無事現場付近に到着」
八田島「ちょっと、なにこの転位陣ってやつ」
八田島「指定した位置にすぐ飛べるなんてめちゃくちゃ便利じゃん。どうして今まで使わなかったの」
玲奈「無駄遣いできないからよ。作るのにコストがかかりすぎるって研究部の人が言ってたわ」
玲奈「だから急な出張とか緊急事態の時しか使えないの」
八田島「ふーん、研究部ね・・・」
八田島「今度何枚かくすねてこよっと」
玲奈「それにしても、危険度Aを相手にするのは初めてね」
玲奈「注意しないとこっちがやられるわ」
酒巻「あ、茨木達は知らないよね。危険度っていうのは・・・」
茨木「対象から感知出来る妖力の強さを基準に、怪異をランク分けしたもの」
茨木「ほぼ力を持たない怪異が最低ランクのE。それからD、Cと上がっていき、Aになると実体化して人に化けれるようになる」
茨木「そしてその上がS。多くの場合、神話や伝承上の怪異が該当する。中でも強力な怪異は特級ランクに分類される・・・」
茨木「──ですよね?」
酒巻「く、詳しいね・・・」
茨木「施設にいた頃から、知識だけは溜めていましたから」
茨木「ですが、感知できる妖力だけで危険度を測るのは無理がありますよ」
酒巻「どうして?」
茨木「妖力は術で隠してしまえるものですから。ランクA以上の怪異の中には、その力を使って人に紛れている者もいます」
茨木「そういう怪異は怪異同士でも感知が難しい。もしこの事件の犯人がその類いであれば、捕まえることは容易ではないでしょう」

〇ゆるやかな坂道
玲奈(ええっと、この近くのはずなんだけど・・・)
???「ああよかった! 警察の方ですね!」
玲奈(違うけど・・・面倒だから訂正しなくていいか)
玲奈「・・・失礼ですが、あなたは?」
通報者「この先の公園で起こっている喧嘩を通報した者ですよ」
通報者「お願いです、早く止めてください! このままだと誰かが死んでしまう!」
玲奈「──!! 分かりました、すぐ向かいます!」
通報者「・・・ええ、よろしくお願いしますね」

〇広い公園
野狐の少年「やめろ、僕に近づくな!!」
男1「ひぃいいい!!」
男2「もうやめてくれえええ!!」
玲奈「はぁっ!」
野狐の少年「うっ!?」
男1「あ、あんたは・・・」
玲奈「通報を受けて来た者です。もう大丈夫ですからね」
玲奈「酒巻くん、茨木さん、医療部に連絡を!」
玲奈「それから、周囲に被害がでないよう結界を張って!」
「了解!/承知しました」
玲奈「さあ、やるわよ」
野狐の少年「あなたも、僕の敵?」
玲奈「ええ。悪いけど、調伏・・・」
玲奈「──!?」
玲奈(待って。あの子、どうしてあんなにボロボロなの?)
玲奈(頬に痣があるし、唇も切れてる。まるで、誰かに殴られたみたいな・・・)
男1「くそっ、あいつ何なんだよ!」
男2「大人しくしてたのに、急に火なんか出しやがって!」
玲奈「もしかして、あの2人・・・」

〇オフィスのフロア
八田島「ほとんどの怪異は怪異なりに感情があるし、理由があって行動してる」

〇広い公園
野狐の少年「どうして!? 僕は静かに生きて行きたいだけなのに、どうして邪魔をするの!?」
玲奈(そう、だったのね)
八田島「さてさて、キミはどうするの? いつも通り、お得意の調伏でも始める?」
八田島「ああ言っておくけど、今回は絶対に手を貸さないから。たとえシュークリーム30個でも・・・」
玲奈「いいえ、まだ調伏はしないわ」
八田島「えっ」
玲奈「まずは捕まえて事情を聞く。調伏するかどうかはその後よ」
八田島「・・・嘘・・・」

次のエピソード:5.4人での初任務のようです。②

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